快適なWebアプリケーション配信環境を構築 |
アプリケーションをリモートで使う機会が増すにつれ、パフォーマンスの低下、セキュリティの懸念など、さまざまな問題が顕在化している。こうした問題に合わせてネットワーク・アプライアンス製品も多様化している。製品導入に当たっては個別製品を逐次的に選定するのではなく、システム全体の拡張性や将来性も忘れないようにしたい。 |
アプリケーションデリバリーを最適化する製品群 | ||
シトリックスでは、L7スイッチ「NetScaler」を始めとするネットワーク・アプライアンス製品をラインアップしている。Citrix XenApp(Presentation Serverから名称変更。かつてのMetaFrame)やサーバ仮想化製品「XenServer」などの印象が強いため、ネットワーク・ハードウェアの存在理由が一見分かりにくいが、同社のコンセプトである“デリバリー・センター”という考え方に基づいて一貫した取り組みが行なわれているのだ。
同社では「アプリケーションをユーザーに適切に配信する」ことに一貫して取り組んでいる。XenAppはネイティブ・アプリケーションをクライアントにネットワーク配信する技術だ。また、NetScalerなどのアプライアンス製品は、Webアプリケーションなどのネットワーク・アプリケーションをユーザーが快適に利用できるようにするネットワーク・インフラ層での取り組みとなる。レイヤが異なることから一見するとほかのソフトウェア製品との関連が薄いようにも感じられるが、ユーザーがリモートからアプリケーションを快適に実行できるようにする、という目的は一貫しており、そこに着目すれば位置づけが明確な製品である。
Webアプリ向けアプライアンスをフルラインアップする強み | ||
シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部 ネットワークプロダクト担当部長 山村剛久氏 |
同社のネットワーク関連製品は3種類ある。「NetScaler」は、ロードバランサでありL7スイッチでもあり、Webアプリケーションを高速化するアプライアンスだ。「Citrix Application Firewall」はアプリケーションレベルの攻撃からWebアプリケーションを保護するセキュリティ・アプライアンス。そして「Citrix WANScaler」はWAN接続を高速化し、TCPによる通信全般に効果を発揮するアプライアンスだ。このうち、Application Firewallは、ハードウェアにNetScalerと同一のものを使用しており、単独で導入することも、NetScalerのオプションとして統合することも可能になっている。
ネットワーク関連のアプライアンス製品を手がけるベンダは数多くあり、個々に製品を見ていけば上記のシトリックス製品の競合製品はいろいろある。しかし、「Webアプリケーションの高速化、WANの高速化、Webアプリケーションのセキュリティ・ファイアウォールの3製品群をトータルソリューションとして提供できるベンダはシトリックス以外にはない」(シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部 ネットワークプロダクト担当部長 山村剛久氏)といい、この点が同社の強みであり、Webアプリケーション展開を考える企業にとっての選定メリットとなるだろう。
Webアプリ向けアプライアンスをフルラインアップする強み | ||
同社のネットワーク製品の中でも最新のものが、6月に国内出荷が開始されたばかりの「NetScaler MPX」だ。NetScalerシリーズの最上位製品であり、競合製品群と比較してもトップレベルの性能を誇る。同じNetScalerシリーズ内での比較では、従来の最上位機種であるNetScaler 12000の約2.5倍に達するスループット値、15Gbpsを達成している。
15Gbpsのスループットを実現した「NetScaler MPXシリーズ |
NetScaler MPXは、従来通りの2Uサイズの筐体(きょうたい)を採用している。競合他社製品では、10Gbps級の製品ではブレード型シャーシを採用する例が一般的だが、MPXではあえてラックマウント型のアプライアンス筐体(きょうたい)とすることで、導入時の初期投資額を抑制。同時に、省スペースで低消費電力を実現し、グリーン・コンピューティングにも貢献する。たとえば、MPXを2台でHA構成にした場合の消費電力は1400Wで、これは競合他社製品の半分以下だという。昨今ではデータセンターのスペースと消費電力に対する削減圧力が強まっているが、MPXであればその点の心配は無用だ。
