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“エンドユーザーのメリット創出”に向けて
仮想環境の運用管理を総合的に支援

 

サーバ統合によるコスト削減を目的に、多くの企業が仮想化技術を導入している。しかし物理/仮想環境が混在することでシステムが複雑化し、運用管理に新たな課題が生じつつある。そうした中、日立製作所の統合システム運用管理「JP1」は「ITシステム」と「業務」という2つの観点から課題を分析。ビジネス展開のスピードアップ、サービス品質向上といった、エンドユーザーや一般消費者の満足につながる仮想化の真のメリットを、確実に享受できるよう支援するという。

 近年、アプリケーションやサーバ、ストレージなどのITリソースを、その所在を意識することなく、“必要なときに、必要なだけ”利用するクラウドコンピューティングが大きな注目を集めている。クラウド化は一般にITシステムのコスト削減やシステムの利用効率向上といった観点から論じられることが多いが、仮想化をコア技術とするクラウドのメリットはそれだけではない。もっと、業務部門のエンドユーザーや一般消費者に対して、新たな価値をもたらすことに注目すべきだろう。

 今日の企業は市場ニーズの動きに対して、迅速にビジネスを立ち上げる必要がある。そのとき、ビジネスを支えるITが用意できないので、新事業がスタートできないなどは本末転倒だ。従来なら物理サーバを調達するのに手配から始めて1カ月近くかかったプロセスが、仮想化技術を使えば、短時間でサーバ環境を用意できる。一般消費者に対するサービスにおいてもメリットは大きい。例えばオンラインでのチケット購入などは、負荷が集中するとシステムのレスポンスが低下したり落ちたりすることもある。しかし、状況に応じて柔軟にリソースを割り当てられる仮想化技術を使えば、アクセス数の増加などがあっても安定したサービスを提供できる。

 特に、ITを使ったサービスが日常生活に浸透している近年は、一般消費者のサービスを選別する目が年々厳しくなりつつある。その点、今後、企業が競争を勝ち抜くためには、 市場のニーズに応じて、いかに迅速にサービスを立ち上げ、安定的に提供できるか――すなわち、クラウド化を加速し、自社のITインフラを状況に応じて柔軟に使いこなせる体制を構築していくことが、勝敗の大きな分かれ目になるといえるだろう。

 しかしながら、仮想化技術の導入によりシステム環境が複雑化することで、運用管理に新たな課題が生じることを懸念し、導入に踏み出せない企業も少なくない。この課題に対し、統合システム運用管理「JP1」では、ユーザー企業が仮想化のメリットを引き出せるよう、「ITシステム」と「業務」という2つの観点で運用管理上の問題点を洗い出し、その解決を支援している。

 では具体的にどんなソリューションを用意しているのだろうか。以下では課題別に対応機能をみていこう。

物理/仮想サーバのCPU使用率をエージェントレスで監視

 まず「ITシステム観点」では、「期待通りの性能が出ない」「障害発生時の対応が難しい」「仮想環境の構築負荷が高い」「バックアップの作業負荷が高い」という大きく4つに課題を整理し、それぞれに対応する機能を用意している。

 このうち1つ目、「期待通りの性能が出ない」という課題については、JP1シリーズの性能監視製品「JP1/Performance Management」(以下、JP1/PFM)が対応する。

 仮想化のメリットは、複数のシステムを1台の物理サーバに集約できるだけではなく、リソースを各仮想サーバに柔軟に配分できることにある。しかし、 各仮想サーバだけではなく、仮想サーバにリソースを提供している物理サーバも含めてリソース使用状況を監視しなければ、適切な性能チューニングができず、結果「期待したパフォーマンスが出ない」ということになってしまう。

 そこでJP1/PFMでは、システムを構成する各物理/仮想サーバから稼働情報を収集し、それぞれのCPU使用率、各種エラーメッセージなどの単一の管理画面での一元管理を可能とした(図1)。

図1 JP1/PFMの管理画面のイメージ。各物理/仮想サーバの各種エラーメッセージなどを単一の管理画面で管理できる(クリックで拡大)

図2 図のように各物理/仮想サーバのCPU使用率を把握できる(クリックで拡大)

 また、ビジネスの状況に応じて柔軟に仮想サーバの追加・削除ができることが仮想環境のメリットの1つだが、本製品は物理/仮想が混在したマルチプラットフォーム環境でもエージェントレスで監視できることを特徴としている。これにより、頻繁にシステムの構成変更がある仮想環境でも、各物理/仮想サーバの稼働状況を手間なく、正確に把握できることもポイントだ。

