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右肩上がりに成長する広域イーサネット。
その秘密をe-VLANから探る

スイッチングハブとイーサネットで構成されるレイヤ2ネットワーク「広域イーサネット」の市場が右肩上がりの成長を続けている。高い信頼性とセキュリティを保持したまま、構築・運用コストの削減や柔軟性に富んだネットワークを求める現代の企業がこのサービスの持つさまざまなメリットに注目しているのだ。広域イーサネットをはじめ、4つのVPNサービスを「統合VPN」ソリューションとして提供しているNTTコミュニケーションズの担当者取材を交えながら詳細に検証してみよう。

   利用者を増やし続ける広域イーサネット
NTTコミュニケーションズ・ブロードバンドIP事業部サービスクリエーション部担当部長・井樋利徳氏

 企業からのコスト削減、広帯域化、信頼性の要求が止まるところを知らないネットワークの世界。日進月歩でアプリケーションが進化するなか、企業がネットワークに求める、その潮流の向かう先は一定ではない。「一度、レイヤ3まで上がったトレンドがまたレイヤ2まで下がってきた」と、最近の傾向を示唆するのは、NTTコミュニケーションズ・ブロードバンドIP事業部サービスクリエーション部担当部長・井樋利徳氏だ。

 これは、企業が導入するネットワークサービスにおいて、レイヤ2のサービスである広域イーサネット(広域イーサ)のメリットに、企業が注目していることを意味している。

 富士キメラ総研の「2005ブロードバンドビジネス市場調査総覧」(図1)では、2007年には広域イーサの市場規模は2000億円にもなると予想されている。広域イーサはLANの延長線上にあるサービスだけに、「企業ユーザー自身が持つノウハウやアプリケーションを活かして柔軟性に富んだネットワークを低コストで構築できる」(NTTコミュニケーションズ・ブロードバンドIP事業部サービスクリエーション部担当課長・無量谷克男氏)ところが評価され始めたといえるだろう。そんな広域イーサをNTTコミュニケーションズでは「e-VLAN」というサービス名で提供している。

図1 出典:富士キメラ総研「2005ブロードバンドビジネス市場調査総覧」

   3つの観点からみた広域イーサの信頼性

 広域イーサが伸びているのは、レイヤ3からレイヤ2、つまりVPN系からの移行が進んでいるからというわけではない。専用線やフレーム・リレーといった信頼性と品質では折り紙付きのサービスからの乗り換えも確実に増えているのだ。それは、広域イーサがコストを抑えたまま、品質、信頼性、セキュリティといった点で専用線に迫るレベルに達していることを物語っている。e-VLANを例に3つの観点から検証してみよう。

図2 「網分散」
NTTコミュニケーションズでは、旧CWCネットワークを用いた複数網での網分散を行っている。「ネットワークのバックアップは、異なるキャリアを用いた方がよい」という考え方が主流となっているが、「e-VLAN」の場合、NTTコミュニケーションズ1社によるワンストップオペレーションのメリットを受けながら、キャリア分散相当の効果も狙える

 まず、1つめは多彩なバックアップ構成を構築できる点にある。企業におけるリスクマネジメントの考え方は100社あれば100通りの答えがある。コストをかければ頑強なインフラを構築することができる。しかし、多くの企業でコストダウンが至上命令のいま、その方法論は通用しない。そこで、NTTコミュニケーションズでは冗長化において、キャリア分散と同等レベル(詳細は後述)の「網分散」(図2)、「収容ビル分散」(図3)、「エッジスイッチ分散」(図4)といった多彩な分散メニューを用意し、ネットワーク機器の故障からビル故障、ひいては災害時におけるインフラ確保までを視野にいれた多段階的なメニューを提供している。企業は自社のリスクマネジトに見合ったバックアップ体制を構築することが可能なのだ。

図3 「収容ビル分散」
同一のユーザー拠点に設置された複数の回線を、異なるエッジスイッチ配置ビルに分散し、信頼性を確保

 2つめは、キャリア分散と同等レベルの経路分散をe-VLANだけで確保することができる点にある。これは、それまで別の広域イーサ事業者として存在していたクロスウェーブコミュニケーションズ(CWC)をNTTコミュニケーションズが買収したことで実現した他キャリアにないメリットだ。旧CWCの網をバックアップ用に使うことで、キャリア分散相当の機能を追及できる。ユーザー企業からすると、これによりキャリア分散相当でありながら、対応窓口や各種手続きのワンストップ化が可能になり純粋な2キャリア体制と比較して、運用・管理コストを大幅に削減することができるのだ。

