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@IT[FYI] 企画:アットマーク・アイティ 営業企画局
制作:アットマーク・アイティ 編集局

掲載内容有効期限2003年7月31日

 
ノベルの新戦略「one Net」を支える最先端技術(1)

投資対効果を最大限に引き出すone Net戦略

 

 

 

 ERPなど基幹系システムの導入から大規模データベース、CRM(Customer Relationship Management)、SCM(Supply Chain Management)への対応、クライアント/サーバシステムからWebシステムへの移行など、企業活動において、ITシステムの重要性はますます増大している。企業がITシステムに期待するのは、主に業務の効率化とコストダウン、そして激変するビジネス環境に迅速に対応することだろう。ERPの導入で、業務の効率化が行われ、煩雑な基幹系業務の一元管理が徹底されるようになった。SCMの活用は物流の効率化、在庫の圧縮を実現し、コストダウンという成果を生み出した。CRMは、顧客満足度の向上と、市場の変化に機敏に対応できる新たなマーケティング手段を企業側にもたらした。

 企業のビジネスに大きな役割を果たしているITだが、グローバリゼーションの拡大、キャッシュフロー経営のトレンド、国際会計基準への対応、M&Aなど、国内企業を取り巻く経営環境がITに与えるインパクトもますます厳しいものになっている。そんな激しい競争環境の中で、既存のITシステムは今後も十分な働きができるのだろうか? 多くの企業経営者やCIOは「No」というだろう。ではどこに問題があり、何を改善すればレガシーなITシステムの再生を実現することができるのだろうか。


◇企業の情報システムに求められていること

ノベル マーケティング本部 副本部長 伊藤由規氏

 「多くの企業に共通するITシステムの問題は、部署ごとに異なるポリシーでシステム導入を行ったために、異なる部署間でのシステムやデータの互換性が必ずしも実現されていない点にある」とノベルのマーケティング本部 副本部長 伊藤由規氏は指摘する。例えば、ある営業スタッフは、カスタマ・サポートに集まるクレーム情報や商品改善のための情報を参照できない、有益な情報が隣の部署にあっても、システムが異なるために業務に生かすことができない、などの不都合を強いられるという。

 「ビジネスに対する迅速性の要求も高くなってきている」と伊藤氏は指摘する。企業が経営形態を変化させるのに合わせて、ITシステムも素早く、柔軟に姿を変える必要がある。企業が新規分野への参入を検討しても、ITシステムを対応させるにはさらに半年以上かかる、では変化の激しい市場の中で勝ち残ることはできない。また、どれほど高機能なITシステムでも情報システム部の一部のスタッフしか使えないような特殊なツールでは意味がない。ITシステムは、企業のすべてのスタッフがインターネットのWebブラウザを使うように簡単に作業できないと本当の意味での活用にはならないのだ(図1)。

図1 ノベルが考える企業におけるITのあるべき役割

◇ノベルが打ち出した「one Net」戦略とは

 「最も要求が厳しいのはITシステムに対する投資対効果(ROI)を明らかにすることだ」と伊藤氏はいう。導入したITシステムが当初の予想どおり、的確な効果を上げているか。そのTCOをチェックする方針はより厳しくなっている。IT投資を抑制する企業も多く、新ビジネスを始める場合でも、新規にITシステムを導入するのではなく、既存のITシステムを活用することから考える企業が多い。ITシステムに関する上記の問題を解決する場合でも、すべてを新しいシステムに置き換えるのではなく、既存のシステムを生かすことが求められているのである。これはハードウェアやソフトウェア、ソリューションなどすべてのITシステムに共通する考えだ。

 ノベルが打ち出した新戦略「one Net」は、分散した既存システムを柔軟に連携させITに対するROIを最大化するソリューションだ。「one Netとはインターネット、イントラネット、エクストラネットという隔絶したネットワーク環境の境界を取り払うソリューション技術」と伊藤氏は説明する。テクノロジ中心の発想から顧客の視点を中心に高品質なソリューションを提供するのが特徴で、高いITの投資対効果と現資産の活用を実現する。one Netは、アイデンティティ管理技術、セキュリティ技術、プロビジョニング技術、そしてオープン環境でのデータ連携を可能にする基盤技術Webサービスで構成される。

