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検証:Windowsサーバ+HP Superdome
― エンタープライズ・サーバをWindows環境で構築のメリットとは ―

第2回 HP Integrityサーバの信頼性が企業の基幹業務を支える

 第1回「SQL Server 2005の性能と可用性を実機評価する」では、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)のHP Integrity Superdome上でのSQL Server 2005の性能とミラーリング機能の検証結果について解説した。この検証の結果、HP Integrity Superdome+Windows Server 2003とSQL Server 2005とを組み合わせたシステムは、エンタープライズ環境でのミッションクリティカル・システムが求める性能と信頼性に十分応えられることが分かった。従来この領域では、メインフレームやUNIXを採用するRISCサーバが主に利用されてきた。しかしインテル® Itanium® 2 プロセッサ搭載サーバとWindows Serverの組み合わせも、性能/可用性の両面でこれらに引けを取らない選択肢となり得ることが証明されたわけだ。引き続き第2回では、HP Integrityサーバの信頼性向上を実現する各種機能と実導入例を紹介し、HP Integrityサーバ+Windows Serverのメリットをさらに踏み込んで解説する。

  ローエンドからハイエンドまで、幅広いスケーラビリティを実現するHP Integrityサーバ

 HP Integrityサーバのライアンアップは、ブレード型やデュアルプロセッサ対応の1Uラックマウント型から、ハイエンド・サーバのHP Integrity Superdomeまでと非常に幅広い。インテル Itanium 2 プロセッサ搭載サーバには、64bitアドレスによる広いメモリ空間と、その高い処理性能を生かしたデータベース向けという印象がある。だが、ブレード型サーバや1Uラックマウント型サーバなどの高密度サーバは、その省スペース性とインテル Itanium 2 プロセッサの処理性能を生かすことで、アプリケーション・サーバや計算サーバとしても最適となっている。

 すべてのモデルでHP-UXやLinuxのほか、Windows Serverがサポートされているのも、HP Integrityサーバの特徴である。日本HPの過去の豊富な資産を継承するHP-UX、ハイパフォーマンス・コンピュータなどでの採用が多いLinux、管理・運用が容易であるWindows Serverと、用途に応じた選択が可能だ。またWindows Serverを採用することにより、x64系プロセッサを搭載するProLiantサーバからインテル Itanium 2 プロセッサを採用するHP Integrity Superdomeまでシームレスなスケーラビリティが実現できる。これにより、用途に応じたサーバが選択できる上、業務の拡張に合わせたスケールアップが可能となっている。

HP ProLiantサーバとHP Integrityサーバのラインアップ
 
  HP Integrityサーバの高い信頼性

 HP Integrityサーバは、KDDIカブドットコム証券などに採用されるなどすでにさまざまなミッションクリティカル環境で多くの採用実績を誇っており、高い信頼性が証明されている。この高い信頼性を実現するためHP Integrityサーバでは、デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサを採用している。インテル Itanium 2 プロセッサはロス・アラモス国立研究所(LANL)による放射線照射テストの結果、MTTF (平均故障寿命) は500年以上という数値を得ており、非常に高い信頼性を実現している。また8プロセッサ以上に対応したHP Integrityサーバは信頼性向上のため、独自新規開発の「sx2000」チップセットを採用し、電源モジュールや冷却ファンの二重化などにも対応している。これらのコンポーネントはオンラインによる追加や交換ができるため、障害発生時も継続運用が可能となっている。インテル® キャッシュ・セーフ・テクノロジーによるプロセッサのキャッシュ・メモリやデータ・バスなどのECC保護、メモリの「ダブルチップスペアリング」と呼ばれる技術により1つのDIMM上で2つのDRAMチップ障害が訂正できる機能など、さまざまな信頼性向上機能もサポートしている。さらに、インテル Itanium 2 プロセッサに実装された「Enhanced MCA」と、そのログを解析する日本HP独自の診断ツール「MCA(Machine Check Abort)アナライザ」により、サーバの障害原因を迅速に特定することなどが可能だ。MCAは、何らかのハードウェア障害に起因する回復不能なシステム障害が検出された際に記録されるログで、MCAアナライザにより容易にこのログの解析が可能となっている。

 このようにHP Integrityサーバは、障害発生を未然に防ぐ機能に加え、万一障害が発生した場合でも、MCAアナライザのような高度な診断ツールにより原因を素早く特定できる。例えば、ドライバーが障害となりOSがブルースクリーンとなった場合にスムーズでも迅速な解決が可能である。

