4月26日、27日に東京プリンスホテルパークタワーにおいて情報セキュリティイベント「第5回 RSA Conference 2006 Japan」が開催される。「暗号」「承認」「ネットワークへの脅威」を切り口に最新の業界動向が議論されるほか、個人情報保護法対策として導入されたソリューションの評価が行われる。
去年に引き続き、今年もNTTグループ8社(NTT、NTTドコモ、NTTデータ、NTTコムウェア、NTTエレクトロニクス、NTTアドバンステクノロジ、NTTソフトウェア、NTTアイティ)が出展する。2005年11月に発表された「NTTグループ中期経営戦略の推進について」にうたわれた“安心・安全なブロードバンドユビキタスサービス”に向けて、NTTグループ各社の取り組みが講演や展示によって紹介される。
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今回のNTTグループ展示ブースは4つのコーナーに色分けされた。
「ネットワークセキュリティコーナー」では、ビジネスユーザー向けの携帯電話をよりセキュアなリモート端末として利用するためのソリューションや、フィッシング詐欺対策、Webアプリケーションの脆弱性対策などが紹介される。
「Camellia暗号製品コーナー」では、NTTが開発した国際標準暗号「Camellia(カメリア)」を採用した暗号応用製品や、今後の方向性についての展示が行われる。 2005年には、ISO/IEC国際標準暗号に選定されたのに加え、インターネット標準化団体であるIETFでも標準暗号として承認されたこともあり、今後、さまざまな暗号シーンでCamelliaの採用が増えそうだ。
「日本版SOX法対応製品コーナー」では、電子文書を安全に保管・流通させるためのプラットフォームや、アカウント統合ソリューションが紹介される。コンプライアンスや内部統制というキーワードは今後のセキュリティトピックの1つになるだろう。
「情報漏えい対策ソリューションコーナー」では、Linux OSベースのUSBシンクライアントや、PKIに対応した指紋認証USBトークン、内部情報漏えい対策サービス、USBデバイスを利用したASP型VPN製品などが展示される。個人情報保護法の施行を受け、多くの企業で必要に迫られた情報漏えい対策をさまざまな切り口で展開できるのはNTTグループの強みの1つだろう。
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いよいよ動き出すNTTの次世代ネットワーク構想 |
NTTグループの次世代ネットワーク(NGN)構想は、固定系通信と移動系通信をIPベースのネットワークへと統合していくものだ。固定系の基盤となるのは3000万ユーザーの利用を目指す光サービスであり、移動系の基盤となるのは新たな通信方式であるHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)やスーパー3Gサービスである。
2005年11月には具体的なサービス展開とロードマップが発表された。ロードマップによれば、2006年下期から中継系の構築とともにフィールドトライアルが開始される。トライアルの対象として挙げられているものには、高品質な動画のIPマルチキャストや動的制御による品質制御、FMC(Fixed Mobile Convergence)などのほかに、安心・安全・便利なサービスを実現する不正アクセス防止などのセキュリティ機能も入っている。
このようなNGN構想に対して、NTTグループはどのように取り組むのだろうか。NTTグループが持つリソースの活用は中期経営戦略の1つの柱として掲げられている。そこには、グループ企業各社の特色を打ち出した新しい製品や技術の開発もあるだろうし、既存の製品を持ち寄って1つの大きな構想を実現することもあると予想される。
NGN構想や中期経営戦略の全貌は、今年の年末から開始されるトライアルの中で徐々に明らかになっていくであろう。
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安全な企業活動の実現に向けて |
NTTが企業向けのサービスとして計画しているものの中に「ストレージ・セントリック」という枠組みがある。個人情報や営業情報、設計データなどの機密情報と業務アプリケーションをデータセンターに集約し、ユーザーはシンクライアントやネットワークブート型のディスクレス端末からアクセスするという構想(デスクトップデータセンター)だ。
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ストレージ・セントリック構想(画像をクリックすると拡大します) |
デスクトップデータセンターの目標には、情報漏えい対策だけでなくソフトウェア資産の一元管理も含まれる。日本版SOX法の施行も見えており、これが実現すれば、従業員のコンプライアンスの実現やコストの効率化に役立つことだろう。また、データセンターは大容量回線上に広域IP-SAN(Internet Protocol Storage Area Network)を構築し、データの統合管理やバックアップ、災害時のビジネスコンティニュイティを高める。
ストレージ・セントリックもNGNのフィールドトライアルに含まれる可能性があるが、NTTでは、実現できるところからサービスを開始したいと考えている。例えば、今回、展示される商品の中にもストレージ・セントリックの一翼を担えるものがいくつか散見できる。
NTTコムウェアが提唱するLinux OSベースの既存PCを利用したシンクライアント端末がデスクトップデータセンターのクライアントとして活用できるだろう。また、ユーザーのアカウント管理にはNTTソフトウェアのアカウント統合ソリューションが使えそうだ。さらに、暗号化が必要になってくる部分についてはCamelliaが積極的に採用されていくだろう。
本サイトに記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。
提供:NTTグループ
企画:アイティメディア
営業局
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2006年4月25日 |