図4 「エッジスイッチ分散」
同一拠点の複数回線をユーザーの指定するグループごとに、異なるエッジスイッチに収容して故障時の通信断を防止。点在する複数拠点でエッジスイッチを分散することも可能

 3つめは、e-VLANのSLA(サービス品質保証制度)は、NTTコミュニケーションズ独自の厳しいレベルを保証していることだ。「故障回復時間」、「回線稼働率」、および「網内遅延時間」という3項目の条件にSLA(サービス品質保証制度)を適用している。これら3項目で、合意したサービス基準に達しなかった場合、契約に定められた料率で料金が返還されることになる。

   「1回線ごとのSLA契約」に見るe-VLANの自信

 e-VLANのSLAのなかでも回線稼働率の“基準値の適用範囲”については注視すべきである。「回線稼働率が99.99…%」といった表記をよく見かけるであろうが、このパーセンテージの算出はキャリアによって異なっており、「お客様契約回線の1回線単位」で行う場合と、「お客様契約回線数のすべて」で行う場合の2つがある。

 例えば、ある1回線で1時間のネットワークダウンが生じた場合、1カ月にその回線の稼働率は99.8611…%となる。しかし「お客様契約回線数のすべて」の1カ月累計で稼働率を換算すれば、限りなく100%に近い99.99…%と算出されてしまう。「1回線単位の稼働率」の方がキャリアにとってより厳しい算出方法なのである。NTTコミュニケーションズでは、「1回線単位の稼働率」を採用しているが、これは同社e-VLANが品質にそれだけの自信をもっているという証しであろう。

 e-VLANの品質への自信への数値的な裏付けを参考までに紹介すると、同社の2005年9月実績の網内稼働率は「99.99999%」となっており、これは1回線あたり「1.68秒/年」しか止まっていない計算になる。稼働率は、「お客様契約回線数のすべて」でのファイブナイン(99.999%)を目指すサービス提供者が多いなか、「1回線単位の稼働率」でのセブンナイン(99.99999%)の達成は、単月での実績ではあるものの注目に値するだろう。

 さらに付け加えるなら、e-VLANの場合、回線開通時に同社が開発した専用の計測ツールで遅延やパケットロスといった数値をしっかりと計測し、ユーザー企業の確認を取ったうえで提供しているのだ。これなら導入後、思っていたほど速度が出ないと慌てることもなく、安心して導入できる。

 このような、e-VLANによってもたらされる高い信頼性や品質は、経済性を重視したうえでミッションクリティカルな事業を行う、金融機関、保険会社、官公庁、ISPといった企業や組織に広く支持されている。これは、一度e-VLANを導入した企業が他社、他サービスへの乗換をほとんど行っていないことからも伺い知れる。

 さらに、冒頭の同社・無量谷氏のコメントにもあったように、レイヤ2型サービスであるがゆえに、ネットワークを自由に構築できる柔軟性の高さも、企業がそれぞれに蓄積してきたノウハウを捨てることなく生かせるという意味で、将来にわたる信頼性確保にもつながるのだ。

   規模やコストに合わせて豊富なアクセス回線を全国に用意

 広域に事業を展開する企業では、各拠点により、規模、ロケーション、必要帯域、アプリケーション、利用頻度などで、ネットワークに要求される条件はさまざまだ。同社e-VLANは、このような多種多様な要求にもきめ細やかに対応できる体制を整えている。特に「アクセス回線の豊富さ」と「エリアカバレッジの広さ」は群を抜いている。NTTコミュニケーションズは、いうなれば「通信サービスの総合百貨店のような会社」(井樋氏)だけに、ユーザーは、多種多様なアクセス回線を選択できるのだ。

