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 @IT > 企業戦略ツールとしてのWebサイトの活用・運用法 > 第4回
 
@IT[FYI] 企画:@IT営業企画局
制作:@IT編集局
掲載内容有効期限2002/10/27

 

企業戦略ツールとしてのWebサイトの活用・運用法(4)

事例2: Webサイト解析により顧客とのコミュニケーションを高め、アフターサプライビジネスを拡大

 今回は、エプソン販売株式会社におけるAURIQ製品導入事例をご紹介する。

   
エプソン販売株式会社
東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビル24F(〒160-8324)
Tel:03-5321-4111(代表)

http://www.i-love-epson.co.jp/
 
■設立:1983年5月23日
■資本金:40億円(2002年8月31日現在)
■事業内容: - 情報関連機器卸売
■取扱商品: - プリンタ、カラーイメージスキャナ、カラーコピーサーバ、パーソナルコンピュータ、液晶カラーテレビ、液晶ビデオプロジェクタ、パソコンPOSシステム、財務会計システム、財務・税務・業務パッケージソフト、その他情報機器


 

 情報関連機器ホームユース市場とエプソン販売のWeb戦略

 家庭での情報関連機器は、すさまじい勢いで普及している。その背景には、各社から次々と高機能で低価格のパソコンやデジカメ、インクジェットプリンタなどが発売され、一般消費者にとって入手しやすい製品となったことが挙げられる。その結果、消費者はこれらの情報関連機器によって、新たなライフスタイルに目覚めたといえよう。デジカメで子供の成長記録を残したい、デジカメで撮った写真をプリンタで印刷したい、写真データをパソコンできちんと管理したい。こうした消費者のライフスタイルの変化に伴い、情報関連機器のホームユース市場はさらに拡大を続けるだろう。

エプソン販売の「I-Love-EPSON」サイト
http://www.I-Love-EPSON.co.jp/
 さて、この成長市場において確固たる地位を築いているのが「カラリオシリーズ」の「セイコーエプソン」である。そのメーカー販社である「エプソン販売株式会社」(以下、エプソン販売)では、“お客様との直接コミュニケーションの場”として消費者向け情報提供サイト「I-Love-EPSON」(http://www.I-Love-EPSON.co.jp/)を1997年から立ち上げている。エプソン販売では、さらに、上記サイトの付加機能として「MyEPSON」を昨年2001年10月に開始した。これは、消費者が、自分の所有機種のタイプや興味関心事項を登録することによって、カスタマイズされた個別の情報が提供されるサービスである。この付加機能を通じて、エプソン販売は、より一層、個々の消費者との関係を深めていこうとしている。

 

 エプソン販売のWebサイトが抱えていた課題とは?

 「I-Love-EPSON」において力を入れてきたのは、プリンタ、スキャナなどの製品のさまざまな利用方法に関するコンテンツである。製品の販売だけにとどまらず、利用方法を提案することで製品の利用価値を高め、さらなる顧客満足度の向上を目指しているわけだ。さらに次回購入時にもエプソン製品を選んでもらいたいという思いも込められている。

EPSON PrinTown
 実際のコンテンツを見ると、例えば「EPSON PrinTown」では、デジカメやスキャナで取り込んだ写真を記録し、それを公開したり、加工したりできる「Photo Album」、3Dクラフトの迷路を作って楽しめる「I Love迷路」など、さまざまな無料サービスが提供されている。最近では、写真を飾るためのフォトフレームが各種ダウンロードできる「プリント・イメージ・フレーマー」が大人気だそうだ。

 近年、「カラリオ」プリンタを始めとするエプソン製品の売れ行き好調に加えて、上に紹介したようなコンテンツの充実、「MyEPSON」のスタートなどによって、「I-Love-EPSON」は現在、1500万〜2000万ページビュー/月を記録する大規模サイトへと成長を遂げた。「MyEPSON」の登録者も、すでに30万人を突破しているそうだ。

 そうした中、「I-Love-EPSON」のコンテンツ企画・作成、およびWebサーバの運用管理を担当している同社Eマーケティング室では、エンドユーザーマーケティングにおけるコミュニケーションツールとしてのWebサイトの重要性が高まるにつれ、次のような課題に直面していた。

■アクセスログ解析に手間・時間がかかる

 課題の1つは、分析機能の脆弱さである。膨大なアクセスログをバッチ処理で解析する従来のログ解析ツールでは、データを処理するだけでも丸1日を必要とした。しかも、安定運用のためサーバ二重化を図っているため、2つのサーバのログを合わせて1つのデータにしなければならないという、再加工の手間も発生していた。

 このためサイトの閲覧状況もせいぜい月1回、レポートを作成する程度で、マーケティングに必要なタイムリーな情報提供ができない状態であった。

■サーバ・パフォーマンス低下の原因を特定できない

エプソン販売株式会社 Eマーケティング室 係長 中谷輝幸氏
 Webサイトの利用者が増加し続ける中で、サーバの運用管理を担当する中谷氏は、問題が起こった場合に、その発生要因を素早く特定できないという点に頭を悩ませていたという。

 例えば、Windows XPのリリースに伴って新しいプリンタドライバをダウンロードできるようにした際には、かなりのアクセスが集中し、「明らかにサイトの反応が遅くなり、焦りました」(中谷氏)という状況であった。「I-Love-EPSON」はプリンタドライバのダウンロードなども多いため、ページ閲覧だけのサイトに比べるとサーバ負荷も大きいのである。

