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@IT[FYI] 企画:アットマーク・アイティ 営業企画局
制作: アットマーク・アイティ 編集局
掲載内容有効期限:2003年8月15日

 
 
PDFとXMLの融合によるビジネスプロセス変革

販促媒体から申請書、出力帳票まで
統合力を目指すPDFの世界

 前回「PDFとXMLの融合によるビジネスプロセス変革〜ドキュメント・人・プロセスを統合する〜Acrobat 6.0とアドビサーバ製品群との親和性」では、アドビシステムズによるサーバサイド製品「Adobe Document Server for Reader Extensions」「Adobe Form Designer/Server」を概説し、「単なる出力フォーマットとしてではない」PDFの新たな可能性を紹介した。

 第2回の本稿では、いま一度、「出力フォーマット」としてのPDFに立ち返ってみたい。多様な用途、業務に最適化されたAdobe Document Generationソリューションを理解することで、より豊かな表現力とPDFフォーマットの新たな可能性が見出せるはずだ。

アドビシステムズが考えるPDFフォーマットの統合力
写真1 アドビシステムズ ePaperソリューション部フィールドプロダクトマネージャ小島氏

 「ドキュメント」とは、業務プロセスを貫いて流れる「要素」そのものである。業務プロセスのシステム化を考える上で、この「ドキュメント」をいかに効率的に扱えるかが、重要な課題であることは言うまでもない。

 昨今のシステム化は、ときとして局所的なものに留まり、「システムとシステム」「システムと人」「バックエンドとフロントエンド」とに大きなギャップをはらむケースが少なくない。というのも、そこに介在する「ドキュメント」が、用途に応じてさまざまなフォーマット(紙媒体も含め)を要求され、結果として一貫したプロセスの構築を阻害することになったからである。

 人に対するコミュニケーションにはレイアウトやビジュアルを重視したフォーマットが重要であったし、バックエンドシステムにはXMLのような構造が明確に定義されたフォーマットが重要視された。その両者のギャップ──そして、フォーマットを変換する「人手による手間の発生」こそが、上記で挙げたような一元的なフローを阻む「断絶」であったのだ。

 しかし、PDFフォーマットとは、実に「整形されたレイアウト(UI)」と「情報システムで再利用可能なトランザクションデータ」とを一元的に表現できる<電子ドキュメント>であると同時に<情報コンテナ>(Hybrid Format)である。構造化データと非構造化データ、定型データと非定型データとのブリッジであるといってもよい。

 アドビシステムズのDocument Solutionとは、まさにこの「情報コンテナ」としてのPDFフォーマットを介して、ビジネス全体を包括するプロセスを提供することにほかならない。

Any Data to PDF、ワンソースでマルチユース
〜Adobe Central Pro Output Server〜

 Adobe Central Pro Output Server(以下、Output Server)は「Document Solution」の中でもOutput(出力)にフォーカスをおいたサーバ製品であり、アドビシステムズではこのフェーズを「Document Generation(文書生成)」と呼ぶ。

 「Output」といっても、従来のようにエンドユーザが作成したWordやExcelのようなドキュメントをPDFフォーマットに変換するのとは、少々角度が異なる。

 Webから入力された情報やバックエンドシステムに蓄積された「データ」をもとに「動的に」帳票を作成するのが、Output Serverの役割だ。

 画像1に注目してみてほしい。

画像1 帳票テンプレートに基幹システムのデータをマージして自動生成

 これはあらかじめ生成された帳票テンプレートに対して基幹システムのデータをマージし、動的に生成されたPDF文書の例だ。入力されるデータはXML、CSV、固定長フォーマット……なんでも構わない。「Adobe Output Pak for mySAP.com」を利用することで、SAPシステムからのデータとの連携を図ることも可能となっている。

