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りそなグループのビジネス生命線を支える
ネットワーク戦略とは?

事業の継続を揺るぎないものとし、企業の社会的信頼を守るためにシステムの礎となるネットワークを強くするという新しい設計思想。そんな先進的な設計思想を最大限に実現する新世代専用サービス「ギガストリーム」は、企業の厳しい要求に応えるネットワークサービスである。 今回は、情報の力をより集結させ、厳しい競争を勝ち抜こうとするりそなグループのケースをお伝えしよう。

   絶対に止めてはならない領域に
 専用サービスを選択した、りそなグループ

 現代の企業にとって、情報システムは経営上必要不可欠な要素となっている。万一、情報システムに不測の事態が起き、事業が継続できない状態になると、対策・復旧コストや売上げ機会の喪失といった目に見える形での金銭的な損失が発生する。また、ブランドや信用といった無形の財産にもダメージを受け、企業価値を下げる結果となるとともに、顧客や取引先を始めとした関係者にも多大な迷惑をかけることになる。

 事業を止めるということは、信用失墜という形でボディーブローのように企業の体力を奪い取っていく。事業を営むに当って「絶対に止めてはならない領域」というものをシステム的にどのように守り抜くかを考えておく必要があるだろう。

 事業の継続を揺るぎないものとし、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)を守るためにシステムの礎となるネットワークを強くするという新しい設計思想。新世代専用サービス「ギガストリーム」はそんな先進的な企業の要求に応えるネットワークサービスである。ギガストリームの実力の詳細は、「進化した専用線を活用するという一歩先行くネットワーク戦略」で紹介したとおりだ。

 一歩先行くネットワーク戦略で事業継続を揺るぎないものとした具体的な例として、「日本経済新聞社が守るべき領域を専用線に託す理由」で日本経済新聞社のネットワーク戦略事例をレポートした。今回、専用サービスをベースに情報の力をより集結させ、厳しい競争を勝ち抜こうとするりそなグループのケースをお伝えしよう。

   合併前のネットワークを根本から見直し
 次世代の業務基盤を構築

 「合併でシステムを統合するだけでも大仕事なのに、今度はネットワークの問題か……」。

 りそなグループが決断を迫られていたのは、旧大和銀行と旧あさひ銀行から引き継いだネットワークの統合という大きな課題。旧来のネットワークは個別に運用されており、ネットワークのポリシーが異なる上、帯域が不足し、新しいアプリケーションに耐えられないという問題に直面していた。

写真1 りそなホールディングス執行役田中卓氏

 りそなホールディングス執行役の田中卓氏は、次のように語る。「次世代を見越した顧客サービスを提供するために、今できる最善のことを考えた。キーワードは『営業店のブロードバンド化』。すなわち広帯域なネットワークで、窓口を情報サポートすること。銀行間の競争が激化するなか、顧客の心をつかむためには、情報システムがさまざまな情報を迅速に提供し、顧客と接する社員を強力にバックアップすることが必須となる。例えば当社では、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)システムやTV相談システムを導入することで、営業店をサポートするとともに、顧客満足の向上を図る計画が進んでいる。その実現のためには、広帯域かつコスト・パフォーマンスに優れたネットワークが、どうしても必要だった」。

 さらにセキュリティ面の配慮もあった。「金融機関に対するセキュリティ対策の要請は従来にも増して厳しいものになってきている。新たなネットワークの構築に際しては、こうした要請にきちんと応えうるものにする必要があった」。(田中氏)

   NTTコミュニケーションズの専用線が
 りそなグループに最適解を提供した

 「既存ネットワークの10倍以上の帯域を実現する一方で、ランニングコストも大幅に削減することが目標だった」(りそなホールディングスシステム部グループリーダー 白鳥哲也氏)。帯域、コスト、品質、などの観点から、各種のネットワークサービスを比較検討した結果は、「ギガストリーム」の選択だった。それは長い間企業通信ネットワークの中核を担ってきた専用線技術をベースに、広帯域化、コストの低廉化という企業の要請に応えるために創り出されたNTTコミュニケーションズの新世代専用サービスである。

 NTTコミュニケーションズの提案したプランは、ギガストリームを軸とし、最高水準の信頼性を保持しつつ広帯域かつ経済的なネットワークの構築を実現した、非常に先進的なものだ。これまでの専用線ではできなかったネットワークの構成をみてみよう。

