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企業内の印刷業務を一元管理

「VPSX」が実現する
安全で確実なプリンティング基盤


 「ペーパーレス化」というキーワードが叫ばれるようになって久しい。しかし、紙──特にプリンタからの印刷物は、人とシステムをつなぐ重要なポイントで使われており、廃絶することは困難だ。実際、ペーパーレスを推進するはずだったFAXやパソコン(+プリンタ)の登場以降、紙の使用量は減るどころか、むしろ増えている。日本製紙連合会の資料によると1990年に43万4311トンだったPPC用紙(コピー、レーザープリンタ用紙)の生産高は、2007年は93万4571トンだった。国内生産分だけで、17年の間に2倍以上になっているのだ。紙を活かすプリンティング環境を考えてみよう。

 現在多くの企業が内部統制のための施策に取り組んでいるはずだが、その作業の中で、ITに関連する部分も多いだろう。ところが、データベースやPCの統制と比較して、プリンティングの統制は後回しになっていることが多いようだ。しかし、前述のように紙への印刷物には企業にとって重要な情報が含まれていることも多く、電子データ同様、ビジネスシステムを構成する重要なコンポーネントとして管理する必要がある。ここに脆弱性が残ってしまうことは、統制上の大きな問題となる。

 Levi, Ray & Shoup, Inc.(以下、LRS)の提供する「VPS」および「VPSX」は、企業内のプリンティング業務を一元的に管理するエンタープライズ・アウトプット・マネジメント(EOM)製品だ。誰が、いつ、どこから、どのプリンタに、どのようなデータを印刷したのか、その印刷ジョブは正しく終了して確実に正しいプリンタに出力されたのかなどをリアルタイムに管理する。もちろん、印刷ログや印刷イメージを残しておくことも可能だ。

   

EOM分野で20年以上の実績を持つリーディングカンパニー

 LRSは1979年、米国イリノイ州に設立されたソフトウェアベンダである。EOMの分野では、全米および欧州のメインフレームユーザーの80%がLRSのEOM製品を採用しているというリーディングカンパニーである。同社は1982年よりメインフレーム向けのEOMソフトウェアスイートとしてVPSを、さらに2005年からはオープンシステム向けにVPSXを展開している。

 EOMは、複数のOS、プラットフォーム、アプリケーションにまたがって、企業全体の情報の出力を一元的に管理する仕組みだ。DOM(Distributed Output Management)と呼ばれることもある。日本国内においても代理店を通じ、40社以上に導入された実績をもっている。さらに、2005年には日本支社であるLRSジャパンを設立し、日本を始めとするアジア地域でのビジネスの拡大に力を入れ始めている。

 そんなLRSが展開するVPSは、IBMのz-Series上で稼働するソフトウェアスイートである。世界で5000サイト以上の実績があり、フォーチュン100社で92%のシェアを持っている。他方、オープンシステム向けのEOMソリューションであるVPSXは、UNIX・Linux・Windowsなど複数のOS、SAPなどのERPソリューション環境、メーカーとプリンタ言語が異なるプリンタ製品が混在するヘテロな環境においても、分散出力の集中管理をリアルタイムで行うことができる。VPSで培われたノウハウを継承して、高い信頼性と、1台のプリンタから数千台のプリンタにまで対応できるスケーラビリティを実現している。もちろん、メインフレームとオープンシステムが混在している環境でも、VPSおよびVPSXを導入することによって集中管理を可能にする。まさに、マルチ・ホスト・システム、マルチ・ベンダ・プリンタである。

LRSのエンタープライズ・アウトプット・マネジメント・ソリューション

 

   

VPSXによる安全で確実なプリンティング基盤とは

 企業のプリンティング基盤は、安全で確実であることが求められる。そのため、次に挙げるような機能の実現を抜きに語ることはできない。

■すべてのプリンタや印刷ジョブの状態をリアルタイムで確認可能

 どこに設置されたどんなプリンタであっても、誰がどのプリンタに対して印刷を要求したか、その印刷ジョブはどのようなステータスにあるかをリアルタイムで確認できなければプリンティングの統制は実現しない。もちろん、印刷の成功や失敗といった印刷結果に関するステータスも、リアルタイムでユーザーに通知されることが重要である。たとえ1台でも管理できていないプリンタがあれば、そこから管理されていない情報が出力されてしまうことになる。VPSXでは、Webベースの管理情報画面によって、ネットワーク上のすべてのプリンタの稼動状況を確認することができるようになっている。

VPSXの管理情報画面クリック >> 図版拡大

 

■要求した印刷が確実に出力される

 当たり前のことのように思われるが、“確実”なプリンティングをきちんと担保している企業はどれだけあるだろうか。例えば、遠隔地にあるプリンタにデータを出力したとしよう。しかし、そのプリンタが用紙切れになっていたり、紙づまりになっていた場合、その印刷ジョブはどうなってしまうのだろうか。このジョブが、特定のユーザーから手動で要求されたものであれば、プリンタの異常を通知して、次にどのようなアクションを取ればいいかを確認するという方法を取ることもできる。しかし、業務アプリケーションによって自動的に出力されるデータだった場合、どのような対処が考えられるだろうか。VPSXでは、複数のプリンタをグループ化し、冗長構成を取ることもできるようになっている。何らかの理由でプリンタが印刷不能状態になっても、VPSXがグループ内のほかのプリンタへ印刷ジョブを引き渡して印刷を実施するのである。深夜のバッチ処理など大量の帳票印刷が行われる企業にとっては、不可欠な機能といえる。

