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REAL IT PLATFORMを支える2社の技術協業
Itanium 2プロセッサ搭載
エンタープライズサーバを中心とした


NEC×オラクル
ミッションクリティカルへの挑戦

 NECが7月19日に発表した新たなビジョン「REAL IT PLATFORM」。現実解と真の次世代IT基盤という2つの「リアル」の実現をその中核としている。

 新ビジョンの骨子となっているのは、先進的な仮想化技術による「柔軟性」の実現、高信頼性技術による「安心」の提供、さらに統合化技術とシンプルな運用技術によってシステムの構築、運用、維持管理作業を容易とする「快適」の追求、の3つだ。

NX7700iシリーズ

 企業や組織の活動にITの果たす役割は拡大の一途をたどっている。それは同時にITが経済活動の基盤としてますます頼られるようになってきたことを意味する。電気や水のように当たり前のように使えなければならず、それに莫大なコストがかかってはならない。

 さらに、ITは企業経営にますます求められる俊敏性や柔軟性を損なうことなく、安定して利用できなければならず、そのために求められる製品機能の向上が技術の複雑化を招いたとしても、これをシンプルに運用できなければならない。

 新ビジョンの発表により、NECはこれまでメインフレームやスパコンの開発で培ってきた高信頼・高性能技術、そしてオープン技術をベースとした各種ミッションクリティカル・システムの構築ノウハウを結集し、ハードウェアベンダとして、ソフトウェアベンダとして、さらにSIベンダとして、こうしたユーザーの期待に最大限に応えていくことが自社のビジネスの源泉だと宣言したことになる。

 では具体的にはNECとして何を提供できるのか。すでに「リアル」な答えを出しつつある実例を、データベース関連に見ることができる。

 データベースはITシステムにおける要ともいえる重要な要素。NECはこれまでもオラクルのデータベース製品を自社のハードウェアやソフトウェアと組み合わせ、数々のミッションクリティカルな大規模システムの構築を手掛けてきた。

 NECは9月20日、日本オラクルと共同で、NECのプラットフォーム統合管理ソフトである「SigmaSystemCenter」と、オラクルのデータベース運用管理ソフト「Oracle Enterprise Manager」の連携により、OSからデータベースまでの一貫したプロビジョニング(ITリソースの動的再配置)を実現したと発表した。そして、この機能を可能にする「SigmaSystemCenter Oracle RAC連携モジュール」「Oracle Enterprise Manager 10g Grid Control Management Connector for NEC Management Products」の販売に向けた活動を同日開始した。

 これによって、運用管理者はハードウェア、OS、データベースなどの各コンポーネントを意識せず、負荷状況に応じたデータベースリソースとアプリケーションリソースの動的な割り当てや、サーバ障害時における代替ノードへの迅速な切り替えを容易に行うことが可能になる。

 現在のところ、プロビジョニング機能連携の対象はプラットフォーム統合管理ソフトとデータベース運用管理ソフト間に限定されているものの、今後は運用統合管理ソフト「WebSAM」も連携させることにより、自律コンピューティングの進展を目指していくという。

 この、データベースシステムの運用作業を簡素化するプロビジョニング機能の連携は、REAL IT PLATFORMの3本柱のうち「柔軟」および「快適」の実現に向けた取り組みだ。

 オラクルのデータベース関連ではもう1つ、「安心」を目指した取り組みも実を結びつつある。後述するが、オラクルのクラスタリング製品を用いて、ケースにもよるが最短で数秒単位という高速なフェイルオーバ(コンピュータノードの切替)を実現する目途が立ったという。

  共同作業の生み出す現実解

 上記の2つはどちらも、NECが米国オラクルと2005年秋に開始した「Strategic Technology Alliance」(STA)の成果だ。

NEC 第一システムソフトウェア事業部(Oracleグループ)兼ITPF販売促進本部ソフトウェア販売促進統括部 シニアマネージャー
森山 由紀

 このアライアンスについて、「これまでの1年間で、『REAL IT PLATFORM』というビジョンを支えられる形にまで達したと思う」と森山由紀(NEC 第一システムソフトウェア事業部(Oracleグループ)兼ITPF販売促進本部ソフトウェア販売促進統括部シニアマネージャー)は話す。

 STAは、Itaniumプロセッサを搭載したエンタープライズサーバ「NX7700iシリーズ」のような大型サーバを基幹データベースサーバとして活用する、大規模でミッションクリティカルなシステム環境の構築や運用を支援することを目的の1つとした協業関係だ。

 具体的なテーマを持つ複数のプロジェクトを設置、NECと米国オラクルはプロジェクトごとに社内の専門エンジニアを割り当て、さらにNEC側の要員は米国オラクルに常駐し、米国オラクルの製品開発部門のメンバーとともに共同検証や課題解決方法の検討を行っている。両社にはさらに全プロジェクトにわたるマネジメントを担当するスタッフがいる。STAにおいて森山は、NEC側のマネジメント役を務めている。

 STAの目的は、NECがミッションクリティカルなシステムのインテグレーションを行う際に、オラクル製品を自社の提供するそのほかの製品と最適な形で組み合わせられるようにすること、そしてこれをタイムリーに提供できるようにすることだ。

