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Web 2.0がワークスタイルを変える
進化し続ける情報ポータル、infoScoop

従来の企業向け情報ポータル製品の多くは、会社から社員に向けて情報を発信することを目的とした、いわば「お仕着せ」のものだった。現在、企業における社員のワークスタイルは多様化し、社員1人1人が必要とする情報もさまざまだ。全社員に一律決まった情報を配布するだけでは、本当に業務に役立つツールとはいえない。その点、ビーコンITの「infoScoop」はWeb 2.0の利点をフルに活用することにより、社員が自ら「使いたくなる」情報ポータルを実現している。

    ユーザーの視点に立ち、ユーザーとともに共同開発

 “進化し続ける情報ポータルソリューション”──ビーコンITが提供するWeb 2.0情報ポータル「infoScoop」に、いま大きな注目が集まっている。

 情報ポータルといえば、iGoogleに代表されるように、個人向けにはいくつかの使いやすいツールが提供されている。しかし企業向け、特に大手企業の社内で広く活用できるようなツールはこれまで非常に数少なかった。また、実際に情報ポータルを導入している企業でも、全社規模で本格運用しているケースは少ないのが現状だ。

 企業向け情報ポータルの理想的な姿とは、例えばこうだ──個人スケジュールをはじめ、全社通達、プロジェクト進ちょく、取引先情報、イベント情報などの社内情報から、経済ニュースや外部マーケットサイトなどの社外情報まで、日々活用するすべての情報がポータルに集約される。社員は出社してパソコンを立ち上げると、まずその情報ポータルのページで必要な情報をすばやく収集して、さまざまな業務に生かしていく……

 しかし実際には、企業内の情報ポータルは1日1回見られていればいい方である。ほとんど見られていなかったり、iGoogleなどの個人向けポータルを活用していたりと、企業が期待する情報ポータルとしての役割を果たしているとはいえないのが現実だ。

 それはいい換えれば、現在提供されている企業向け情報ポータルが利用者にとって満足のいくものではなく、本当に必要な情報や機能が提供されていないことの裏返しでもある。

 こうした状況の中、“全社員が本当に使いたくなる情報ポータル”を目指して、ビーコンITとUFJISとの共同開発によって誕生したのがWeb 2.0情報ポータル「infoScoop」だ。“Web 2.0”は、次世代のWebアプリケーションを語るうえでは欠かせないキーワードだが、その実態は漠然としていて、なかなか捉えにくいのも事実である。しかし、ビーコンITがinfoScoopで掲げるコンセプトは明確だ。

図1 社内外のあらゆる情報をinfoScoopで集約

 まず、利用者主導のリッチなインターフェイスを実現すること。そして、利用者参加型のアーキテクチャを採用し、部門主導でシステムが構築できること。さらに、利用者が本当に必要とする情報・機能を自由に選択し、マッシュアップの手法で簡単に集約できること(図1)。これらを実現するソリューションが、ビーコンITの示すWeb 2.0情報ポータルの姿だという。

 infoScoopのファーストユーザーが、共同開発を行ったUFJISであることからも分かるように、利用者の要望を直接取り入れながら、まさに利用者の視点から作り上げられた企業向け情報ポータル、それがinfoScoopなのである。

    社内外のあらゆるデータをマッシュアップ

 このように、利用者主導で開発されたinfoScoop。その大きな特徴は、RSSベースのデータやiCalendar形式のデータ、さらにはHTMLベースのWebページデータをも、ユーザーが情報ポータルのトップページ上に自由にマッシュアップできる点にある。

 特にRSSデータについては、外部のWebサイトから配信されるものはもちろん、社内の業務システムからの更新情報も“ウィジェット”という部品を通してポータル画面上に自由にレイアウトできる。ビーコンITが提供する「BeaconIT Data Integration Suite」というツールを使用すれば、Lotus NotesやSAP R/3、メインフレームシステムからの出力をRSSに変換し、infoScoopの情報として扱うことができる。そのため、既存IT資産との連携をゼロコーディングで実現することも可能だ。