■過去の印刷履歴をさかのぼって確認できる

 いつ、誰が、どのような情報を、どのプリンタに出力したのかを確認できる。また、必要であれば、その印刷イメージも確認できる。情報漏洩などの問題が起きた場合、プリントログやイメージファイルは重要な証拠となる。VPSXの管理情報画面からは、プリンタごとに過去の印刷文書の一覧(リテイン・キュー)を参照することが可能で、ここから再印刷もできるようになっている。また、別途そのデータに対応したビューアを容易する必要はあるものの、印刷イメージも確認することができる。各種ログからプリントの統計情報やアカウントの情報などを抽出する機能も搭載されている。さらに、よりセキュリティに特化した機能として、電子透かしを入れることも可能だ。

■ネットワーク・セキュリティのため、プリントデータを暗号化

 ネットワークを介してプリンタに対して送られるプリントデータは、そのままでは比較的容易に閲覧できてしまう形式である。そこでVPSXでは、重要な情報が漏えいしないよう、ネットワーク上でやり取りされるプリントデータを最新の暗号化技術で暗号化して送信できるようになっている。また、プリンタ側に複合化する機能が搭載されていれば、プリンタへの出力データも暗号化して送ることができるようになっている。

■プリントデータの圧縮

 企業の情報出力業務には、中央のサーバまたはメインフレームから地方の拠点にあるプリンタへ、顧客情報などの膨大なデータを送り、印刷する場合がある。この場合、送られるデータ量は非常に大きく、企業のインフラネットワークに大きな負荷を与える可能性がある。VPSXでは送信するプリントデータを自動的に独自技術で圧縮し、そのリスクを軽減することもできる。

■プリント状態の共有(チェッキングポイント)

 印刷関連のソリューションならではの特徴で、どのページまでどこのプリンタで印刷しているか、完了したかの情報を拠点ごとのVPSXで共有しているため、印刷途中でジャミングなどの失敗が発生した場合でも次のページからの印刷を別拠点または別プリンタで引き続き行うことが可能となり、アプリケーション側からの再印刷実行(ユーザーの作業負荷)が必要なくなる。

 暗号化、圧縮、チェッキングポイントの機能はVPSおよびVPSX間で自動的に行われ、分散環境における印刷作業の効率を上げるとともに、印刷作業、印刷物の管理が集中的にあるいは必要に応じて分散的に実現することができる。この3つの機能はLRS社の製品で最も大きな特徴となっている。

分散環境での統合プリンティングプラットフォーム例

 

■印刷が要求されたら、直ちに出力される

 印刷の即時性は重要な要件である。例えば、最近よく見る事例に遠隔地にある工場への作業指示を、本社から直接工場内のプリンタへ指示書の形で出力して行うというものがある。もし、印刷の即時性と確実性に信頼がなければ、本社からの指示がいつ工場に届くか分からず、この業務プロセスは成立しない。あるいは、直前まで作成していたプレゼン資料を、会議の開始10分前に印刷したいといった場合に、どのプリンタでいつ印刷されるか分からないのでは会議に間に合わなくなる。VPSXは印刷の“リアルタイム性”にこだわった製品で、印刷の要求から出力までを迅速に実行するのだ。また、プリンタに何らかの問題がある場合には、リアルタイムで情報を通知して、代替処理を選択することができるようになっている。

   

プリンティング基盤の整備はTCOの削減にも有効

 LRSは20年以上に渡ってEOM分野でトップベンダとして培ってきた実績によって、ユーザー企業のプリンティングに対する要件を知り尽くしている。その経験によるノウハウは、同社のEOM製品としては比較的新しいVPSXにも継承され、オープンシステムにおいてもユーザーの求めるプリンティング関連機能を網羅的に提供している。

 VPSXには、プリンティングのTCOを削減する効果もある。そのシンプルなプリンティング基盤は、不必要なプリンタの発見・選択、冗長な印刷の削減、ユーザーのプリンタ設定、印刷作業の軽減およびIT部門追のプリンタに関するサポート時間の減らすことで、企業のTCO削減にも貢献する。

 このようにVPSXからの集中的に管理することによって、エンドユーザーのプリンティングに関する作業や、管理者のサポート業務を大幅に軽減できるのだ。さらに、Windowsのプリントサーバを廃止することができるのもTCOの削減という観点で見た場合には大きいといえる。また、地方に多くの拠点を持つ企業ならば、分散した印刷設備(プリンタ)を一元管理するためのソリューションとして有効だろう。

 また、冒頭で紙の利用が増えていると述べたが、ペーパレス化がコスト削減や環境保全の面からも有効であることもまた事実である。そのためVPSXにおいてもペーパレス化対応という面から、PDFへの変換やメールでのイメージファイル送信といった電子データ化の機能も数多く装備している。

 企業においてプリンティングは、ビジネスに欠かせない要素である。とくに印鑑による承認など日本独自のビジネス文化によって、国内企業でのペーパレス化には限界があるともいわれている。日々のビジネスに不可欠な文書を安全で確実に出力し、きちんと証跡を残しておくことのできるプリンティング基盤は、これからのIT統制に不可欠な要素となっていくだろう。

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提供:Levi, Ray & Shoup, Inc.
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2008年03月31日

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Levi, Ray & Shoup, Inc
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