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シリーズ企画第3弾
キヤノン・レポーティングソリューショimageWAREの総合力


これからの帳票システムはSOAへ向かう
imageWARE Form Manager Web Serviceの
目指す世界とは?

企業におけるさまざまな帳票ニーズに対応した総合帳票ソリューションを展開しているキヤノンマーケティングジャパン。その主力製品「imageWARE」シリーズは、多くの関連製品が統合された多機能な帳票システム基盤である。今回のシリーズ企画では、imageWAREシリーズの総合力について全3回の記事で紹介していく。

 キヤノンマーケティングジャパンの新製品「imageWARE Form Manager SOA Edition」は、同社の総合帳票ソリューション「imageWARE Form Manager Version 6(以下、Form Manager)」へSOAPインターフェースを提供する拡張コンポーネントとして「imageWARE Form Manager Web Service(以下、iWFM Web Service)」を提供する。SOAPインターフェースを提供することでOracleのBPELエンジン「Oracle BPEL Process Manager」との帳票連携を容易に実現することが可能となる。

 同社では、このSOAPインターフェイスコンポーネント群をimageWARE Form Manager SOA Editionと位置付けている。SOA(Service Oriented Architecture)帳票の先駆けとして、SOA市場に本格的に投入していく予定であり、現在はimageWARE FormManagerに新たに追加された「imageWARE Distribution Server」という製品をサポートするSOAPコンポーネントを開発中であるという。

 そこで今回はキヤノンシステムソリューションズ ドキュメントソリューション事業部の上原敏幸氏、および日本オラクル システム製品統括本部の森本信次氏から、両社の提携とiWFM Web Service開発の経緯、さらには帳票ソリューションの今後とSOA化についてお話を伺った。

帳票の世界にもSOA化の波がきている

 多くの企業がITシステムをSOA化してソフトウェアの再利用性を高め、自在に組み合わせたいと考えるようになっている。SOAでは、ITシステムで実現したい機能を「サービス」という単位で考える。それぞれのサービスは、ソフトウェアの集合体(あるいは単体のソフトウェア)であり、標準化された手順で呼び出せるようにすることで、部品としてほかのサービスと組み合わせることができる。また、このようなSOAを実現する技術として、Webサービスの利用が主流である。

 そしてこの風潮は、帳票システムの分野にも確実に及んでいる。

― iWFM Web Serviceの開発のきっかけは何だったのでしょう?

 
  キヤノンシステムソリューションズ
ドキュメントソリューション事業部
上原敏幸氏

上原 当社の帳票ソリューションは、さまざまな規模や環境でお使いいただいています。開発プラットフォームには、JavaもあればVisual Basicもあります。あるいはもっと古いレガシーシステムとの接続をしなければならないこともあります。また、プリンタに関しても、現在ではレーザプリンタが主流ではありますが、いまだにインパクトプリンタなどをお使いになっているお客さまもいます。このように広いレンジをカバーするため、従来はプラットフォームごとに個別のコンポーネントを開発してきました。しかし、個別のコンポーネントとして開発されていると、どうしてもプラットフォームごとにバージョンが異なり、実装されている機能にも差が出てしまうのです。そんな中、複数のプラットフォームでご利用されているお客さまから、「コンポーネントを1つにすることはできないか」という要望をいただいたのです。

― すべてのプラットフォームで同じコンポーネントを利用するということでしょうか

上原 そうです。そして、そのころちょうどSOAが話題になり始めていたこともあり、これからは帳票ソリューションもSOA化しようということになったのです。

― それは、いつごろでしょうか

上原 だいたい3年ほど前(2003年ごろ)です。まだSOAというより、Webサービスという言葉の方が一般的でした。もともと私自身がNEXTSTEPで稼働するEnterprise Objects Framework(EOF)を利用した、オブジェクト指向を中心とするシステム開発に参加していたこともあり、そこで培ったシステムの設計技法やオブジェクト間通信技術などが、Webサービスという形でより簡単に、プラットフォームに依存することなく利用できそうだと考えました。Webサービスを利用することで、これまでプラットフォームごとに個別に作ってきたものを、プラットフォームに依存しない形に作りかえ、そこにいままで培ったさまざまなノウハウを埋め込み利用していただける基礎としたいと考えるようになりました。

