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@IT > 日本IBMのソフトウェア検証施設「SWCOC」がオープン |
企画:アットマーク・アイティ営業企画局 制作:アットマーク・アイティ編集局 掲載内容有効期限:2003月1月31日 |
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今日、企業は目的に合わせ各種のハードウェアとソフトウェアを組み合わせて利用するようになっており、異機種混在環境が当たり前となっている。ソリューション開発やシステム構築を行うシステム・インテグレータなどにとっては、異機種混在環境での接続検証や稼動検証、パフォーマンスの適正化、問題発生時の切り分けに時間がかかるようになってきたのが現状だ。
日本IBMは、ビジネスパートナーのこうした意見に対する回答の1つとして、2002年12月11日にソフトウェア・コンピテンシー・センター」(Software Center of Competency:SWCOC)を開設した。SWCOCは、ビジネスパートナーの交通の便も考え、東京の渋谷マークシティに開設された(写真1)。単に同社のミドルウェアをIBM以外のハードウェア上で稼働検証するだけでなく、異機種混在環境での接続稼働検証が行える点がSWCOCの売りだ。ビジネスパートナーが自社で開発をしたソリューションを含めて検証を行えることは、ビジネスパートナーにとって大きなメリットになる。 また、IBMは、SWCOC開設と同時に、ソフトウェアを販売するビジネスパートナーへの技術情報を提供するためのポータルサイトもオープンさせた。
SWCOCには、検証スペースはもちろんのこと、検証を支えるエンジニアのオフィススペース、セミナールーム、ディスカッションルームなどが、1800平方メートルの敷地内に確保されている。 検証スペースには、自社サーバはもちろん、サン・マイクロシステムズのSun Fireシリーズや、ヒューレット・パッカードのrpシリーズ、富士通のPRIMEPOWER、NECのExpressなどの主要ベンダのサーバや各種ストレージ製品が用意されており、異機種混在環境での検証を行えるようになっている(写真2)。ビジネスパートナーが、常設されていないハードウェアを持ち込んで検証することも可能だ。
ビジネスパートナーは、これらのハードウェアを使って、DB2やWebSphere、Lotus、TivoliなどIBMのミドルウェアの検証はもちろんのこと、スケーラビリティやソリューションに関するパフォーマンステストや異機種混在環境下における接続検証も行える。SWCOCでは、パートナー企業向けのサポートを充実させるため、IBMのエンジニアが120人常駐しており、ビジネスパートナーと共に検証作業を行ったり、ソリューションに対する技術的なアドバイスを行う。
ビジネスパートナーが顧客に、自社ソリューションを紹介できるように、セミナールームやデモスペースエリア、ワークショップルームが設置されている。 セミナールームは、100人収容でき、3分割して30人ずつ収容することも可能だ。デモエリアでは、ビジネスパートナーが自社ソリューションを、顧客に体験させることができる(写真3)。 そのほかにも、8〜10人が収容できるワークショップルームが3室用意されており、検証方法や結果を議論することができる。
日本IBMの常務取締役 ソフトウェア事業部長 堀田一芙氏は、「SWCOCは、ビジネスパートナーさまが開発されるソリューションに対して、付加価値を付けることができる施設」と説明する(写真4)。 日本IBMの代表取締役社長 大歳卓麻氏も「IBMのミドルウェアをビジネスパートナーさまに、ソリューションの“部品”としてご活用いただきたい」と、SWCOCが広く利用されることへの期待を語る。大歳氏はまた、IBMのオープン戦略について「ビジネスパートナーさまにはIBMのサービスにこだわらずに、よいハード、ソフトを取り込んでソリューションを開発してもらいたい。それをまとめるのがオープン戦略だ」と説明。「IBMは徹底的にオープンを目指す。最適のソリューションの組み合わせを提供し、日本のITを活性化させたい」との目標を述べた。
SWCOCでは、ビジネスパートナーのエンジニアのスキル育成支援も行う。これは、ビジネスパートナーのスキルが向上することで、より適切なソリューションを開発できるようになり、顧客企業からの信頼を高めることができるとIBMは考えているためだ。ビジネスパートナーのニーズに合わせた育成支援メニューを提供する予定で、効率重視の短期育成コースと、深い技術習得を重視した徹底育成コースの両方を提供する。短期育成コースは、オンラインでの教育も視野に入れており、基礎ITスキル向上を目指す。そのほか、経験の浅い技術者向けにガイドの配布やTipsなどを公開する予定だそうだ。 ビジネスパートナーのスキル育成支援のため、SWCOC以外にも、指定のトレーニングコースを受けて認定テストに合格すると、受講料や試験料をキャッシュバックする制度も用意されている。IBMは、「これらのコースや制度をうまく利用してスキルの向上につなげてもらいたい」としている。
IBMによると、ビジネスパートナーから、IBMのミドルウェアが他社のハードウェアで稼働するのか、という問い合わせが数多くあり、これが今回のSWCOC開設のきっかけになったという。 なお、SWCOCで蓄積された情報やノウハウなどは、各ソフトウェア製品にフィードバックされ、製品の質の向上につながることになる。結果として、ビジネスパートナーの顧客となるエンドユーザーにとっても大きなメリットになる。 最適なハードウェアを最適な価格で導入したい、というのが企業の本音。異機種混在が普通となってきた現在、SWCOCのような施設はオープン環境時代に必要不可欠な施設といえるだろう。 2003年春には大阪にも新たなソフトウェアの検証センターが開設される予定だ。今後のSWCOCの動向に注目していきたい。
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■Software Center of Competency(SWCOC) ソフトウェアやソリューションの動作や稼働検証、セミナーなどを行うことができる ■PartnerWorld for Software Portal パートナー企業向けに製品情報などを掲載するWebサイト ■IBMソフトウェア・サポート・サイト IBMのハードウェアやソフトウェアに関する「Red Book」と呼ばれる社内向けの高度な技術情報などが掲載されている ■IBM パスポート・アドバンテージ IBMのソフトウェア製品をライセンス取得するプログラム
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