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@IT > フルIP化したカスタマーサービスセンターの音声品質やIVR/CRMの性能をエンピレックスの負荷テストソリューションで向上 |
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国内におけるインターネット証券取引の先駆者である楽天証券株式会社。カスタマーサービスセンターのシステム増強において、フルIP化を行うという先進的な挑戦を成功させた。フルIP化の際に課題となる音声品質、またIVRやCRMアプリケーションのパフォーマンスを、エンピレックスの負荷テストツール群とソリューションの活用によって解決。サービス品質のさらなるレベルアップを果たしている。 ■コールセンターをフルIP化してマルチサイト展開
日本初のインターネット取引専門証券会社である楽天証券株式会社。リアルタイムの株価自動更新が可能なトレーディングツール“マーケットスピード”の提供をはじめ、満足度の高いサービスで利用者から高い支持を得ている。2006年9月には62万口座に達した。 楽天証券は顧客満足度向上に長年注力し続けている。その一翼を担う施設が“カスタマーサービスセンター”だ。同社はインターネット取引専門だが、パソコンにそれほど詳しくない利用者への対応として、電話を用いたきめ細やかなサポートは欠かせない。 「オペレーターによる人的対応で、お客様が当社のサービスを安心・円滑にご利用できるようサポートします。お客様の裾野を広げ、他社との差別化を図る意味でも、カスタマーサービスセンターは非常に重要です」と楽天証券株式会社 カスタマーサービス本部長兼 カスタマーサービス部長 藤本量子 氏は話す。 個人投資家を中心とする株取引が急速に広がった2005年、楽天証券の口座数も倍増した。それにともない、カスタマーサービスセンターの能力増強が急務となった。 2005年8月、カスタマーサービスセンターのシステム見直しを始め、その一環としてオペレーターの席数の増加を計画した。東京・六本木にある既存のカスタマーサービスセンターの場所を拡大するのは、コスト面から得策ではないと判断。そこで、福岡にも拠点を設営し、東京の拠点と一体運用するマルチサイト形式を採用するに至った。
同社ではマルチサイトを実現するため、カスタマーサービスセンターをフルIP化した。楽天証券株式会社 情報システム本部 情報システム部 アシスタントマネージャー
福家芳治 氏は「東京・豊洲のデータセンターで一元的に受けた呼を、東京と福岡の両拠点へシームレスに分配するには、フルIP化以外に適切な方法はありません。WebやメールやFAXを統合したマルチチャネル対応によるお客様へのサービス向上も達成できる点や拡張性なども考慮し、フルIP化を決断しました」と語る。 パートナーである伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下CTC)の協力のもと、向こう5年間は使えるシステムの構築を前提に、ネットワークインフラも含めた全面リニューアルに取り組んだ。 ■音声品質やIVR、CRMを対象に負荷テストを実施 一般的に金融業界のシステムでは、可用性などの品質は他業種に比べてより高いレベルが求められる。楽天証券はフルIP化後も、この“金融品質”にこだわった。現状の5倍の問い合わせにも対応可能、完全冗長化によるノンストップを条件に設定。さらには、フルIP化では特に重要となる音声品質についても、遅延や音切れなどの防止に注力した。 同社が掲げるシステム品質実現のポイントの1つとなったのが、カットオーバー前に実施した負荷テストである。福家氏は「音声系システムにおける音声品質とIVR、およびCRMアプリケーションを対象にした3種類の負荷テストを実施しました」と説明する。 負荷テストはCTCの顧客視点に基づいた提案により、プロジェクトの計画段階から予定に組み込まれた。藤本氏は「私たちが目標とする品質を達成するには、負荷テストへの投資は当たり前だと考えています」と強調する。 音声系システムの負荷テストツールには、エンピレックスのVoIP/テレフォニー・ジェネレーションツール“Hammer FX TDM”と“Hammer TransPort”が採用された。同製品は音声品質に加え、IVRに対して、実際に人が操作するのと同様のプッシュボタン入力をシミュレートできることや、あたかも人が話しているような音声を流せるなど、高度な負荷テストを行える点が特長である。 実際の音声品質の負荷テストでは、端末や経路を組み合わせたさまざまなパターンで音声品質をチェックした。IVRの負荷テストでは、プッシュボタン入力の接続遅延、各ガイダンスの応答遅延などを測定。音声系システムの負荷テストでは、エンピレックスのテストサービスを利用した。CTCが定義した要件に基づいて、豊富な技術とノウハウを備えたエンピレックスのエンジニアがテスト作業を行っている。 一方、CRMアプリケーションの負荷テストには、同じくエンピレックスのWebアプリケーション向け負荷テストツール“e-Load”が採用された。こちらは、CTCのエンジニアがe-Loadを使い、運用時に想定されるアクセス数に応じた負荷をかけ、レスポンスとエラー発生の測定を行った。 ■システム増強でサービス品質のさらなる向上を実現 今回の負荷テストに要した期間は、音声系システムとCRMアプリケーションを合わせ正味2日間である。「CTCとエンピレックスのおかげで、的確かつスムーズに負荷テストを実施できました」と福家氏は目を細める。 CTCは負荷テストの結果を分析し、ボトルネックやメモリリークの要因などを洗い出して、修正や調整によってシステムを最適化した。その際、結果分析においてもエンピレックスの支援を受けている。 そして2006年8月、新カスタマーサービスセンターがフルオープンした。福家氏は「システムはカットオーバー後、大きなトラブルもなく安定稼働しています。音声品質、IVRやCRMアプリケーションのパフォーマンスも問題なく、お客様から次々に寄せられる問い合わせに順調に対応できています」と話す。藤本氏も「オペレーター1人あたり30%の対応能力アップが達成でき、お客様へより質の高いサービスが提供できるようになりました」と満足気に語る。 楽天証券では2007年中に100万口座を目指すプロジェクトを推進中である。その達成に向けて、サービス品質のさらなる向上に邁進する。 「今後もカスタマー指向を一層進め、お客様に一歩でも近づいた親身なサービスをご提供できるよう注力していきます」(藤本氏) フルIP化したカスタマーサービスセンターをはじめ、さまざまな取り組みで顧客満足度の高いサービスを実現し、企業価値を高め続ける楽天証券。そのシステムはこれからもCTCと共にエンピレックスが支えていく。
提供:エンピレックス株式会社
企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT編集部 掲載内容有効期限:2006年12月20日 |
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