SOAのカギを握るBPEL

 BPEL(Business Process Execution Language for Web Services)は、XMLをベースにしたプロセス記述言語である。SOAを実現する具体的な技術としてWebサービスが標準となった現在では、ソフトウェアをWebサービス化し、それぞれのサービスがXMLで記述されたメッセージをやりとりする。BPELでは、このWebサービスの呼び出しやデータの送受信といった操作(アクティビティ)を組み合わせることによって複雑なプロセスを記述する。

 Oracle BPEL Process Managerは、BPELで記述したプロセスに従ってさまざまなWebサービスを実行するオーケストレーション・エンジンである。しかし、BPELはあくまでもWebサービスを組み合わせるための「仕組み」にすぎない。重要なのはITシステムを構成するための「部品」、つまりWebサービスで実現されるソフトウェアである。

― なぜOracle BPEL Process Managerとの連携を考えられたのでしょうか

上原 日本オラクルさんとは以前からさまざまな分野で協業関係にあったこともきっかけといえますが、そもそもBPELに興味を持ったのは、やはりお客さまとの会話がきっかけでした。これまで帳票サービスを利用するためには、帳票に出力させるためのデータを作成し、そのデータを基に帳票を出力するコードを記述しなければなりませんでした。つまり、ある程度以上の開発力を持った企業でなければ利用できなかったのです。ところがBPELを使えば、お絵かきツールのような感覚で、簡単に業務システムと帳票システムを組み合わせて利用できるようになります。これは調査しなければいけないと思ったときに、ちょうどいいタイミングで日本オラクルさんから「Oracle BPEL Process Managerのセミナーに来ませんか?」という案内があったんです。

森本 上原さんとはパートナー向けに開催しているハンズオンセミナーを受講されたときにお会いしました。2005年の比較的早い時期だったと思います。

― Oracle BPEL Process Managerから見て、iWFM Web Serviceとの連携は魅力的ですか

森本 そうですね。Oracleは海外のパッケージを中心とした製品が多いのですが、imageWARE Form Managerは日本の市場にマッチしたソリューションで、帳票という日本独自の文化に決め細かい対応ができている魅力的な製品だと感じています。実際に、お客様からの引き合いが多くなっています。

図1 Oracle BPEL Process ManagerからシームレスにiWFM Web Serviceを利用できる


― セキュリティなどのWebサービスに関するインフラまわりの技術仕様が、W3Cでなかなか策定されずに苦労しませんでしたか

上原 iWFM Web Service側では上位のプラットフォームが提供するセキュリティ環境にそのまま従っております。さらに、iWFM自体が帳票セキュリティと して様々な機能を提供しておりますので、現状でも十分なセキュアな帳票ソリューションを提供出来ていると考えております。将来的には新たなセキュリティ仕様が策定された時点で、迅速に対応を進めていく予定でいます。

 
日本オラクル
システム製品統括本部
森本信次氏
 

森本 セキュリティなどの基本的な機能は、プラットフォームである当社の「Oracle Application Server 10g」や「Oracle BPEL Process Manager」側が提供しています。来年の1月には「Oracle SOA Suite 10g Release 3」の販売を開始しますが、この中には「Oracle BPEL Process Manager」だけではなく、Webサービスの利用に認証をかけたり、Webサービスを変更することなく通信データの暗号化を行える「Oracle Web Services Manager」という機能も含まれています。また、今後は「Oracle SOA Suite 10g Release 3」に含まれる他の機能、具体的には ビジネスプロセスのモニタリング、リアルタイムな可視化を実現し、ボトルネックを改善する BAM(Business Activity Monitoring)、サービス間の単純連結やサービスの仮想化を実現する ESB(Enterprise Service Bus), ビジネスルールをアプリケーションコードから分離させ、管理および実行可能にする BRE(Business Rule Engine)などとの連携についても引き続き協力して開発していきたいと考えています。

上原 こちらでは、セキュリティなどの基本的な機能はできるだけプラットフォームに任せることで、帳票サービスのコードそのものへの影響を最小限に抑えることができます。

― BPELというと大規模なシステムでしか導入されないのでは?