各物理/仮想サーバ、業務システムの依存関係を可視化

 2つ目の「障害発生時の対応が難しい」という課題には、大きく分けて2つの問題があるという。1つは物理/仮想環境が混在し、システム構成が複雑化することから、「どの物理サーバの上で、どの仮想サーバ、業務システムが稼働しているのか」といった各システム、各物理/仮想サーバの依存関係の把握が難しく、障害の原因個所を迅速に発見できないという問題だ。

 この問題に対しては、統合管理製品「JP1/Integrated Management」(以下、JP1/IM)が有効だ。具体的には、システムの構成情報を収集し、各業務システム、各物理/仮想サーバの依存関係をツリー状に表示する管理画面を提供する(図2)。

持ち出させないための、さまざまな機能
図3 各業務システム、物理/仮想サーバの依存関係をツリー状に可視化し、障害発生時の原因個所の特定や、影響範囲の把握を支援する(クリックで拡大)

 これにより、「障害発生個所は物理サーバAで、その上で稼働している仮想サーバB、業務システムCに影響が及ぶ」といった具合に、障害の発生個所や、業務への影響範囲を迅速に把握することができる。

 もう1つの問題は、業務システムを集約して一元管理する体制にすると、単一の管理画面に各システムから膨大な量のメッセージが寄せられるため、メッセージを見逃しやすく、障害への対応が遅れるリスクが高まってしまうということだ。

 その点、JP1/IMの管理画面では、時系列、重要度順といった軸でメッセージを並べ替えられる。

持ち出させないための、さまざまな機能
図4 各種メッセージを時系列、重要度順に並べ直すことでメッセージの見落としを防止する。またシステムごとにメッセージの表現が異なっていても、日本語表現のフォーマットをそろえることもできる(クリックで拡大)

 システムごとにメッセージの言い回しが異なっていても、「主語、目的語、述語の順に表示する」といった具合に表現のフォーマットを任意に設定し、メッセージの言い回しを統一することも可能だ(図3)。

仮想サーバのプロビジョニングも自動化可能

 3つ目は「仮想環境の構築負荷が高い」という課題だ。これについてはジョブ管理製品「JP1/Automatic Job Management System 3」(以下、JP1/AJS3)が支援している。具体的には、OSのマスタイメージなど必要なものを用意し、あらかじめ作業手順を設定しておくことで、仮想化ソフトと連携し、柔軟に仮想環境の構成変更が行える。むろん、仮想サーバの追加や削除を行った際には、 前述したJP1/IMが構成変更情報を収集し、監視画面に自動的に反映する仕組みとしている。

 そして4つ目、「バックアップの作業負荷が高い」という課題については、ストレージ管理製品「JP1/VERITAS」で支援している。仮想環境のバックアップは、各業務システムへの影響を意識しながらのOSの停止、コマンド操作など、物理環境に比べて複雑な手順が必要となる。そこで本製品は、従来のように複雑な手順を行うことなく、GUIを使った直感的な操作でバックアップ作業を可能とした。物理/仮想サーバが混在した環境でも、イメージ単位/ファイル単位のバックアップを容易に取れるほか、スケジュール機能によってバックアップ作業の自動化も行えるという。

 なお、「JP1/PFM」「JP1/IM」とも、ヴイエムウェア「VMware ESX Server」、マイクロソフトの「Windows Server 2008」が装備する仮想化機能「Hyper-V」、日立の統合プラットフォーム「BladeSymphony」に搭載された仮想化機能「Virtage」に対応する。JP1/VERITASについては、VMware ESXとHyper-V、それぞれへの対応オプションを用意している。

業務の進ちょくを可視化し、確実な遂行を支援

 さて、以上のように「ITシステム観点」における課題を解決することで、物理/仮想が混在した環境でも、運用管理の大幅な効率化が期待できる。ただ、冒頭で述べたように、ITシステムの機能や仮想化技術のメリットは、最終的に自社のビジネスや、一般消費者のメリットにつなげてこそ意味がある。そのため、仮想化に対応するだけではなく、仮想化により集約されたシステムを使いこなすことが必要だ。集約されたシステムで発生しやすい3つの業務課題とその解決法を紹介する。

 まず、1つ目は「複数の業務システムを1つの物理サーバに集約することで、ほかの業務の影響を受けやすくなる」という問題だ。そのため、個々の業務システムの処理状況をしっかり把握し、もし遅延が発生した場合は、どのシステムを止めて、どのシステムを優先するかといった判断を的確に行う必要がある。