図2 one Netのビジネスソリューション

 one Netは、具体的には4つのソリューションからなる(図2)。すなわち、アイデンティティ管理を実現して、システム連携を可能にする「Nsure」、さまざまなデバイスでシステムへのアクセスを可能にするクロスプラットフォームサービスの「Nterprise」、システムを有機的に接続する「exteNd」、one Netの機能が最大限生かされるよう、顧客の視点で企業のコンサルティング、テクニカルサポートを行う「Ngage」だ。

◇one Netの核心はアイデンティティ管理技術

 適切な情報が、適切な人に届けられるという状況を実現するシステムの連携でポイントなるのはどのような点だろうか。one Netのアイデンティティ管理技術に注目してみる。

 システム間のスムーズな連携で情報を共有する場合、あるスタッフが所属部署以外の情報を閲覧するためには、社内で統一された一定のルールを定める必要があるだろう。現場レベルのスタッフが経営者用の情報を閲覧できてしまうのは適切ではない。逆に経営者が現場レベルの日々の情報を閲覧できないのもシステム連携の意味をなさない。「企業のITシステムが日々蓄積する情報を適切なタイミングで、適切なスタッフに提供できるようにするのがone Netのアイデンティティ管理技術」(伊藤氏)だ。従業員数万人以上の大規模企業では、当然数万にも及ぶIDやパスワードを適切に管理し、アプリケーションの適切な使用状況を管理し、さらに部門あるいは個別のスタッフに適切な情報を提供することが重要である。IDの数が多くなると、管理が行き届かないIDや、退社したにもかかわらず忘れられて残ったままになっているIDが出ることにもなる。これは企業システムのセキュリティ上の問題になる危険がある。one Netのソリューションを導入することで企業システムの安全性を高め、アイデンティティ管理を向上させることができるのだ。

 one Netを構成する4つのソリューションのうち、中心となるのは、情報システムを連携する場合に重要になるセキュリティ技術を扱い、アイデンティティ関連技術を備えるNsureの製品群だ。Nsureの製品群は社内の担当や肩書きによって情報アクセスのためのルールを作成し、企業内の情報の流れを適切に管理することができる。Nterprise、exteNdにもそれぞれアプリケーションがあり、企業のITシステムを連携させて、ROIを向上させる。4つのソリューションを組み合わせることで効果は最大化する。

◇販売チャネルを大幅改革して顧客視点に転換

 one Netのソリューション提供に合わせて、ノベルは販売戦略および販売チャネルの大幅な改革を断行した。one Netは、顧客が何を求めているかというニーズを最優先する。つまり、製品ありきの戦略ではなく、コンサルティングを重視し、企業の経営全体を支援するのがポイントとなる。ノベルにとって、顧客とは、製品を販売するだけの一時的な“カスタマ”から、永続的に経営をサポートすべき“クライアント”へと変化し、ノベルはその“クライアント”からそれ相応の関わり方が求められる存在となる。顧客最優先の戦略を実行するためには、ほかのベンダとのパートナーシップも強化し、サポート範囲を拡大することで、最適なソリューションを企業に提供する必要がある。ノベルは4つのソリューションごとにパートナープログラムを作成、直販に加え、コンサルティング・パートナーやシステム・インテグレータ、販売代理店など、複数のチャネルを活用して、顧客企業それぞれにとってのベストなソリューションを提供する体制を整えた(図3)。

図3 ノベルの製品・ソリューションの提供概念図

 企業はone Netに対応するソリューションを導入することで、ITシステムを最適化し、ビジネスプロセスの効率化やTCOの削減の実現を目指す。技術優先ではなく、端的に言えば「もうかるソリューション」の実現である。one Netがそれを可能にする。第2回では、one Netの具体的なソリューション群を、技術的な観点から解説していくことにしよう。

(2) XMLで実現するノベルのシングルサインオン技術を詳細分析
(3) ノベル「exteNd」、開発者重視のWebサービスを実現

【本掲載内容に関するお問い合わせ先】
ノベルインフォメーションセンター
TEL:03-5740-4343/Fax:03-5740-4344

 
関連リンク

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ノベル株式会社

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