図2 BeaconIT Data Integration Suiteによるシステム連携

 このほか、情報ポータルと連動するコンテンツを迅速に作成できるツールとして、「BeaconIT Data Management Suite」も提供する 。このツールを使用することにより、掲示板やアンケート、ワークフローといったコンテンツをエンドユーザーが迅速に作成、RSS出力を生成してinfoScoopと連携させることができる。これにより、グループウェアなどの情報共有基盤が整っていない環境でも、ポータルにさまざまな情報と機能を取り込むことができる。

図3 BeaconIT Data Management Suiteによるコンテンツ基盤

 それぞれの情報のポータル画面への配置は、画面の部品である“ウィジェット”や“ガジェット”をメニューあるいはサイドバーから選択し、ドラッグ&ドロップすることにより直感的に行うことができる(画面1)。複数のウィジェットを1つに統合して表示させることも可能で、複数の異なるニュースサイトの更新情報を一カ所にまとめて表示させたりするようなことができる。あるいは、社内RSSの経費精算と受注の情報を一括表示して承認作業の効率をアップさせるなど、業務の生産性向上にもつなげることができるという。

画面1 ドラッグ&ドロップによるウィジェットの配置(クリックで拡大)

 こうした優れた操作性はiGoogleと同様、誰でも簡単に使えるリッチインターフェイスを目指したものだ。ただし、iGoogleのような個人向けの情報ポータルにはない、エンタープライズ向けの機能も多く備えている。

 例えば、会社側から社員に必ず伝えたい全社通達やイベントスケジュールなどを、プッシュ型配信の情報として画面の固定エリアに必ず表示させることができる。企業からの情報を伝える「共通固定エリア」と、利用者が自由に情報を配置できる「パーソナライズエリア」の双方をうまく活用することで、各企業、各従業員に最適な情報ポータルを自由に構築することができる。

 また、情報検索についても企業内での利用を想定した優れた機能を備えており、1つの検索キーワードから、あらかじめ設定しておいた社内外の複数の検索サイトに対して同時に検索を実行することができる(画面2)。これにより、情報を検索するために費やしていた時間を大幅に短縮し、業務の生産性向上を図ることが可能となっている。

画面2 複数検索サイトの検索結果を一括表示(クリックで拡大)

    Ajaxによるハイペースのアジャイル開発に挑戦

 これらのさまざまな機能は、先に説明したとおり、ベンダであるビーコンITと、ユーザーであるUFJISとが一体になって、利用者の視点から共同開発してきたものである。infoScoopの開発がスタートしたのは約2年前、2005年の冬にさかのぼる。UFJISでは、三菱UFJフィナンシャル・グループ共通のIT基盤の全体最適化を推進しており、その中で情報活用とコミュニケーションを効率化するための共通ユーザーインターフェイスとして、Ajaxを利用したコーディングレスな情報ポータルの導入を決定したという。

 これを受け、ビーコンITでは開発技術にリッチなユーザーインターフェイスを迅速に開発するのに適したAjaxを全面的に採用。情報ポータルのインターフェイスおよび機能を継続的に進化させていくため、通常の受注型システム開発ではなく、実際にシステムを利用するUFJISとアジャイル手法による共同開発を行うことで、本当の意味での利用者主導による情報ポータルの実現を目指した。

写真1 ビーコンIT カスタマーサービス部 主任 木村篤彦氏

 Ajax技術の全面採用、そしてユーザー企業との共同作業によるアジャイル開発、いずれもビーコンITにとっては新たな挑戦となったが、それを支えたキーパーソンが、ビーコンIT カスタマーサービス部の木村篤彦氏(写真1)とプロダクト開発部の遠藤裕之氏(写真2)である。どちらもinfoScoopの仕様策定およびコーディングに関与しており、木村氏がUFJISとのミーティングに参加し、情報ポータルへの要望や意見を意識した開発を担当、遠藤氏はinfoScoopの全体仕様にブレが生じないように、開発作業全体を統括する役割を担っている。このように、実際に開発作業を行うことができる技術者が、顧客ニーズの視点と製品コンセプトの視点とのバランスをとりながら作業を進めたからこそ、アジャイル開発が実現できたといえよう。UFJISとのミーティングは週1回のペースで行われ、それは現在でも続いているという。