 豊富なアクセス回線が揃っていても提供エリアに制約があればその強みを生かすことができない。日本全国を広くエリアカバーしている点もe-VLANの大きな特徴である。イーサアクセス、ATM、DSL、さらに電力系も含めた多種多様なアクセス回線を選択できるため、e-VLANの提供エリアは日本全国をカバーしていることになる。「過疎地なども含め、全国にくまなく拠点を持つ官公庁系組織がNTTコミュニケーションズのe-VLANを導入している」(井樋氏)ことが、それを雄弁に物語っている。

   ゲートウェイの充実で自由度がさらにアップ

 従来、レイヤ2型である広域イーサの制限として、VoIPやVPN系サービスへのゲートウェイ(GW)メニューの少なさが指摘されていた。しかし、e-VLANでは、それらGWオプションを充実させており、レイヤ3型のVPN系サービスと比較しても遜色のないレベルまで達している。とくにモバイルGWとの連携に力を入れている点は見逃せない。NTTコミュニケーションズ独自のモバイルアクセス(NTT Comタイプ)をはじめ、FOMA、AIR EDGE、PSTNからのアクセスにも柔軟に対応しているので、スピードが要求される現在のビジネススタイルに適したシステム構築も可能なのだ。

   他のVPNサービス連携で見えざるコストを削減する
NTTコミュニケーションズ・ブロードバンドIP事業部サービスクリエーション部担当課長・無量谷克男氏

 NTTコミュニケーションズでは、ビジネスの重要度や拠点の規模に応じて4つのVPNサービスを「いいとこどり」で組み合わせる“適材適所”のネットワーク戦略「統合VPN」ソリューションを提供しているが、e-VLANがArcstar IP-VPN、Group-VPN、OCN-VPNといったその他のVPNサービスと連携できるのも大きな魅力の1つである。

 例えば、本社〜支社間の通信と、営業所〜営業所間の通信では、情報量や重要度、緊急度などの面で違いがある場合が多い。そこで、重要拠点には信頼性の高い広域イーサを、そうでないところには他のVPNサービスを組み合わせて導入するといったように、帯域や信頼性の確保とコストのバランスをとりながら、投資とパフォーマンスにメリハリを付け、その企業にとっての最適な企業ネットワークを構築している企業が増えてきている。

 複数のVPNを組み合わせた企業ネットワークだと、障害発生時にどのキャリアのVPNサービスが故障しているかの切り分けに時間がかかるといったように、ネットワークの保守・運用管理のための負担が増えてしまうのをデメリットと考える人もいるだろう。

 しかし、これらのVPNがワンストップで提供されていたらどうであろう。NTTコミュニケーションズは豊富なVPNをワンストップで提供しているため、企業のシステム関連コストの6〜7割を占めるといわれている運用コストを削減できるだけでなく、構築・保守の負荷も軽減され、TCO削減につながるのだ。導入時には、イニシャルコストや年間の通信コストばかりに目が行きがちであるが、導入時の見積もりに表れていない見えざるコスト(運用/管理コスト)が意外なウエイトを占めるため、十分に考慮する必要があるのではないだろうか。

   IPv6と親和性の高い広域イーサネット

 同社では、東京都と組んでe-VLANとIPv6を組み合わせた公共施設の遠隔監視システムの実験を行っている。これは、将来を見据えた社会基盤構築のための試験といった意味合いがあるのだが、ここでも各拠点を結ぶ基幹網にe-VLANが導入されている。実はレイヤ2のサービスである広域イーサは、IPv6と非常に親和性の高いネットワークなのだ。ネットワークにおけるセキュリティに世の中の関心が集まるっている昨今、IPv6は、従来のIPv4のように対セキュリティ・ミドルウェアを追加実装することなく極めてセキュアなインフラを構築できるという強みがある。

 次世代のネットワークを語る際に外すことのできないキーワードである「IPv6」を、シンプルな仕組みで“運ぶ”ためのインフラとして広域イーサは適任といえよう。LAN回線がそのまま遠隔地の拠点まで伸びていったのと同等の感覚で使うことのできる広域イーサだけに、信頼性、コスト、柔軟性を高い次元でバランスさせたサービスとして企業ネットワークの主流になる日は近いのかもしれない。


提供:NTTコミュニケーションズ株式会社
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2006年3月31日
 
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