 ところが、当時はパフォーマンス低下の要因を特定するすべがなく、とりあえずマシンの性能を向上させることでしのいだという。しかし、真の原因をきちんと把握できなければ、サーバを強化すればよいのか、回線を増強すればよいのか、適切な対策が分からず、現実には無駄な設備投資をすることになりかねない。

 そうした面で、サーバの稼働状況をハードウェアレスポンスと回線の双方できちんとトラッキングし、問題発生に対して、正確な原因解明が行えるツールが求められたのである。

 

 導入のポイント

 さて、エプソン販売が、「RTmetrics」「RTbandwidth」の導入を決定したポイントは次の通りである。

●RTmetrics導入のポイント

  • タイムリーな解析が可能
  • 解析担当者の生産性が向上

●RTbandwidth導入のポイント

  • サーバ運用状況をリアルタイムで監視可能
  • 問題の発生に対する原因解明と迅速な対応が実現

 
 

 RTmetricsの導入効果

 では、実際に導入した後の成果について見てみたい。

●解析担当者の生産性、対応スピードが劇的に向上

エプソン販売株式会社 Eマーケティング室 中尾 由香理氏
 Eマーケティング室で「「I-Love-EPSON」サイトのコンテンツ企画などを担当している中尾氏は、「『RTmetrics』を導入した現在は、実に解析業務が楽になった」と語る。リアルタイム解析が可能な「RTmetrics」だから、いまその瞬間の情報を基に、最新のレポートの作成が即座に行えるのである。

 また、各製品の販売促進を行っている担当者からの、ちょっとした問い合わせに対しても、「RTmetrics」のレポート画面を見ながら電話口で回答することもできるという。

 つまり、以前の数十分の一の時間で意思決定に必要なデータを把握することができるようになったのである。移り気な消費者を相手にしているWebサイトの運営において、この大幅なスピードアップの効果は計り知れないものがある。そして担当者は、最新のユーザニーズを基に、コンテンツの企画やマーケティング戦略の作成など、素早い対応を取ることができるのである。

 

 RTbandwidthの導入効果

●サーバ運用状況をリアルタイムで監視可能

 「RTbandwidth」の機能のうち、現在中谷氏が主に利用しているのは、利用帯域のモニタリングや、エラー発生状況(画面1)である。常にユーザーに快適なアクセスを提供できるよう、日々監視しているという。

画面1 極端にエラーが多い状態などは、一目で分かる

 また、二重化しているWebサーバの1つを止めて、メンテナンスを行う場合でも、帯域に十分空きのある時間帯に行うといったことにも活用している。

●問題の発生に対する原因解明と迅速な対応が実現

 中谷氏は、最近あったエピソードを紹介してくれた。

 「エラーの状況を見ていたら、一定のエラーが集中して発生していたので、原因を探索したら特定ドメインからの異常なアクセスであることが分かり、即座に連絡を取り、短時間で解決することができました。『RTbandwidth』を導入していなかったら、サーバのパフォーマンスを低下させるような異常アクセスを発見し、その原因を突き止めるはできなかったでしょうね」

 また最近は、リンク切れが原因である404エラーの発生状況を取りまとめて、コンテンツ作成チームに報告する予定もあるそうだ。

 
 

 今後の展開


エプソン販売株式会社 Eマーケティング室 課長 臼杵敏子氏

 Eマーケティング室課長の臼杵氏はWebサイト運営という作業に関して、「Webサイトは、立ち上げただけではダメで、それからの運営がすべてです」と断言する。つまりは、トライ&エラーで日々さまざまな工夫をしつつ、サイトを最適化していきたいと考えているそうだ。

 さらに臼杵氏は、「いままでのツールと違って、『RTmetircs』はタイムリーに解析結果が分かり、操作が楽なので、現場のスタッフが日々繰り返し使っていく中で、お客様が何に興味を持っているかを肌で感じ、迅速に修正できる的確な判断力を養っていけると思っています」と語る。「RTmetrics」導入により顧客の深層心理まで把握し、双方向性というWebサイトの特質をさらに活かしながら、今後「I-Love-EPSON」を通してお客様に便利さから楽しさまで、「セイコーエプソン」の製品に関連するさまざまな情報・サービスを提供していきたいとのことだ。

 エプソン販売では、こうして「RTmetrics」でユーザーのサイト内行動をタイムリーに把握し、コンテンツの最適化やユーザビリティの向上に役立てていると同時に、「RTbandwidth」のリアルタイムモニタリングで、ユーザー満足度を低下させる要因となるレスポンスタイムの低下やエラーページの発生をくい止めている。

 エンドユーザーマーケティングにおいて、重要な役割を果たしているエプソン販売のWebサイト「I-Love-EPSON」。その運営に当たって、「RTmetrics」と「RTbandwidth」は欠かせないツールになったといえそうだ。

第3回

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企業戦略ツールとしてのWebサイトの活用・運用法
Webサイトデータの戦略的活用とアクセス解析の必要性
ログ解析を超えたパケット取得型アクセス解析ソリューション
事例1:サイバード
「訪問者行動分析から携帯電話サイトにおける顧客満足度を向上」
事例2:エプソン販売
「Webサイト解析によりアフターサプライビジネスを拡大」
事例3:JALUX
「通販事業総売上の1割強を目指し、ECサイトの顧客動向分析を実施」

 




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