 NECは従来より、オラクルの新製品についてはベータテスト段階で機能検証を実施している。しかし、これとは別に、SIを行う観点からの検証を欠かすことができず、これは製造工程へのリリース(RTM)後に行われる。すると顧客に対し、検証済みのものとして提供できるまでにどうしても3〜6カ月のタイムラグが生じてしまう。

 また、これまで、この時点での検証で発見された課題において、仕様上でNECの求めるものとのギャップがあった場合、即座に改善してSI案件に適用することは困難であった。これではせっかくの新機能もタイムリーに生かせなくなってしまう可能性があった。

  「SIにおける適用開始をできるだけ早くするには、NDA(守秘義務契約)のもとに、オラクルの開発プロセスの中に入らなければならなかった」と森山は振り返る。

  クラスタリングのチューニングを極める

 STAにおけるSI観点でのプラットフォーム強化プロジェクトで、最初の具体的なテーマとなったのは、高速フェイルオーバの実現だった。

 NECはオープンシステムにおけるミッションクリティカルな案件において、HP-UXをOSに搭載したItanium2プロセッササーバ「NX7700iシリーズ」を中心に展開してきた。可用性を確保する方法としてはHP-UXのクラスタリングソリューションである「HP Serviceguard」を推奨している。しかし顧客のニーズはさまざまで、これだけでは対応できない場合も出てきている。

 一方、オラクルは、「Oracle Clusterware」による「Oracle Real Application Clusters」(RAC)のクラスタリングソリューションの強化を進めてきた。そこで、これを使ってどこまでの可用性ニーズに応えることができるかを検証するとともに、最適な機能実装のありかたや設定・チューニングの仕方を見出すために、企画を含むオラクルとの共同作業が約1年前から行われてきた。

NEC 第一システムソフトウェア事業部(Oracleグループ) エンジニアリングマネージャー
飯田 健太郎

 「ソフトウェアベンダは、個々の顧客に対するカスタマイズ製品ではビジネスが成立しないので、どうしても多数の顧客にとっての共通項に注力して製品をつくる。オラクルも例外ではない。一方、最近は企業を取り巻く環境が急激に変化しており、システムに求められる要件はますます高度になってきている。RACのクラスタリングは、こうした要求に応えられる優れた技術・製品であるが、製品としてどこまでのレベルに達しているのか、残りはSEの努力でカバーできるのか、という問題意識はあった。カバーできない部分は、開発チームの中に入って直してもらわなければならないと考えていた」と、STAで高速フェイルオーバの実現に取り組んだ飯田健太郎(NEC 第一システムソフトウェア事業部(Oracleグループ)エンジニアリングマネージャー)は説明する。

 飯田の主な日常業務は、金融業や通信業などの顧客に対応する同社のSE部隊に対して、RACをはじめとするOracle Databaseに関する技術的な支援を提供することだ。

 飯田らは、最初に約2カ月をかけて、どういうアーキテクチャが最善なのかを米国オラクルの開発者(RACチーム)と議論し、構成を決定して各種のシナリオを作成し、その後チューニングを行いながらそれぞれのシナリオについて検証を行った。その過程では、NECが現場におけるノウハウを持ち込み、オラクルはファンクションレベルの解析や米国企業のベストプラクティスを示すなどして、NECが考える最も安全で高速な方法を開発した。

NECとオラクルによる高速フェイルオーバ検証環境(クリックすると拡大表示します)

 検証されたクラスタリング構成では、アプリケーションを切り替え先にあらかじめ接続しておき、サーバの障害をクライアントに能動的に通知する、などの工夫が盛り込まれている。発生した障害の性質によっては、「Oracle Database」のインスタンスを強制的に終了するなどの措置も必要となるが、そういった措置に伴う関連動作に時間がかかるというトレードオフも発生した。復旧時間を少しでも短縮するには、各種パラメータのチューニングも欠かせない。このような両社協業の結果、最短のケースでは数秒でトランザクションを再開できるという結果が得られたという。

 NECは、高速フェイルオーバの実現に関する今回の活動結果を整理し、SIの現場で活用していくつもりであるという。一方、オラクルも今回の活動成果を製品に適宜反映させていくことになるだろうという。

 STAの活動はこれで終わったわけではない。Oracle Enterprise ManagerとSigmaSystemCenterの連携については一区切りがついたが、WebSAMとの連携については今後も開発作業が進められる。高速フェイルオーバの実現についても一定の成果が得られたが、「SI観点のプラットフォーム強化」については今後も必要なテーマで2社の共同活動を進めていきたいとしている。

 そして2社によるこのアライアンスは、エンタープライズサーバ「NX7700iシリーズ」を中心とした大規模基幹IT基盤における「柔軟性」「安心」「快適」を具体的に提示するため、ますます重要な役割を果たしていくことになる。


提供:日本電気株式会社
企画/制作:アイティメディア 営業局
掲載内容有効期限:2006年11月6日
 
関連リンク
NECホームページ

REAL IT PLATFORM紹介ページ

NECのオラクル紹介ページ

NX7700i紹介ページ



 
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