  だがシステムとして見た場合、サーバ本体の高い信頼性とともに、顧客情報などの重要なデータを失わないためにOSやストレージ・システムの信頼性、クラスタ構成、ディザスタ・リカバリ対応などで実現することになる。マイクロソフトによれば、Windows Sever 2003, Enterprise Editionの計画外のシステム・ダウン・タイムは、0秒/年間を実現しているという。すでに商用UNIXなどと同等の可用性を実現しているわけだ。実際、高い可用性が求められるSAPソリューションのほぼ50%が、現在、Windows Serverで運用されている。新たに導入されるSAPソリューションでは、実に80%以上がWindows Server 2003との組み合わせが選択されているという報告もある。このことからも、Windows Serverの信頼性がエンタープライズ環境で十分なレベルになってきたことが伺える。

 またストレージ・システムやディザスタ・リカバリについても、信頼性の高いソリューションの提供が可能となっている。日本HPでは、ストレージ・システム「HP Storage Works製品」の豊富な製品を組み合わせた、データ整合性/保持機能やディザスタ・リカバリ機能を提供している。例えば、下図の株式会社外為どっとコムのSQLサーバ導入事例のように、1600km以上 離れた東京と沖縄にデータセンターを設置することで、ディザスタ・リカバリに対応している例などがある。詳細は、日本HPの導入事例(株式会社外為どっとコムの事例)を参照していただきたい。

株式会社外為どっとコムのシステム構成
インターネットを通じて外国為替保証金取引を提供している株式会社外為どっとコムの事例は、HP Integrityサーバ+Windows Server 2003とHP Storage Works製品を組み合わせ、沖縄のデータセンターにバックアップ・システムを設置し、東京のデータセンターで災害が発生した場合などでも事業が継続できる体制を実現している。

 株式会社外為どっとコム以外にも、エン・ジャパン株式会社大日本印刷株式会社など、数多くの企業が基幹サーバとしてHP Integrity+Windows Serverを採用し、支障なく運用していることからも、その信頼性と可用性が証明されているといえる(日本HPの「Itanium対応Windowsの導入事例)。以前はWindows Serverというと、社内利用のファイル/プリント・サーバや、それほど厳しい可用性を求められないWebサーバなどが主な用途であった。しかしシステムとしての信頼性の大幅な向上や、インテル Itanium 2 プロセッサの信頼性のより高い64bitプロセッサによる64コアまでのスケーラビリティにより、厳しい高可用性が求められる基幹サーバでの利用も増えている。前述したSAPの例や日本HPのSQLサーバ導入事例を見れば、いまやミッションクリティカル環境においても、HP Integrity サーバとWindows Serverの組み合わせは将来を見据えたエンタープライズシステムの採用候補に充分なりうる。

  HP Integrityサーバ+Windows Serverが提供するメリット

 OSとしてWindows Serverを採用することには、さまざまなメリットがある。

 まず、Windows Server向けに多くのパッケージ・ソフトウェアが用意されていることだ。低コストで実績あるパッケージ・ソフトウェアを利用することで、素早く安価にシステムが構築できるメリットがある。すでにSQL ServerやSAP、Oracleなど基幹業務向けの定番ソフトウェアが数多く対応済みとなっており、これらを活用したさまざまな業務ソリューションが提供されている。従来、基幹業務用途では、企業独自の大規模なカスタム・アプリケーション開発が不可欠であり、設計から開発、テスト、展開と、サービス・インまでには膨大な労力と、場合によっては年単位の時間が必要だった。だがパッケージ・ソフトウェアを上手に活用することで、はるかに短期間での基幹サーバの立ち上げが可能になる。これにより、サーバ開発のコストを大幅に圧縮できることはもちろん、余ったリソースを活用して他社に先行するソリューションを開発するなどで、現在さまざまなビジネス環境での激変に素早く柔軟に対応できるようになる。

 米HPの集計によれば、2006年10月末時点でインテル Itanium 2 プロセッサ+Windows Server向けのパッケージ・アプリケーションは、2000以上が提供されている。対応アプリケーション数は、この1年で約2倍になっており、いまでも月を追うごとに増え続けている。またx86命令をエミュレートするIA32EL(IA-32エミュレーション・レイヤ)の利用により、インテル Itanium 2 プロセッサ搭載サーバ上でx86版Windowsアプリケーションの実行も可能だ。例えば、インテル Itanium 2 プロセッサ搭載サーバ上で32bit版のMicrosoft Excelを使用し、ログの管理も行えるわけだ。

 ソフトウェアの開発が必要な場合でも、インテル Itanium 2 プロセッサ搭載サーバ+Windows Serverならば、x86版Windowsとまったく同じ環境・手法でのプログラミングが可能だ。通常の開発作業は、x86版Windows環境のVisual Studio 2005で行い、インテル Itanium 2 プロセッサ向けの64bitバイナリをクロス・コンパイルして、動作確認のみをHP Integrityサーバで実施すればよい。Windows環境に慣れたプログラマも多く、またWindows環境向けにはさまざまな開発ツールが提供されているので、一般にほかのOSに比べて低価格かつ早期のソフトウェアの開発が可能だ。

