マイクロソフトがISV支援策を強化
最新のWindows開発環境を最大2年間提供

■マイクロソフトのパートナー支援策が一層強化

　マイクロソフトが、同社のパートナー支援策を一層強化する。特に、最新のWindows®プラットフォームに対応したパッケージソフトをリリースする予定のあるISVには、手厚い特典が用意された。

　同社は今回の強化のため、パートナー支援の主要な枠組みである「マイクロソフト パートナープログラム」を刷新した。刷新後の目玉の1つが、ISV向けの支援策「Microsoft Empower for ISV Initiative」（以下、本施策）だ。本施策では、パッケージソフトの開発意向を持つISVに対して最新のソフトウェア開発環境が提供される。

　同社は本施策で、「Windowsプラットフォーム上でISVが提供するパッケージソフト市場が活性化し、多くのISVのビジネスが成功するためにサポートしていく」（マイクロソフト ISV ソリューション推進部 主任 福地洋二郎氏）ことを狙う。

　その、ISV向け支援策の内容を具体的にみていこう。

■特典：開発に必要なすべてのソフトウェア環境を提供

　後述する条件を満たしてISVが本施策に参加すると、最新のアプリケーションの開発に必要な下記の製品ライセンスが提供される。これが数ある本施策のメリットの中でも、最大のポイントだ。

　業務用あるいは社内トレーニング用に使用できるライセンスとして、下記のソフトウェアが5ライセンス提供される。

• Windows XPまたはWindows 2000 Professional
• Office XPまたはOffice 2003
• Windows Server™ 2003もしくはWindows 2000 Server
• Exchange 2000 ServerもしくはExchange 2003

　開発やテスト用のライセンスとしては、下記のものが提供される。

• MSDN®ユニバーサル サブスクリプション メディアキット（DVD）が1式、5ユーザーライセンス

Empower for ISV ウェルカムキット

　MSDNには、Visual Studio®、.NET Enterprise Architect Editionなど最新のソフトウェアが含まれている。つまり本施策に参加すれば、Windows対応パッケージソフトウェアの開発を進めるために必要な環境が、すべて手に入る。あとは各ISVが持つ開発力を存分に発揮し、Windowsプラットフォーム対応のパッケージソフトのリリースへ向けて邁進するのみだ。

　提供されるこれらのソフトウェア群に対して、本施策への参加費用は、わずか6万8250円（税込み）。期間は1年だが1回のみ更新が可能で、最長2年となる。2年目には、自社のWebサイト上でのパッケージソフトの公式発表と製品のリリースが求められる。

マイクロソフト パートナープログラムの構成 マイクロソフト パートナープログラムには、登録メンバーの上位に、認定パートナー、認定ゴールドパートナーが存在する。本施策は、登録メンバー向けのオプションサービス

■無料でイベントの招待やオンラインサポート

　本施策の参加には2つの条件がある。1つ目は、前述したマイクロソフト パートナープログラムの登録メンバーになること。オンラインで申し込むことができ、費用は無料。つまりこれは条件というより、本施策の特典の一部だというべきだろう。

　登録メンバーになると、例えばニュースレターなどによる最新技術情報の提供。次期製品のベータプログラム段階からの技術情報を得ることができ、また各種イベントなどへの招待もある。eラーニングやニュースグループによるトレーニング、オンラインサポート、パートナーコールセンター、書籍の割引制度など、そのサービスは豊富だ。

■ISVによるパッケージの開発意向を求む！

　条件の2つ目は、本施策に参加するISVが、最新のWindowsに対応したパッケージソフトをリリースするという目的を持っていることだ。具体的には下記の製品のいずれかに対応したパッケージソフトを開発する目的を持っていることが求められる。

• Windows Server 2003
• Windows XP／2000
• Windows SQL Server™ 2000
• Windows for Pocket PCなどのMicrosoft Mobilityプラットフォーム

　ここでいう「パッケージソフト」には、店頭に並ぶソフトウェアのようにいわゆる化粧箱に入ったソフトウェア以外だけではなく、ライセンス販売という形態で提供されるソフトウェアや、ASPなどのオンラインサービスとして提供されるものも含まれる。

　ニュースレターやオンラインサポートなどのサービスが無償で受けられ、なおかつ必要な開発環境がすべて提供される。今回のマイクロソフトによるISV支援策は、多くのISVにとって「パッケージソフトを開発しよう」という意欲を持たせるに十分な策ではないだろうか。

　いうまでもなく、パッケージソフト市場には大きなビジネスチャンスがある。特にWindows製品のアーキテクチャが.NETへと大きく切り替わろうとしている現在、多くのISVに成功するチャンスが開けている。今回のマイクロソフトの支援策は、そのチャンスをISVがつかむために、パッケージ市場への参入ハードルを引き下げ、成功する確率を上げるために最新バージョンの開発環境を提供する、そうした目的のために用意されたものだといえる。

• Microsoft Empower for ISV Initiative