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キヤノン製ドキュメントスキャナー「DRシリーズ」の魅力は、豊富な画像処理機能を搭載していることだけではない。PCからスキャナー機能を自在に操作できる「CapturePerfect」というユーティリティが付属しており、さらにそれを外部アプリから容易に制御できるソフトウェア開発キット「CapturePerfect SDK」が用意されているところだ。今回は、「CapturePerfect SDK」がカスタムアプリケーション開発にもたらす数々のメリットについて紹介しよう。
開発が容易に − 経験のないプログラマがスキャナーアプリ開発 |
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おつかれさま。スキャナー連動のアプリケーション開発は順調に進んでる?
サエコ先輩に教えていただいた「CapturePerfect SDK」を導入したおかげでバッチリです!
それはよかったわ。導入して、どんな風に変わったのかしら?
標準インターフェイスのTWAINを使っていたころは、スキャナーに詳しくてTWAINの分かる技術者を探すだけでも一苦労でした。「CapturePerfect SDK」ならVB開発経験のあるプログラマであれば使いこなせるので、プログラマの確保に困りません。順調な滑り出しですよ。
APIを呼び出すだけでスキャナーのユーティリティを簡単に制御できるものね。スキャナーへの複雑な命令をこちらで作り込む必要がないから、スキャナーに詳しくない技術者でも開発ができるもの。
そうなんです。おかげで開発期間もぐっと短縮できました!
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「CapturePerfect SDK」は、キヤノン製ドキュメントスキャナー「DRシリーズ」の多機能ユーティリティ「CapturePerfect」を制御するソフトウェア開発キットである。従来、スキャナーと連動するカスタムアプリケーション開発には、TWAINやISISといった標準インターフェイスが利用されてきた。しかし、これらは汎用規格のためスキャナーの全機能にアクセスできるとは限らないうえ、構造が分かりにくくTWAIN/ISISをよく知らなければ使いこなせないことから、技術者の確保が難しいという課題があった。
「CapturePerfect SDK」は、WindowsのDLL(ダイナミックリンクライブラリ)として提供されているAPI集である。「DRシリーズ」専用のAPIのため、同スキャナーの豊富な機能を余すところなく活用することが可能だ。Visual Studio環境で利用できるため、VBの分かるプログラマであれば、API関数を呼び出すだけでスキャナーの機能にアクセスすることができる。
さらに「CapturePerfect SDK」は、スキャンパラメータを設定ファイルとして定義し保持しておくことができる。ソースに煩雑なパラメータ設定を逐一書き込む必要がないため、コーディングは最小限で済むだろう。実機のステータスを取得する関数も標準装備されているため、スキャナー自体の動作エラーを拾ってユーザーにメッセージを出すなどのインタラクティブなシステム開発も容易だ。
つまり、「CapturePerfect SDK」を使うことで、それほどスキャナーに詳しくない開発者であっても、スキャナー連動アプリケーション開発ができるのである。
開発コストを削減 − 低価格、頒布ライセンスもフリー |
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開発期間が短縮できたって言っていたわね。その理由をもう少し詳しく教えてくれない?
はい。API関数を呼び出すだけでスキャナーを制御できるので、TWAINで一から作り込んでいたころに比べるとコーディングの負荷は激減しました。それに、APIが直接ユーティリティをコントロールしてくれるから、スキャナーまわりでバグも出ません。順調に開発中ですよ。
あら? この開発計画表だとテスト期間が1カ月近くも取られているわよ。「CapturePerfect SDK」は、対応している「DRシリーズ」のスキャナーであれば共通の動作をするんだから、複数スキャナー対応のアプリケーション開発でも、基本的な動作検証は1機種で行えば済むのよ。
あっ、そうですよね。改めて1機種としてテスト計画を考え直すと……たった5日間です!
開発期間の短縮は、コスト削減につながる重要なポイントなんだから、見過ごしちゃダメよ。「CapturePerfect SDK」のキット自体も低価格だし、コストメリットは計り知れないわね。
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次に、「CapturePerfect SDK」が開発にもたらすコストメリットについて見て行きたい。従来のTWAINを用いた開発では、スキャナーを制御するプログラムを技術者自身で作り込まなければならなかった。しかし「CapturePerfect SDK」を使えば、そのような面倒な作り込みは必要ない。
その仕組みを簡単に説明すると、スキャナーを制御するユーティリティ「CapturePerfect」を、カスタムアプリケーションに取り込み、それに対して「CapturePerfect SDK」から命令やパラメータを設定することで制御するという形だ。開発者は「CapturePerfect SDK」のAPI関数を通じてユーティリティを制御するだけなので、スキャナーまわりのコーディングに多大な労力を割く必要はない。また、すでにテスト済みのAPIを用いてユーティリティをコントロールするため、その部分でバグが出ることもない。一から作り込む場合とは比較にならない開発期間短縮と、それによる人件費の大幅低減を実現できるのだ。
また、現行の「DRシリーズ」共通のAPIであるため、性能の異なる複数スキャナーに対応するカスタムアプリケーションを開発する場合も、基本的な動作確認テストは1機種で行えばよい。将来的に新たな機種に対応する際にも、開発・テスト期間を最小限に抑えることができる。
さらに「CapturePerfect SDK」は低価格でありながら、このSDKを用いて開発したソフトウェアの配布に対して頒布ライセンスが発生しない。あらゆる点で「CapturePerfect SDK」は、標準インターフェイスとは比較にならないコストメリットをもたらすといえる。
充実のスキャン機能 − バーコードやサーチャブルPDF生成アプリを簡単開発 |
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ところで、「DRシリーズ」スキャナーは使いこなせているかしら?
