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@IT > 業務システムのフロントエンドとしてのMicrosoft Office Systemの実力(4) - Page1 |
企画:アットマーク・アイティ 営業企画局 制作:アットマーク・アイティ 編集局 掲載内容有効期限2004月5月31日 |
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業務システムのフロントエンドとしての
ファイル・サーバを利用した文書の共有や、メールによる会議の通知や時間の調整など、非定型の業務領域でもコンピュータやネットワークが活用されるようになってきた。 しかし、まだその活用は原始的なレベルでしかない。ホワイトカラーの生産性向上は、企業にとって重大な課題の1つである。この領域はナレッジマネジメントなどとして以前から取り組まれてきており、関連製品も各社から提案されているものの、「帯に短し、たすきに長し」というものが多く、なかなか実質的な生産性向上につながっていないのが現状である。 正しく情報が共有できていればお互いに活用できるのに、互いに無駄な重複があったり、逆に必要な情報が漏れていたりするのが現状である。
効果的なナレッジマネジメントを困難にしている原因の1つは、業種や企業の規模、歴史的な企業風土など、さまざまな要素によって知的労働のプロセスや価値観が大きく異なることにある。このため出来合いのフレームワークを当てはめようとしても、失敗することが多い。各企業にとって本当に役立つナレッジマネジメント環境を構築するには、それを利用する企業が実際に試行錯誤を繰り返しながら、よりよいしくみや環境を模索する必要がある。
複数メンバからなる情報共有や知的労働の生産性向上に対し、チームの情報共有など、さらに一段高いアプリケーション・サービスを提供し、実りあるナレッジマネジメント環境を模索するための手段を提供するのがSharePointテクノロジである。 これはWebアプリケーション・ベースのチーム・マネージメント・ソリューションで、次世代のアプリケーション・プラットフォームとしてマイクロソフトが推進している.NET Frameworkに完全対応し、ドキュメントの履歴管理や会議用ポータル・ページなどの協働作業空間を簡単に構築可能にする。 SharePointテクノロジを実装したWindows SharePoint Services(WSS)は、Windows Server 2003ユーザー向けに無償提供されている。さらに複数のWSSチーム・サイトをエンタープライズ・レベルで統合・管理するためにSharePoint Portal Server(SPS、有償製品)が提供されている。
SharePointでは、ASP.NETベースで作成されたWebパーツと呼ばれる部品を組み合わせることで、望みのチーム用ポータル・ページにカスタマイズ可能だ。すでに、典型的な用途向けのWebパーツが多数提供されている。先ごろ発売されたGroupBoardワークスペース(WSSのアドイン)もその1つで、WSSに追加インストールすることで、グループスケジュール、施設予約、電話メモ、回覧機能、モバイルアクセスなどといった機能をパーツとして利用できるようになる。手ごろなパーツがセットになっているので、SharePointの導入用として重宝するだろう(本稿でも、WSS+GroupBoardワークスペースで構築したサイトを例として使用することにする)。 前述したとおり、WSSで構築された複数のチーム・サイトが存在するような大企業向けでは、SharePoint Portal Server(SPS)を導入することで、チーム・サイト間にまたがる検索やシングル・サインオン(1カ所でログオンすれば、認証された権限でどのチーム・サイトも利用できる)を実現可能だ。
WSS、SPSの詳細については、以下@IT FYI記事を参照されたい。
WebアプリケーションであるSharePointベースのチーム・サイトは、基本的にはWebブラウザで利用することになる。ブラウザだけでアクセスできることはSharePointの大きなメリットだが、Officeユーザーから見れば、文書作成や表計算、メールなど、情報共有の元となるデータの編集にはOfficeアプリケーションを使っていながら、それらの情報を共有するために、わざわざ別途Internet Explorer(IE)を起動しなければならないことになる。 これに対しMicrosoft Office Systemでは、SharePointによって構築されたチーム・サイトをOfficeアプリケーションから直接利用できるようにしている。従来のOffice 2000、Office XPでもチーム・サイトは利用可能だが、例えば共有ドキュメントのプロパティ(ドキュメントに付随する各種情報)をOfficeアプリケーションから直接操作したりすることはできない。つまりOffice 2003 EditionsのSharePoint統合機能を利用すれば、リッチなユーザー・インターフェイスを持つMicrosoft Office 2003 EditionsをSharePointチーム・サイトのフロントエンドとして活用し、共有ドキュメントを直接操作したり、会議用のポータル・ページを直接作成したりできるわけだ。これらについて、次から具体例を示しながら詳しく説明しよう。
ドキュメントの共有は、チームでの情報共有の基本であり、最も重要な機能の1つである。企業ユーザーの多くはLANに配置したファイル・サーバを利用して、複数メンバで必要なドキュメントを共有しているだろう。しかしファイル・サーバによって提供される基本的なファイル共有では、ファイルの履歴管理(最新版だけでなく、修正された過去のファイルもすべて残しておく)などは行ってくれない。 SharePointの最重要機能の1つもファイル共有とそれらの管理機能である。SharePointでは、チーム・サイト内にドキュメント・ライブラリと呼ばれるドキュメント・リポジトリ(文書データベース)を作成し、ここでドキュメントを共有する。ドキュメント・ライブラリでは、ドキュメントのチェックイン/チェックアウトや履歴管理機能が利用できる。共有ドキュメントを編集するユーザーは、まず対象ドキュメントをチェックアウトする。これにより、再度ユーザーがチェックインするまで、そのドキュメントはチェックアウトしたユーザー以外は編集できなくなる。またドキュメント・ライブラリ内のドキュメントは、保存されるたびに過去の履歴を保存しており、いつでも任意のバージョンのドキュメントにアクセスできる(ロールバックできる)。過去のどの時点でどのような修正が加えられたかを簡単に確認できる。
例えばこの画面は、ドキュメントの査読フローをドキュメント・ライブラリとして作成した例である。この例では、「次レビュー」「公開予定」「ルート」(査読順序)などの情報を共有ドキュメントのプロパティとして定義している。 従来のOffice 2000/Office XPでもドキュメント・ライブラリ上のファイルを開いたり、保存したりできるが、プロパティを設定するにはWebブラウザを起動してSharePointサイトにアクセスしなければならない。しかしMicrosoft Office Systemの各アプリケーションなら、Webブラウザを起動することなく、ドキュメント・ライブラリに関するほとんどの作業を直接操作できる。 ■作業ウィンドウから共有ドキュメントへのアクセス
共有ドキュメントのこれまでの変更履歴を確認したければ、「共有ワークスペース」の下にある[バージョン履歴]をクリックする。すると次のようなダイアログが表示される。過去のバージョンにロールバックしたければ、ここで任意のバージョンに簡単に戻ることができる。
「共有ワークスペース」では、タブ形式でチーム・サイトの複数の情報を切り替えて表示できる。例えばドキュメント・ライブラリに格納されているドキュメント一覧を表示するには「ドキュメント」タブをクリックする。
ドキュメントをチェックアウトしている場合は、「状態」タブでそれを確認できる。ドキュメントをチェックアウトするユーザーは、SharePointサイトでアイテムの編集権限を持つサイト・グループのメンバでなければならない。
また[ファイル]メニューから共有ファイルを保存するときには、次のようなダイアログが表示され、ここで共有ドキュメントのプロパティを編集することもできる。
ここでは例としてWord 2003の画面をご紹介したが、Excel 2003、OneNote 2003、Project 2003、PowerPoint 2003、Visio 2003でも同様の操作が可能である。 さらに次ページでは、SharePointサイトをブラウザで操作する場合に強力な「データシートで編集」機能を紹介する。
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