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「運用はどう変わる?」「具体的な導入効果は?」
300のユースケースに裏付けられた
プライベートクラウド
構築・運用のポイントとは?

2012/02/28


導入ユーザーは増えつつあるものの、まだまだ調査・検討中のユーザーも多いプライベートクラウド。だが、ビジネス展開のスピードアップ、運用管理負荷の低減、コスト削減など、そのメリットの大きさは測り知れない。そこで今回、プライベートクラウドをいち早く利用して先駆者利益を得るために、 「クラウド化で変わる運用面でのユーザーの懸念」に対する解を、NECで長年、運用管理ソフトウェアの企画・開発に携わってきたNEC 第二ITソフトウェア事業部 シニアマネージャー 山崎正史氏に聞いた。

準備は整いつつあるが、
なかなか導入が進まないプライベートクラウド

 サーバ仮想化が当たり前の取り組みとなった今日、次の一手として社内システムのプライベートクラウド化を目指す企業が増えつつある。IDC Japanの調査「国内クラウドコンピューティング向けソフトウェア市場予測 2010年〜2015年」(2011年4月発表)によると、2011年まではパブリッククラウドの市場規模の方が大きいものの、今後数年間でプライベートクラウド市場が急激に成長し、2015年にはパブリッククラウド市場をしのぐと予測されている。

 実際、多くの企業では、自社システムをプライベートクラウド環境に移行するための要素がそろいつつある。その1つが「サーバ仮想化」であり、もう1つの重要な要素である「IT投資予算の一元化」も多くの企業で着実に進みつつある。つまり、テクノロジと社内手続きの両面において、プライベートクラウド移行への準備はほぼ整っているのだ。

NEC 第二ITソフトウェア事業部
シニアマネージャー
山崎正史氏

 しかしながら、実際にプライベートクラウドの構築に乗り出している企業は、まだまだ少ない。NECでプライベートクラウド関連のソフトウェア製品を担当する第二ITソフトウェア事業部 シニアマネージャー 山崎正史氏は、以上のような状況を振り返って次のように語る。

 「多くの企業はプライベートクラウドがもたらすメリットを理解していながら、いくつかの懸念を払拭できず、その構築に踏み切れない状況にあるようです。弊社が行った調査では、プライベートクラウド化しない理由として『セキュリティ面の不安』『運用の複雑化への懸念』『導入効果が分からない』『投資額が大きすぎる』といった点を多くの企業が挙げていました。弊社では、企業がプライベートクラウド化に踏み切るためには、これらの懸念を払拭できる“具体的な回答”が必要だと考えています」(山崎氏)

プライベートクラウド導入に向けての2つの核となる要件
「インフラ管理」と「セルフサービスポータル」

 では“具体的な回答”とはどのようなものなのか――山崎氏はその“回答”として、「プライベートクラウド化」の意義やメリットをひもときながら、その実現のために必要な要件を解説する。

 「まず前述の通り、すでに多くの企業が物理サーバを仮想化し、サーバ台数削減によるコスト削減や、柔軟・効率的なリソース運用を実現しています。ただ多くの場合、部門・拠点単位ではリソースを共有していても、営業支援システム、顧客管理システムなど複数のシステムにまたがった全社的なリソース共有には至っていません。プライベートクラウド化は、このリソース共有を全社規模で行うことにより、運用の柔軟性、効率性を大幅に向上させ、費用対効果を最大化できることに大きな意義があるのです」(山崎氏)

 ただ、この実現のためには2つの要件が求められるという。まずプライベートクラウド化では、仮想化した各システムの空きリソースを1カ所にプールする「リソースプール」を作ることが前提となるが、このリソースプールから必要なリソースを切り出し、各システムに動的に割り当てるためにリソースプールを管理する「インフラ管理」が不可欠となる。これにより、空きリソースを全社的に共有・一元管理し、利用効率の最大化を狙うのである。

 「社内のITリソースを全社規模で共有・管理するとなれば、管理対象となるリソースは膨大な数に上ります。従来の方法では管理するのが難しい以上、作業を確実化・効率化するためのインフラ管理が新たに不可欠となるのです」(山崎氏)

 2つ目は、提供するリソースをサービスとして陳列しておき、エンドユーザーが必要なとき、必要なリソースを選んでリクエスト可能とする「セルフサービスポータル」である。全社のリソースを一元管理していても、仮想マシンを提供するまでには、ユーザーから利用申請を受け付け、リソースをプールから切り出し、仮想マシンの生成、各種機器設定を行う、といった一連の作業が必要となる。これを人手で行うようでは運用管理を抜本的に効率化することはできない。そこでプライベートクラウドでは、この一連の処理・手順を自動化する「セルフサービスポータル」が不可欠となるのである。

 ただ山崎氏は、「ここで求められる機能は、ITリソースの要求受付/提供機能だけではありません」と付け加える。

 「従来同様、払い出された仮想マシンをユーザー側でも管理する必要がある以上、障害監視、性能管理、パッチ適用といった各種運用管理機能も、セルフサービスポータルを通じて提供できることが強く求められます」

300におよぶユースケースから機能要件を抽出・実装した
「WebSAM vDC Automation」
「WebSAM Cloud Manager for IaaS」

 では、以上のようなプライベートクラウド実現の2つの要件に、NECはどう応えているのだろうか? その“具体的な回答”が、昨年提供を開始したWebSAM vDC AutomationとWebSAM Cloud Manager for IaaSだ。