はい。「DRシリーズ」にはいろいろな機能を持つスキャナーがありますよね。複数枚の原稿搬送を防ぐ超音波重送検知※や原稿が斜めに読み取られた場合に画像の傾きを自動補正する斜行補正など、正常にスキャンするための機能が実装されているから、ユーザーにもやさしいですよね。
キヤノンのドキュメントスキャナー「DRシリーズ」にはさまざまな機能があるものね。ユーティリティソフト「CapturePerfect」を使えば、さらにバーコード情報を取得したり、テキスト全文をOCRで取得してサーチャブルなPDFを作成したりと、単にスキャンして画像を保存する以上のことができるところが魅力だわ。
えっ、バーコード情報も取得できるんですか!?
ほかにもいろいろな機能があるのよ。「CapturePerfect SDK」のおかげで、専門的な知識がなくてもユーティリティを使いこなせるんだから、スキャナーの機能についてはしっかり勉強してね!
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キヤノンのドキュメントスキャナー「DRシリーズ」は、確実な原稿搬送(シートフィード)能力、高速両面スキャンなどを標準で備えた高機能スキャナーである。
超音波センサーによって用紙の厚みを検知し、さまざまな厚みの原稿がセットされた場合にも重送を回避する「超音波重送検知※」や、スキャン原稿に混在する白紙原稿をスキャン後、自動的に消去する「白紙スキップ」などで、確実に1枚ずつのスキャンを行う。また、傾いた画像を画面上で補正してくれる「斜行補正」、文字の向きによって原稿の上下左右を認識し正しい方向に修正する「文字向き検知」など、多彩な画像処理機能も搭載している。
※超音波重送検知機能は、機種によって対応していないものもあります。
加えて、「DRシリーズ」を使いこなすためのユーティリティ「CapturePerfect」にはスキャンデータを自在に編集し活用するための機能が満載だ。スキャンデータのPDF化はもちろん、OCR処理をかけて文字情報をテキスト化し、全文検索を可能にする「テキストOCR結果付きPDF」、情報漏洩対策に有効なパスワード設定ができる「セキュリティPDF」にも対応している。
これらの機能すべてを「CapturePerfect SDK」を通して外部のカスタムアプリケーションから制御できるのだから、スキャンデータは工夫次第でさまざまに活用できる。単純な画像のファイリングや検索にとどまらず、ユーザーに優しいドキュメントソリューションが提案できるはずだ。
多彩なサポート&サービス |
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「CapturePerfect SDK」の使い方について、プログラマの方たちはすぐに理解してくれたかしら。
ええ、大丈夫でしたよ。いろいろなパラメータを設定しなければいけないから、スキャナーまわりの開発が未経験の開発者には設定が分かりにくいんじゃないかと最初は僕も心配だったんです。だけど、サンプルコードもあるし、詳しいドキュメントも同梱されていたので、それを読めばすぐに解決できたようです。
それは何よりだわ。もし分からないことがあっても、会員登録すれば3カ月の無償サポートがつくから安心よね。
はい。開発者向けのサポートだし、CapturePerfect SDKもスキャナーも同じキヤノン製だから頼もしいです。
実はね、あなたのプロジェクトがうまく行きそうだから、もっと大規模なドキュメントソリューションに乗り出すみたいなの。次もいまの調子でお願いね!
本当ですか? よーし、がんばるぞ!
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開発者が取り掛かりやすいように、「CapturePerfect SDK」にはサンプルソースコードが用意されている。ここから「CapturePerfect SDK」のAPIの提供するすべての機能にアクセスできるため、サンプルコードを追うことで、カスタムアプリケーションの中でどのように「CapturePerfect SDK」を利用すべきかが分かるようになっている。初めてスキャナー連動アプリケーション開発を行う技術者にとっては、心強いサービスといえるだろう。また、付属のマニュアルドキュメントには、スキャナーに引き渡すパラメータの設定値について詳細に記述されている。煩雑なパラメータの設定も、これを参照することで解決できる部分が多い。
「CapturePerfect SDK」には3カ月間の無償サポートが用意されており、会員登録をすれば、専用の窓口からメールでサポートを受けられる。無償サポート期間終了後にサービスを継続したい場合は、別途有償にて3カ月間の追加サポートも可能だ。開発者向けの窓口となっているので、専門的なアドバイスが受けられる。
もちろんドキュメントスキャナー「DRシリーズ」に関しては、スキャナー専用の電話サポート窓口が用意されている。こちらには特にサポートの期限も設けられていない。メールフォームからの相談も可能だ。
ドキュメントスキャナーも、それを制御するユーティリティも、開発キットであるSDKも、すべてキヤノンの純正品であるからこそ、きめの細かいサポートとサービスが期待できる。その信頼性の高さは開発者にとって何よりも魅力ではないだろうか。
■DR-X10C 最大読込みサイズ:[A3]100枚/分 | ||
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〜CapturePerfect SDK 導入事例紹介〜 |
第1回 【スキャナー連携アプリをらくらく開発!】 第2回 【重要書類管理ソフトが短期開発できた秘密】 第3回 【短期開発、コストダウンを可能にするワザありSDK】 |
提供:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
キヤノン電子株式会社
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT情報マネジメント編集局
掲載内容有効期限:2008年6月30日
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キヤノン/キヤノンマーケティングジャパン |
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