 このようにして共同開発されたinfoScoopは、2006年4月にUFJIS社内で稼働を開始、段階的に導入範囲を広げている。

「稼働を開始した当初は、2週間に1回のハイペースで新バージョンをリリースしていました。週1回のミーティングでも、稼働後のバグや機能修正などの要望が数多くあがり、簡単なものについてはその場ですぐに修正したこともありました」(木村氏)

 木村氏は、稼働開始当時をそう振り返る。

「2週間に1回のバージョンアップはスタートから約半年間続きましたが、その後1カ月に1回になり、現在では2カ月に1回のペースで新バージョンをリリースしています」(木村氏)

 また、コーディングを担当した遠藤氏は次のように語る。

「情報ポータルを開発するに当たってのUFJISからの要望は、iGoogleを企業向けにも使えるようにしたい、という分かりやすいものでした。ただ、iGoogleと同じものを導入しても仕方がないので、エンタープライズでの利用を意識した機能を加えていきました」(遠藤氏)

写真2 ビーコンIT プロダクト開発部 主任 遠藤裕之氏

 Ajaxという先端技術を使った開発ならではのエピソードとして、以下のような話も披露してくれた。

「Internet Explorer(IE)6はCSS 2.0に対応しておらず、欲しい機能を実装するには大変な労力が必要でした。結局、初回の導入時にはIE対応が間に合わず、FireFox版に限定して稼働を開始しました」(遠藤氏)

 週1回のミーティングと2週に1回のバージョンアップを継続していくハイペースのアジャイル開発を実現するためには、優れた判断力とコミュニケーション能力、そして正確かつ迅速なコーディング技術が求められる。最先端の技術を採用しても、結局それを生かすも殺すも使う「人」しだいであることを、infoScoopの開発事例は示している。

    SaaSもマッシュアップ、さらなる進化を続ける

 冒頭のキャッチフレーズ“進化し続ける情報ポータルソリューション”にもあるように、infoScoopは現在も2カ月に1回のバージョンアップによって進化を続けている。次回のバージョンアップは、12月に行われる予定。さらに現在では、infoScoopのユーザー企業によるコミュニティを立ち上げ、バージョンアップのタイミングでミーティングを行い、さらなる機能強化に向けて検討を進めているという。

 今後、infoScoopは特に「ユーザーインターフェイス」「インテグレーション」「マッシュアップ」の3点にフォーカスして、さらなる進化を遂げていく。

 ユーザーインターフェイスでは、さらにユーザーの使い勝手を高める操作性、機能性を追求。インテグレーションでは、既存システムとの連携を現在よりさらに強化する機能の提供を目指していく。その一環として、12月のバージョンアップでは、HTMLベースのサービス機能の一部を切り出してウィジェットとして使用できるようにする予定だ。これにより、従来はコーディング作業が必要だったHTML機能の切り出しを、コーディングレスで行うことが可能になる。

 マッシュアップについても、ユーザーとアイデアを出し合いながら新たな可能性を模索しているという。そうしたアイデアの1つが、SaaSアグリゲーションである。メールやグループウェアといった社内アプリケーションの個々の機能をそれぞれSaaS形式で調達し、それをinfoScoopの情報ポータルに統合することで、高機能かつ使い勝手のいいシステムを効率的に構築できるようになるという。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 “進化し続ける情報ポータルソリューション”──それはすなわち、陳腐化することがないソリューションであるともいえよう。ユーザーの視点から常に改良が加えられ、エンドユーザーが自由に情報を選択・配置できるからこそ、infoScoopはエンドユーザー自らが積極的に使い続ける情報ポータルたり得るのだ。そこには、Web 2.0がベンダ・ユーザー双方にもたらすメリットを最大限に生かした、最先端のソリューションの形がある。

提供:株式会社ビーコンIT
企画制作:アイティメディア 営業局
@IT編集部
掲載内容有効期限:2008年1月17日