 そこで、JP1/AJS3では、各業務の進ちょく状況をひと目で把握できるサマリー監視画面を提供している(図4)。

持ち出させないための、さまざまな機能
図5 各業務の進ちょく状況をひと目で把握できるサマリー監視画面のイメージ。各業務の終了予定時刻と実際の進ちょく状況を把握したり、実行するジョブの優先順位を変えたりすることができる(クリックで拡大)

 各業務の終了予定時刻と実際の進ちょく状況から処理が時間内に終わるか否か分かるほか、重要度の高いジョブのみを選んで表示することもできる。また、実行するジョブの優先順位を管理画面上で手軽に変更可能としており、重要度の高い業務の確実な遂行を支援するという。

システムを停止させずに処理業務を切り替えることも可能

 一方、仮想化によって複数の業務システムを集約し、少ない運用管理者で集中管理する体制にすると、運用管理者に作業依頼が集中し、業務の中断や作業ミスなどを招いてしまうリスクもある。同社ではこの課題について、「システムを止めずに処理業務を変更できること」「システム運用管理者に各種作業が集中しないこと」がポイントになるとして、JP1/AJS3に2つの機能を用意している。

 1つはノンストップでの業務変更機能だ。あらかじめリリース日時を指定しておけば、システムを止めることなく、処理業務を切り替えることができる。これにより、計画的に業務の追加、変更が行えるほか、従来は夜間や休日に人手で行っていた業務変更作業を自動化できることで、コスト削減も図れるという。

 もう1つは、システム責任者や開発担当者、運用担当者、業務システム管理者など、立場・権限に応じた操作メニューのみ表示できること。これにより、各担当者は操作ミスを心配することなく作業に集中できる。各業務システム管理者も、各種変更要求をシステム運用管理部門に依頼することなく、自分で変更できるため、運用管理部門はITリソースの管理に集中できるというわけだ。

 また、複数業務を集約すると、システムのデータ処理の負荷が増大し、ジョブ実行の遅延など、業務サービスレベルが悪化する可能性もある。この課題についても、JP1/AJS3は業務処理量の急激な増加に対応できるスケーラビリティを確保。業務量が増加する期間だけバッチ処理サーバを追加するなど、ジョブ実行環境を柔軟に拡大できるという。

必要なとき、必要なサービスを提供するクラウド統合管理基盤へ

 さて、今回は「ITシステム」と「業務」という2つの観点から、物理/仮想の混在環境における運用管理の課題と対応機能を紹介してきたが、いかがだっただろうか。現時点では、「サーバ統合によるコスト削減」といったレベルの取り組みにとどまっている企業が多いが、より本格的な仮想環境の活用を目指し、運用管理上の課題に注目する企業が着実に増えつつあるのも事実だ。クラウド化の流れが加速しているいま、いち早くこうした課題解決に乗り出しておくことが、後々のビジネス展開を有利に導くことは間違いないといえるだろう。

 日立はあくまで“先”を見据えており、エンドユーザーや一般消費者にメリットを提供できるクラウド環境の実現のためには、「現状の機能ではまだ足りない」として、今後はサービス観点の課題解決に対応していくという。  

 今後、物理サーバ、ネットワーク、ストレージといった物理リソースを全社単位で共有し、必要なときに、必要なだけ使う「ITリソースプーリング」がトレンドになっていくとみられているが、同社では、仮想化・共有化されたITリソースを統括的に管理し、容量監視/割当計画/割当実行といったリソース運用のライフサイクルを支援する「クラウド統合管理基盤」機能を強化していく。これにより、必要なときに、必要なシステムを立ち上げ、高品質なサービスを安定的に提供する――すなわち、企業内のエンドユーザーや一般消費者に“新たな価値”を提供できる体制の確立を強力に支援するというわけだ。

 なお、同社では2月24日に@IT情報マネジメント主催イベント「仮想化時代の運用管理」において「実用段階に入ったクラウド! 賢いITインフラがもたらす新たな顧客価値」と題する講演を行う。仮想化の導入を検討している、あるいは仮想環境の運用管理に課題を感じている運用管理担当者は、この機会に話を聞いてほしい。

※記載の登録商標について:
  企業名、製品名は、各企業の商標または登録商標です

※記載の内容について:
  画面表示をはじめ、製品仕様は改良のため変更することがあります


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提供:株式会社日立製作所
アイティメディア営業企画
制作:@IT情報マネジメント編集部
掲載内容有効期限:2010年2月28日



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