 「両製品は、弊社自身のプライベートクラウド構築・運用経験の中で得られた約300のユースケースを基に、機能を抽出・実装しました。『運用現場が本当に必要とする機能はいったい何か』を現場の視点で考え抜いた結果、誕生した製品なのです」(山崎氏)。では、以降で2製品に関して詳細に紹介していこう。

 まず、WebSAM vDC Automationは「インフラ管理」を実現する製品だ。全社規模のITリソースを一元管理するリソースプール管理機能と、ユーザーに求められたリソースを自動的に切り出し、各システムに割り当てるプロビジョニング機能を提供する。

 「こう聞くと、多くの方はAmazon EC2のようなIaaS型パブリッククラウドをイメージするかもしれません。確かにWebSAM vDC AutomationもIaaSのサービス基盤となる製品ですが、本製品は業務運用の効率化を考え、システムの各種設定を自動化するオーケストレーション機能を搭載しているのです」(山崎氏)

 このオーケストレーション機能とプロビジョニング機能の組み合わせにより、OSのセットアップから、ストレージの割り当て、ネットワーク設定、アプリケーションのインストール、さらには監視設定まで、“仮想マシンを業務で利用するまでに必要な一連の処理・手順”を自動化できるのだという。

 「つまり、リソースの一元管理と、運用管理負荷の低減、スピーディなビジネス展開を全て実現しているのです。あくまで言葉の定義の問題ですが、弊社ではこうした機能をIaaSとして提供しています」(山崎氏)

 加えて、仮想マシン上に構築した業務システムも含め、クラウドシステム全体を統合監視するモニタリング機能、障害監視機能、性能管理機能も搭載。パッチ適用といった各種運用管理機能も搭載し、システムの高可用性を確実に担保できる点も特長としている。

図1 WebSAMでインフラ管理、セルフサービスポータルを実現(クリックで拡大)

 一方、「WebSAM Cloud Manager for IaaS」は、「セルフサービスポータル」を実現する。具体的には、ユーザーが希望するリソースのスペックをポータル上で指定すると、WebSAM vDC Automationに取得リクエストを自動送信。リソースの取得に成功すると、ユーザーにそのリソースのIPアドレスやアカウント情報などを通知し、必要なインフラをスピーディに入手可能としている。仮想マシンの起動/停止/スナップショット/リストアといった各種操作機能やITリソースの稼働状況参照機能も搭載し、ユーザー自身でも仮想マシンを管理可能としている点もポイントだ。

 またWebSAM Cloud Manager for IaaSはサービスカタログ管理機能も搭載している。

 「例えば、過去に稼働実績があるシステムの構成をサービスカタログにサービスとして登録しておけば、後に似たような業務要件が生じた際、ユーザーはカタログの中から必要なサービスを選んでインフラを迅速に入手し、即座に業務をスタートすることができます。さらに、各サービスに対する価格(利用部門への配賦額)とサービスレベルを定義することも可能なため、社内手続きも含めて大幅な効率化が狙えるのです」(山崎氏)

 さらに、WebSAM vDC AutomationとWebSAM Cloud Manager for IaaSはプライベートクラウド化の重要なポイントの1つである「業務運用」においても効果を発揮する。両製品をシームレスに連携させることで、日本固有の組織形態や責任権限を考慮した運用が可能になるのだ。

 「一般的なIaaSの場合は、インフラ管理と業務運用は独立しています。そのため、各業務部門がそれぞれで業務運用のために必要な機能を備えなければなりません。そこで弊社ではインフラ管理側で業務の監視機能を提供しセルフサービスポータルから利用できるようにすることで、業務運用を効率化できるようにしています」(山崎氏)

図2 WebSAMでは業務運用に必要なOSや仮想マシンに対する管理機能をポータルから利用できる(クリックで拡大)

自社や顧客企業のクラウド構築・運用で得たノウハウを
凝縮した数々の機能で、基幹系システムの本格運用をサポート

 山崎氏は以上の両製品について、「クラウドというと、システムの安定稼働に対する懸念から、一部の情報系システムにしか適用しづらいと考えられがちですが、WebSAM vDC AutomationとWebSAM Cloud Manager for IaaSは、ミッションクリティカルな基幹系システムの稼働にも十分耐え得ることを目指して開発した点が大きな特長です」と語る。

「両製品の機能は、弊社自身のプライベートクラウド構築・運用経験の中で得られた約300のユースケースを基に抽出・実装したもの。WebSAMが実現する実践的な運用には自信があります」と語る山崎氏

 その根拠と言えるのが、NEC自身も自社のシステム基盤をプライベートクラウド上に構築し、基幹系システムも含めてクラウド上で運用しているという事実だ。情報系・基幹系システムの機能をサービスとしてグループ企業にも提供しているほか、顧客企業のプライベートクラウド化プロジェクトもすでに多数手掛けている。両製品は、そうした豊富な経験を基に開発したものなのである。

 「両製品は、“基幹系システム用クラウドインフラ”を実現するために、弊社が蓄積してきたプライベートクラウド構築・運用のノウハウがぎっしりと凝縮された製品です。WebSAMが実現する実践的な運用には自信があります」(山崎氏)

 そのメリットは十分に認識していながら、多くの企業にとって、いまだ踏み切りにくいテーマであるプライベートクラウド。だが、WebSAM vDC AutomationとWebSAM Cloud Manager for IaaSの詳細を知れば、数々の“不安や懸念”も一気に解消できるのではないだろうか。

関連リンク
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提供:日本電気株式会社
アイティメディア営業企画
制作:@IT情報マネジメント編集部
掲載内容有効期限:2012年3月27日