図1 全国450拠点のりそな営業店を支えるギガストリーム
NTTコミュニケーションズは、(1)万一の事態に備え複数カ所に設置したNTT Comデータセンター、(2)複数のNTT Comデータセンターと各営業店を結ぶ冗長化構成、(3)最高の信頼性を提供するバックボーンネットワーク向けの「スーパーギガストリーム」など、独自の工夫により、りそなグループの要求に応えた

 りそなグループのデータセンターと営業店は、NTTコミュニケーションズのネットワーク内に設置されるネットワークハブセンター経由で結ばれている。ネットワークハブセンターは、万一の事態に備えて数拠点設けられ、1 つの営業店からみると必ず複数のネットワークハブセンターにつながる構成を実現。万が一、片側の回線に不具合が発生しても他の回線がバックアップする仕組みだ。この構成をとることにより、今後増えると予想される営業店間の通信については、いちいちデータセンターを経由せずに直接つなぐことが可能となる。さらに、りそなグループの複数のデータセンターとHUB 機能を持つNTT Comデータセンター間を結ぶバックボーン部分には、大容量伝送装置を用い、大容量かつエンド・ツー・エンド無瞬断という非常に高い信頼性を持つネットワークを実現。完全異経路の光ファイバー網で二重化し、伝送装置も完全分散することで、エラーフリーな通信環境「スーパーギガストリーム」を提供する。

 このように『営業店側』と『データセンター側』を区別し、データセンター側を『信頼性最重要領域』とするネットワーク構成をとることにより、高信頼性と低コストの両立を可能としている。

   一歩先を行くネットワーク思想。
 ギガストリームにしか任せられない領域がある

 IP-VPN や広域イーサネットなどのサービスが普及する中、「専用線は旧いサービス」というイメージがあった。しかし、専用線の高い信頼性、セキュリティを保ちながらコスト効果の優れた新世代の専用サービス、ギガストリームの登場により、そのイメージは大きく変わる。

写真2 りそなホールディングスシステム部グループリーダー 白鳥哲也氏

 事実、ビジネスにおけるセキュリティの重要性が増してきたこともあり、専用線に回帰する動きが出てきている。装置や設備を占有する専用線の信頼性、セキュリティが高いことは折り紙付きだ。ビジネスや企業の存亡を左右する最重要の情報拠点については、「やはり専用線ベースのサービスを検討するべきだ」という経営的な判断の結果である。「当社では、端末エンド・ツー・エンドでの暗号化といったソフト面での対応に加え、電磁漏洩の心配のない光ファイバーの使用や、設備の物理的専有といった部分まで、さまざまな観点でセキュリティの確保に努めている」(白鳥氏)。

   他に類を見ない
 スムーズなネットワーク統合を実現

 これまでのネットワークは、それぞれ異なるポリシーで設計された2つの系統が存在していた。それだけに、統合ネットワークへの移行は注意深く進めなければならない。りそなグループは、統合ネットワークの構築・移行に関するプロジェクトを結成。りそなグループのシステム・アウトソーサーであるNTTデータを統括SIerとし、もう一方のアウトソーサーである日本IBM、及びNTTコミュニケーションズにプロジェクトへの参画を要請した。

 システム統合が完了したのが、2005年9月。その後、次期ネットワークに移行していき、2006年の3月には営業店ネットワークの構築が終了する予定である。

 「NTTコミュニケーションズには、提案時から誠意ある対応をしてもらっている。現在、400を超える営業店のネットワークを半年間で切り替えるという短期間での移行の真っ最中であるが、スムーズなネットワーク統合が実現すると期待している」(白鳥氏)。

   止まってからでは遅い。
 ネットワーク戦略が企業の命運を左右する

 経営危機を乗り切り、公的資金の返済もはじめるなど業績向上に転じたりそなグループは、「守り」から「攻め」への転換点を迎えている。「当社は社員一丸となって苦しい時期を乗り切り、業績も上向きつつある。従来、続けてきたさまざまな経費節減・効率化努力に加え、これからはシステム統合、ネットワーク統合による合理化効果も期待できる。その結果、新たな店舗戦略の展開や新商品の投入など今までにない挑戦を始めることができ、ご好評をいただいている。これからは新たに整備されたシステムと広帯域ネットワークの基盤を存分に活用し、より顧客ニーズに応える新たなサービスを展開していきたい」(田中氏)。