アーキテクチャ面では、ハードウェアの性能に頼った性能向上ではなく、専用開発されたOSを始めとするソフトウェアの工夫によって高速化を実現している点が特徴となる。最上位機種となるMPX-17000ではクアッドコア・プロセッサ×2構成で合計8コアを利用するが、ネットワーク専用ASICなどには頼っていない。「ASICのようなハードウェアでは技術がこなれるのに時間がかかる。NetScalerではカスタムOSを使っており、すでに実装に蓄積がある。また、ソフトウェアをマルチコアに最適化して並列処理するなどOSのバージョンアップだけでさらに高速化する計画もある」(山村氏)という。
ハードウェアを交換しなくても性能向上が図れる点は、ユーザーにとっては大きなメリットで、導入時の安心感にも繋がるだろう。また、ハードウェアに依存していないために互換性も高く、従来のモジュールなどをそのまま利用できる点も導入のしやすさに繋がっているという。
NetScalerは、サーバ・ファームの前段に設置し、Webアプリケーションのロードバランシングを行ないつつ、圧縮やキャッシュといったさまざまな技術を利用してユーザーに快適なWebアプリケーション利用環境を提供する。米ヒューレット・パッカードがその効果を測定した結果を見ると、Microsoft SharePoint Serverにアクセスしてドキュメントを操作した場合に5〜10倍程度の高速化が実現できるという。さらにWAN経由でのアクセスの場合にWANScalerと組み合わせて利用すれば、最大で35倍ほどの高速化が可能だという。まさに圧倒的な差であり、アプリケーション・ユーザーの生産性向上にも寄与するはずだ。ネットワーク経由でのアプリケーション利用が一般化しつつある今、導入を検討する価値のある製品だといえるだろう。
Microsoft SharePoint Serverにアクセスしてドキュメントを操作した場合に5〜10倍程度の高速化が実現できるほか、WAN経由でWANScalerと組み合わせた場合には35倍程度とさらに大幅な高速化が実現できる(計測は米ヒューレット・パッカードによるもので、ネットワークは6Mbpsの帯域、90msの遅延、0.1%のパケットロスがある条件で55ユーザーの利用を想定したもの) |
関連イベント情報 |
シトリックスが提案するエンドツーエンドのアプリケーションデリバリーを構成する製品群が、2008年7月にすべてそろう。シトリックスの仮想化ソリューションの全体像を紹介するイベント。本記事にて紹介している「Citrix NetScaler MPX」の詳細を知りたい方も是非イベントへご参加下さい。 |
ホワイトペーパーダウンロード |
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Webアプリケーションの最適化を図り、アプリケーションスイッチを導入するユーザーが増えている。ユーザーが抱えている課題とその解決策とは? |
「Webからの脅威」への対策はサイト運営者にとって最優先課題といえる。攻撃からWebシステムを守るために、Web通販サイト「DOSPARA」を運営するサードウェーブが取った対策とは何だったのか。 |
提供:シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
企画:アイティメディア 営業本部
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2008年7月24日
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関連リンク |
シトリックス・システムズ・ジャパン | |
Citrix NetScaler製品ページ | |
Citrix Application Firewall製品ページ | |
Citrix WANScaler製品ページ |
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関連イベント情報 |
Citrix Application Delivery ConferenceCitrix Application Delivery |
【開催日時】東京:2008年7月9日(水)、大阪:2008年7月11日(金)、いずれも10:00〜18:00 |
【概要】シトリックスが提案するエンドツーエンドのアプリケーションデリバリーを構成する製品群が、2008年7月にすべてそろう。シトリックスの仮想化ソリューションの全体像を紹介するイベント。本記事にて紹介している「Citrix NetScaler MPX」の詳細を知りたい方も是非イベントへご参加下さい。 |