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10gマスターへの近道、
Oracle Enterprise Manager 10gを攻略する
データベース管理に加えて豊富な機能を備えたOracle
Enterprise Manager 10g。OEM 10gを極めることがOracle 10g攻略の近道となる |
日本オラクル マーケティング本部 システム製品マーケティンググループ 担当マネージャー 山本哲也氏の話を聞いて思った。「Oracle
Database 10g」をマスターするということは、「Oracle Enterprise Manager 10g」（OEM 10g）を極めるということだ、と。データベースに関することは、インストール以外のすべての作業がOEM
10g上で行われる。このバージョンからはデータベース管理以上のことがOEM 10gの守備範囲になった。
その事実の最もたるものが、ハードウェアやOSの管理ができるようになったことである。OEM 10g上から、データベースのバージョンだけではなく、サーバマシンの製品名やOSのバージョンをチェックすることができるのだ。米オラクルはサーバベンダやネットワークベンダのいくつかと協業を進めていて、プラグインを利用することによって、さらに詳細なシステム情報をOEM
10gから取得できるようにしている。目指しているのは、商用ベースのシステム管理ツールのレベルだ。
しかし、これは別にOpenViewやTivoliを市場から追い落としたいわけではない。米オラクルの開発担当者は、メジャーなシステム管理ツールと協業可能な関係を構築すべく、各ベンダに対して積極的なアプローチを図っている。
OEM 10gの野心的な一面を紹介したが、もちろんその本分はデータベース管理である。このバージョンにおける進化の最大のポイントは、単に現状を報告するだけでなく、現実に起っている問題に対してどうアクションを起こすべきかアドバイスを出せるようになったことだ。
例えば、パフォーマンスに問題のあるトランザクションがあるとしよう。Oracle Database 10g内部の「Automatic Diagnostic
Database Monitor」が、原因がSQL文の書き方にあるのか、それとも実行計画か、表そのものかを特定し、「SQL Tuning Adviser」や「SQL
Access Adviser」などによるアドバイスをOEM 10g上で示す。管理者があれかこれかと原因を頭に思い浮かべながらあたふたと調査しなくても、解決策はもうすでにそこにあるというわけだ。
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| Oracle Enterprise Manager 10gのアドバイス機能。OEM 10gがトラブルを診断しデータベース管理者に適切なアドバイスを示す
（提供：日本オラクル） |
管理対象のOracleデータベースが複数あり、そのバージョンが8iや9iであっても、1つのOEM 10gコンソールから管理できる。この場合は統合管理サーバを1台用意し、管理したいOracleデータベースにManagement
Agentというエージェントツールを導入する。統合管理サーバに搭載するOracleのライセンス料は不要。Management Agentの導入にCPUベースのライセンス料が発生する。だが、TCOを考えると、ネットワーク上にある複数のOracleデータベースが一元的に管理できるメリットは多大なものがある。
上記のような複数データベースの管理については、オラクルがいうところのデータベース・グリッドの管轄だが、「Oracle Application
Server 10g」のユーザーなら、OEM 10gでアプリケーションサーバ・グリッドという利点も享受することができる。
例えば、Webアプリケーション開発で気になるトータル・レスポンスタイム。 最初にアクセスを受けてから処理を完了するまでにどれだけ時間を要したか、
特別なツールを利用しなくても、OEM 10gでそれが分かる。加えて、ボトルネックがどこにあるのかを把握することができ、引き続きOEM 10gを用いて、
チューニングまで行うことが可能だ。
新しいOEM 10gは、従来のバージョンに比べて視認性も大きく向上した。これまではOracleデータベース全体を理解していなければ管理作業を行うのが難しかったが、ハイパーリンクを活用したWebアプリケーションの全面採用により、直感的な操作が可能になった。データベースにパッチを当てたいときも、該当する言葉とリンクをたどっていくだけで、ベテランの管理者でなくても正しい作業が行える。
Oracle Database 10gを導入したら、何はともあれOEM 10gを攻略してしまおう。繰り返しになるが、それがこの最新データベースに精通するための近道といえるのだから。
（次回は5月25日に「Oracle 10gのセキュリティ機能を解剖する」を公開予定です）
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