 情報の力をより魅力的なサービスに結びつけ、競争を勝ち抜こうとする、りそなグループ。その挑戦を、NTTコミュニケーションズのネットワークが支えている。



コラム:事業継続を死守するためのマネジメント
「BCM」としての専用線      

 リスク管理こそが現代の企業として大切な使命

 企業不祥事や不慮の災害などの際、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)という言葉が数多く取り上げられた。企業が事業を継続することで、そのステークホルダー(消費者、取引先、地域社会、株主、従業員などの利害関係者)への責任を果たすことが、結果的に企業の価値を高めるという考え方だ。これを受けて、企業には社会的責任があり自社の社会的義務を把握した上で本業を全うすることこそが、現代の企業として大切な使命の1つであると考える経営者が確実に増えている。

 そのような背景があって、CSRに取り組むための実践的なマネジメント手法として、BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)がある。BCMは、社内外の至る所に潜む事業継続を阻害する恐れのあるリスクを分析、そして、それによりもたらされる影響を把握し復旧計画や対策等を講じるための手順や方法を示したものである。そこでは、人的、物理的、装置的といった、あらゆるレイヤにおいてリスクを管理することが求められているが、重要な要素の1つとして「情報システムの継続」がある。

 システムトラブルによるリスク算出

 羽田空港の管制システムトラブルによる航空機の運航遅れや欠航、株式市場のシステム停止による売買不能などが記憶に新しいが、システムにトラブルが発生したことで、影響が広範囲におよび、組織としての信頼が失墜した例は枚挙にいとまがない。

 2005年11月、売買システムの全面停止を起こした証券取引所は事故後、与謝野馨経済財政・金融担当相からシステムのバックアップ体制の強化を求められた。確かに金融相の指導にあるように「バックアップをもう少し多重構造に」してあれば、修正プログラムの連絡ミスによるヒューマンエラーがあったとしてもシステムの全面停止まで至らずに済んだであろう。

 これは、システム全体を支えているネットワークにも当然言えることであり、堅牢で信頼性・対障害性に優れた情報システムの構築に取り組むことは、これからの企業にとって避けることができない。そして、システムをつなぐネットワークは血管であり、神経回路のようなものだ。そのネットワークに問題が発生すると事業の継続は危機的な状況に陥る可能性が高い。ネットワークに対するあらゆるリスクを検証し、是正措置、予防措置など、さまざまな視点からリスクを評価し、管理することがネットワークにおけるBCMといえる。

 ここでリスク評価の具体例をあげてみよう。リスクを把握し評価するための方法論として定量的測定と呼ばれるリスクの大きさを金額で表現する算出手法がある。米国の調査会社の試算では、金融機関の情報システムにトラブルが発生した場合の1時間当たりの予想ダウンタイムコストを、約7億5400万円とはじき出している。実際のリスク評価の現場では金額だけでなく独自の計算式や算出基準でリスクの度合いを評価するのだが、このように金額という形でリスクを明確化することによって、関係者間で意識を共有し事業継続の大切さが理解できるのだ。また、事業継続が困難になると、金銭面だけでなく、企業イメージ、信用、ブランドの失墜といった数値では表せない部分の損失も考えなくてはならない。これは企業価値そのものに重大な影響を及ぼしボディーブローのように企業体力を奪うことにもなりかねない。

 「情報システムの継続」のための選択

 BCMという具体的なリスク管理のマネジメント手法が注目される今、企業システムという概念に、ネットワークサービスにおけるリスク評価もその重要度を増している。情報システムの根幹ともいえるネットワークにも高い信頼性と高度なセキュリティが求められているのは当然だが、ただやみくもに高度なサービスを導入するだけでは、コストばかりが上昇してしまう。許容できるリスクとそうでないリスクの分水嶺を見極め、どの領域にどのようなバックアップ体制やネットワークサービスを導入すべきか、といった分析が必要となっているのだ。

ネットワークのBCM(事業継続管理)

 そのような現状で、その社会的責任の大きさゆえに金融機関や政府系機関では、絶対に止まってはならない領域に専用線を導入しているケースが多いのも事実だ。ポイントtoポイントで設備を専有し、完全な帯域保証やQoSが約束され、災害に備え遠隔地で情報資産を二重化するDR(ディザスタリカバリ)ネットワークの構築に適した専用線を、事業継続を第一に考えるこれら組織が積極的に導入するのも、BCM的見地から大いにうなずける話であろう。

「一歩先行くネットワーク戦略 〜 進化した専用線」 インデックスページへ


提供:NTTコミュニケーションズ株式会社
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2005年12月31日
 
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