 アプリケーション側で行うことはただあらかじめ定められたディレクトリに対して、所定のデータを渡すところまで。データとテンプレートのマージ、帳票の発行はOutput Serverが「自動化処理」を行うのだ。単一のデータを複数の帳票テンプレートに適用する(ワンソースでマルチユース)から、アプリケーション側で帳票に応じていくつものデータを生成するという必要もない。

 従来の「Any Document to PDF(いかなる文書もPDFへ)」とは明らかに一線を画する、それは「Any“Data”to PDF(あらゆるデータをPDFへ)」とも呼ぶべき世界である(図1)。

図1 あらゆるデータがPDFを媒介にして、さまざまな形で使用される

 もちろん、出力の文書形式はPDFに限定されない。

 用途に応じて、E-Mailの添付ファイルとして特定のクライアントに送信することも可能であるし、あるいはプリンタサーバ、FAXサーバに送信することで遠隔の紙媒体に出力することもできる。また、他のアーカイブシステムに対して直接にデータ送信すれば、「システム To システム」でダイレクトな連携も可能だ。

 Output Serverの魅力は、そうした複数チャネルへの出力はAgentと呼ばれる専用の制御モジュールが統括し、アプリケーション側がなんら関与せずにすむ点にある。Agentには、データ形式の変換を担うTransformation Agentをはじめ、印刷機能を司るPrint Agent、XMLデータを受け取るXML Import Agent、SAPの標準データフォーマット「RDI」を受け取るRDI Agentなどが用意されている(Output Pakにて提供)。

 ただし、こうした機能も電子帳票自体の作成が困難だとしたら、あるいは、柔軟性を提供しないとしたら、到底、実運用に耐えるものではない。

 そこで登場するのが、Output Serverとセットで使用する帳票設計ツールOutput Designerなのだ。

いかなるプリントタイプにも適応する、帳票設計ツール
〜Adobe Output Designer〜

 Adobe Output Designerは完全なGUIによる帳票設計を可能にする。ツールボックスから罫線やロゴ、バーコードなどの部品をドラッグ&ドロップするというユーザーにはおなじみのインターフェイスはもちろん、Adobe Form Designerで設計した入力用フォームファイルのインポート機能も備えており、入力帳票と連動した帳票生成も可能になっているのが嬉しい。これもアドビシステムズの統合ソリューションの恩恵の一端というべきだろう。

 また、データに応じてテンプレートを動的に変更できる「ダイナミックフォーム機能」にも注目だ。

 例えば、納品書明細のような帳票フォームを思い浮かべてみてほしい。1ページ目には宛先やこちらの住所などヘッダ部の出力が必要になるが、2ページ目には必要ない。このような場合にも、Output Designer上で設定パラメータを変更するだけで、ページごとの出力内容を動的に変更することができる。

 ダイナミックフォーム機能は、取引先ごとに異なる帳票を出力したいという場合にも有効だろう。例えば、見積書。A社は消費税を内税として換算するが、B社は外税として換算する――そのような場合にも、会社ごとに出力処理を分岐することで、2種類のテンプレートイメージを作成する――必要はない(画像2)。

画像2 ダイナミックフォーム機能で自動的に2種類の帳票を出力する

 ここで、Output Serverを利用した「岐阜県 電子申請実証実験システム」の事例を引用してみよう。本実証実験は、職員採用試験申し込みにおいて、入力された申請データから受講表を自動生成・配信する試みである。従来、紙で申請書を受け取り、岐阜県庁職員がシステムに再入力していたものが電子フォームを利用することで、「プリントアウトして記入する」などの人手を介することなく、データのままでのやりとりができる。また、受講表はシステム側で自動的に生成されるため、受講者にはほぼリアルタイムに受験票を配信することができる(図2)。

図2 岐阜県電子申請実証実験システム構成(2003年8月実施予定)

 処理時間の大幅な短縮と受講者へのサービスが向上するのがご理解いただけるだろう。実証実験は2003年8月開始を予定しているが、国内の先進事例として今後の展開を期待したい。