森本 Oracle BPEL Process Managerを発売した以降、常にお客さまのニーズを調べてきました。そのうち10%は「Enterprise SOA」と呼ばれるSOAをITシステムの基盤として、大規模な導入を行う企業です。しかし、残りの90%は、直近の課題であるデータ連携やシステム連携といった課題を解決するためにOracle BPEL Process Managerを導入していただいた企業です。われわれはこれらのアプローチを「SOA Based Integration」と呼び、特に力を入れています。既存のレガシーなシステムからの帳票作成、あるいは複数のシステムにまたがる帳票の作成に、iWFM Web Serviceが有効な解決策になると感じています。

帳票サービスをSOA化する独自のノウハウ

 iWFM Web Serviceは、単に既存のiWFMをWebサービスとしてラッピングした製品ではない。Webサービス化が決定してから3年という開発期間の中で、iWFM Web Serviceはリビルドされ、まったく新しい製品として開発されているという。さまざまなプラットフォームすべてに、同レベルの機能を提供するために解決しなければならない課題が多かったためであるという。

― iWFM Web Serviceの開発に当たって、解決しなければならなかった課題とは何ですか

上原 帳票システムは、実はあまりWebサービスに向いているとはいえないと考えています。帳票のデータは、少量のデータソースからでも、非常に容量の大きなデータが生成されることがあります。この大容量のデータに耐えられなければならないのです。そのためには、データの通信部分をかなり作り込む必要がありました。しかし、お客さまから見れば、通常のWebサービスと同じように扱えなければ意味がありません。

― 大容量データの扱い以外にも課題はありましたか

上原 iWFMの特長的な機能である、帳票の再印刷や印刷状況の監視といった機能をWebサービスの上で破たんすることなく実現しなければなりませんでした。また、われわれはプリンタメーカーですから、プリンタのコントロールは実現しなければなりません。すでにiWFM SOA Editionでは、ICカードとの連携などキヤノンのプリンタのコントロールを実現するための検討をしており、当然こういった従来ならばドライバで制御しなければならなかった機能をSOA化することで、Oracle BPEL Process Managerからも容易に行えることを実現目標として活動しています。

― 帳票ソリューションにSOAを取り込もうという動きは先進的ですね

上原 常に新しい技術に貪欲に取り組んでいくのは弊社の伝統です。「これがSOAです」といって恥ずかしくないだけのコンポーネントに仕上げるためには、かなり苦労しました。しかし、それだけのノウハウを蓄積できたともいえます。まだ発展途上にあるWebサービスの世界で、他社に対して大きなアドバンテージを持つことができたと感じています。

図2 imageWARE Form Manager SOA Editionのシステム概要


まとめ

 ビジネスの変化が加速し、ITシステムも変化への迅速な対応が求められている現在、SOAというアプローチは、どの企業にとっても無視できないものとなっている。帳票ソリューションといえば、大容量データのコントロールや、出力デバイスのコントロールなどを必要とすることから、これまでWebサービス化が難しいとされてきた分野である。しかし、SOA化の波は確実に帳票ソリューションにも及ぶと判断したキヤノンシステムソリューションズは、いち早くこの流れにのることに決めたのである。Webサービス化を決めたのが3年前という非常に先進的な企業努力は、いま確実な成果として形になりつつある。

 imageWAREシリーズの製品ラインがサポートする機能は、非常に多岐にわたっている。現在リリースされているのは、既存のimageWARE From ManagerとOracle BPEL Process Managerとの連携を可能にするデータ変換ツールimageWARE Form Manager SOA Editionだが、今後も多くの機能がSOA化されることだろう。総合帳票ソリューションとしてのimageWAREシリーズは、SOAに対応することでより確固たる地位を築くに違いない。


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第1回 imageWARE Form Manager
大規模環境に効く“部品化した帳票”活用のすすめ
第2回 imageWARE Distribution Serverと
imageWARE Enterprise Gatewayの合わせ技とは?
第3回 これからの帳票システムはSOAへ向かう
imageWARE Form Manager Web Serviceの目指す世界とは?

提供:キヤノン株式会社・キヤノンマーケティングジャパン株式会社
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT編集局
掲載内容有効期限:2007年1月19日
 
関連リンク
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imageWARE Enterprise Gateway
imageWARE Form Manager SOA Edition

@IT記事リンク
帳票ベンダ・インタビュー「多彩な出力形式の帳票、キヤノン販売」(2005/5/26)




 
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