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データベースを基盤に拡張を続ける
オラクルのコンテンツ管理ソリューション
Oracleデータベースというビジネスの統合基盤を武器にオラクルはコンテンツ管理やファイルサーバ統合、Webカンファレンスに進出した |
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コンテンツを統合するOracle Content Management SDK |
ブロードバンドの台頭により、インターネットの可能性は間違いなく大きく広がっている。またその可能性の広がりによって、インターネットを経由して配布されるコンテンツのニーズも多様化しつつある。例えば映像コンテンツの場合、後々の再利用を考えて、1シーンを1ファイルとして扱い、自在に編集、検索できるように保存しておきたいというニーズが存在する。
「Oracle Content Management SDK」は、これまで「Oracle internet File System」(iFS)と呼ばれていた機能を、Oracle
Database 10gのリリースに合わせてブラッシュアップして登場したもの。企業が保有するコンテンツをOracleデータベースの中に整理統合し、これを管理するアプリケーションを迅速に作成する実行環境とツールを提供する。
Oracle Content Management SDKは、コンテンツの永続性を管理するリポジトリ、アプリケーション開発に使用する100%JavaAPI、エージェントベースのバックグラウンド処理とプロトコル・アクセスを提供するサーバ、Oracle
Content Management SDKのインスタンスを管理する管理ツール、ローカル・マシンとコンテンツ・リポジトリの間でコンテンツを同期化するOracleクライアントといったコンポーネントから構成されている。
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Oracle Content Management SDKのコンポーネント構成図 (提供:オラクル) |
Oracle Content Management SDKが提供する100%JavaAPIを利用することにより、コンテンツのフォルダ管理、セキュリティとアクセス制御、コンテンツのチェックイン/チェックアウトおよびドキュメント・ロック、バージョニング、検索、拡張を前提としたメタデータの管理などが容易に行え、スクラッチから開発するのと比較し、より速く、より少ないリスクでコンテンツベースのアプリケーションを開発することが可能だ。こうした機能をOracle
Content Management SDKがサポートすることにより、開発者はアプリケーション設計に専念できるという利点もある。
一方、オラクルのコンテンツ管理テクノロジを企業情報システムで生かすべく開発されたのが、「Oracle Collaboration Suite」だ。電子メール機能、カレンダー機能など、全社や部門ベースの情報共有を目的とした種々の機能が搭載されているが、なかでも好評なのが、「Oracle
Files」と「Oracle Web Conferencing」の機能だという。
Oracle Filesは、ファイルサーバの役割を果たすものだ。これまで企業は、エンドユーザー・コンピューティングの一環で、作成したスプレッドシートファイル、プレゼンテーションファイルを社員間で共有するべく、ファイルサーバの構築を推進してきた。しかし、それがあまりにも進みすぎて、大企業などでは数百台のファイルサーバを維持管理しなければならないケースも出ていた。また、部門を越えた情報流通を実現したいが、不正アクセスなどのセキュリティが気になるといった問題もあった。
「Oracle Filesは、そうしたファイルサーバの統合ソリューションとして注目されており、実際、部門で構築していたファイルサーバ群をサーバ1台にまとめたいという大規模案件が多い。UNIXプラットフォームが実現する厳密なアクセスコントロールも大きな魅力のようだ」と、日本オラクル
マーケティング本部システム製品マーケティンググループ 担当シニアマネジャー 相場宏二氏は語っている。
日本テレコムは社内の部門ごとあったWindowsファイルサーバをOracle Filesを使って統合した。プラットフォームにはUNIXサーバを採用し、システムを止めることなくオンラインバックアップが取れる高信頼なシステムを構築。日本テレコムの社員からは特にOracle
Filesの全文検索機能が好評だという。Oracle Filesは、ファイルを格納した際にファイル中のテキストが抜き出されてインデックスを自動作成し、PDFファイルやMS
Officeファイルといったさまざまなファイルに対して、瞬時に全文検索を行うことが可能である。Webブラウザだけで操作できる点も支持を集めている。
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Oracle Web Conferencingが海外出張を減らす |
もう1つの人気機能であるOracle Web Conferencingは、離れた拠点を結んでの会議やセミナーの開催、PCのリモートメンテナンスといった場面でニーズがある。VoIP機能を備えており、ネットワーク上の相手と静止画像を共有しながら話をすることができる。帯域は30〜40Kbpsほどしか必要としないので、ネットワークを利用するほかのアプリケーションに大きな影響を及ぼすこともない。
オラクルは全世界でOracle Web Conferencingを利用した社内ミーティングを推進している。物理的な移動が減少し、業務の効率化と出張旅費の軽減に役立っているという。同社のインターネット問い合わせ窓口「Oracle
Direct」でOracle Web Conferencingを使って製品説明を行うと、製品よりもOracle Web Conferencingに興味を示す顧客企業もいるという。Oracle
Collaboration Suiteの各機能は日本オラクルが用意したデモサイトで試すことができる。
オラクルは、データベースを基盤にできることはまだまだあると、今日のニーズに合致したコンテンツ管理ソリューションの提供に力を注いでいる。
(次回は4月6日に「ASM&RACの新機能概要」を公開予定です)
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