ワンソースマルチユースで、画像編集作業を自動化・効率化
〜Adobe Graphics Server〜

 Output Serverが文字・数値情報を主体とした帳票生成を担う製品だとするならば、ここで紹介するGraphics Serverはイメージデータを主体としたドキュメントを動的に生成するための製品である。

 例えば、以下のようなカタログや広告などの販促媒体を想定してみよう(画像3)。

画像3 従来、販促物は外部デザイナーへの依頼が必要だった

写真2 アドビシステムズ マーケティング本部 ePaperソリューション部 フィールドプロダクトマネージャ 芝崎氏 「Graphics Designerの登場によって、グラフィックデザイナーはファイル形式の変換やサイズ変更などの単純作業から解放され、本来のクリエイティブなデザインに専念できるようになる」

 このようなデザインを作成する際、グラフィック用の専用ソフトを扱える専門技術者(デザイナー)の作業が介在していた。

 デザイナーにより作成された画像・グラフィックデザインを、印刷物やホームページ、携帯電話用コンテンツとして利用するまでには、双方の意思の疎通を図るために多くの時間と業務フローが発生する。

 レイアウトデザインのほんのわずかな一部、例えば背景のイメージやあるテキスト部分を変更したい場合も、デザイナー側が修正作業を行う必要があった。

 しかし、Graphics Serverを使用することで、こうしたやりとりはほぼ完全に解消される。デザイナーがあらかじめ基となる画像・グラフィックや、イメージレイヤ、テキストレイヤが埋め込まれたPhotoShop PSDファイルを作成しておくだけでいいのだ。

 制作者は、使用用途に応じてレイアウトやテキストの変更を自由自在にできるようになる。さらに具体的に言うなら、ファイルフォーマット、解像度、サイズ、カラーモードの指定や、PSDファイルの中の各レイヤーの置き換え等、従来デザイナに依存していた部分を意図のままに操ることが可能となる(画面1)。

画面1 Document Generationで、背景イメージを選択してレイアウト

 Graphic Serverの登場で、グラフィックデザインやレイアウトデザインなどを「限られた一部の人間」に依存することなく、「誰でもできる」ようになったことの意味は大きい。それは従来の作業工程を軽減することに留まらない。独自のプロモーションが必要な営業支店や販売パートナーに対し、オリジナル販促ツールの制作支援としてGraphic Serverを適用することが可能で、これまで「プロに依頼するほどの費用はかけられないために、販促効果は見込めるのになかなか着手できなかった」という分野にまで、自在にプロモーションの手を拡大できることを意味するのだ(図3)。

図3 営業ツールを簡単に生成するGraphic Server

販促媒体から申請書、出力帳票まで 統合力を目指すPDFの世界

 以上、Adobe Document Generationソリューションを支えるサーバ製品、Output ServerとGraphics Serverについて紹介してきた。

 前回紹介したForm Server/Designerを含め、これらサーバ製品は互いに競合するものではない。それぞれがワークフローの中で補完しあいながら、統合的なソリューションを提供するための密接なつながりを持つ。

 例えば、Graphics Serverで多様なチャネルに対してアンケート収集やイベント申し込みなどのプロモーション活動を行い、Form Serverでオンラインの申し込みを行う(図4上)。そして、Output Serverで注文伝票や納品書、請求書を発行する、といった一連のフローが、完結したAdobeサーバ製品で可能となるのだ(図4下)。

図4 Fom ServerとOutput Serverの連携利用事例

 アドビシステムズは、「ドキュメント」というきわめてニュートラルな――汎用的な――概念をベースに置いた。ゆえに、そのソリューションはあらゆるビジネスフローに蓋然性を与え、統合力を約束するものである。

 アドビシステムズでは「ドキュメント・プロセス」をキーワードに、今後ともに統合的なソリューションを続々と提供していく予定である。

アドビのサーバ製品の詳しい情報は、

http://www.adobe.co.jp/products/server/main.html

をご参照ください

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