 またHP Integrity サーバ+Windows Serverならば、拡大するビジネスにも素早く対応できる。ビジネス規模が大きくなると、サーバ数が増えて管理コストが増大したり、そもそもx86プロセッサ搭載サーバではカバーしきれなくなってしまったりする。前述のように日本HPのWindows Serverのラインアップは、HP ProLiantサーバからHP Integrity Superdomeまでシームレスでスケーラビリティを実現している。例えば、複数のSQLサーバをHP Integrityサーバに統合することで管理コストを削減し、ソフトウェア環境や運用環境、必要なセキュリティレベルを維持したままHP Integrityサーバにスケールアップできるので、柔軟にビジネス規模に応じたパフォーマンスが利用可能だ。ビジネスが拡大した際にも、最小限のソフトウェア開発、検証にて、性能の高いHP Integrityサーバにシームレスに移行可能であり、企業合併や吸収、ITビジネスなどでの急激な売り上げ増加など、ビジネスの急激な変化においても素早い対応が行える。

 HP ProLiantとHP Integrityサーバを混在させる場合は、HP ProLiantrの慣れた管理手法がそのまま利用できるメリットも大きい。両ラインが採用する管理ツール「HP Essentials」「HP Systems Insight Manager」は共通で使えるので運用時にも戸惑うことはない。サーバのTCO(導入、維持・管理などにかかる費用の総額)を見た場合、導入コストよりも、維持・管理にかかる費用の方が高いといわれている。HP ProLiantサーバ+Windows Serverの管理者が、そのままHP Integrityサーバ+Windows Serverならば戸惑うことなく管理できるため、新たな管理者教育、管理手法の開発が必要になったり、別の専任者を雇ったりする必要がない。その結果、維持・管理にかかる費用の削減が可能となる。

 ハードウェア/ソフトウェア・ベンダ各社と日本HPが協力し、日本HPを窓口とするワンストップ・サポートを受けられる点でも安心だ。特に日本HPとマイクロソフトは、長年の密接な協業のもと、ミッションクリティカル環境に対応可能な独自のサポート・センターを用意している。これは「ジョイント・ミッションクリティカル・サポートセンター」、通称JMCSCと呼ばれるもので、日本HP内にマイクロソフトのエンジニアが常駐し、さまざまな問題に対して両社のエンジニアが協力しながら分析や切り分け、解決を進めている。

 日本HPは、x86系プロセッサ搭載のProLiantサーバからインテル Itanium 2 プロセッサ搭載のHP Integrity Superdomeまで、サーバ・プラットフォームとして幅広いスケーラビリティを実現している。これらのサーバ群とWindows Serverを組み合わせることで、独自開発したカスタム・アプリケーションや、既存のデータを生かしながら、ビジネス規模とその成長性に応じた性能と可用性を備えるプラットフォームに柔軟にスケールアップすることができる。

 サーバ本体だけでなく、システム全体のスケーラビリティを実現するには、各サブシステム単位でも柔軟なスケーリングが可能でなければならない。この点日本HPは、ビジネス・システムの核心となるストレージ・システムにもHP StorageWorks XPディスクアレイHP ストレージ・ソフトウェアなどの豊富な製品群や機能をラインアップしており、ミッションクリティカル・システムが求めるストレージ・システムの高可用性やデータ保護など情報ライフサイクル管理もワンストップによる提供が可能だ。

 第1回で説明したとおり、HP Integrityサーバ+Windows Server+HP StorageWorksプラットフォームの可用性については、日本HPとマイクロソフトが協同で詳細な検証を実施している。また株式会社外為どっとコムの事例など、すでにミッションクリティカル領域でも、このプラットフォームが選択され、実稼働環境で性能と信頼性の高さが実証されている。

 競合製品と比較して安価なパッケージ・ミドルウェアや、生産性の高い開発環境を利用できること、システム運用にかかる負担を圧縮できることなどから、Windows Serverベースのミッションクリティカル・システムは、従来のメインフレームやUNIXベースのシステムなどと比較して、コストパフォーマンスが高い。ミッションクリティカル・システムの構築において、可用性やスケーラビリティを犠牲にすることなく、従来と比較してけた違いにコストパフォーマンスの高いプラットフォームが選択できるようになったことを、記憶にとどめておく必要があるだろう。


提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
企画:アイティメディア 営業局
制作:デジタルアドバンテージ
掲載内容有効期限:2007年1月31日
 
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HP Integrity Superdome
日本ヒューレット・パッカード
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