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@IT > Linux 64bitとOracle RAC 10gによる基幹システム構築のベストプラクティス(2) |
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Oracleデータベースの先進的なクラスタ・システム「Oracle Real Application Clusters 10g(以下、Oracle RAC 10g)」は、エンドユーザーにもその有効性が広く認知されだしている。今後はますますOracle RAC 10gによる高可用性システムの導入が進むだろう。日本オラクルではOracle RAC 10gを実機で検証できる「Oracle RAC 10g for Linux 64bit 構築+実践ワークショプ(以下、ワークショップ)」を開催している。本記事の第1回「Linux 64bit時代到来でOracle RAC導入が加速する」で簡単に紹介したが、今回と次回はこのワークショップの内容をさらに詳しくお伝えしていこう。
「なによりも、実機を使ってOracle RAC 10gの動作を確認してもらうこと。これがいちばん重要だと考えています。Oracle RAC 10gのアーキテクチャは雑誌などで何度となく紹介されていますが、開発会社様でも実機のテスト環境を持っているところは少ない。ワークショップでは参加者に十分なハードウェア環境を割り当てて、納得がいくまで実機に触れてもらえるカリキュラムを組みました」と、日本オラクル プロダクトSC本部 アーキテクトグループ 担当ディレクター 津島浩樹氏はワークショップの設計理念を語る。 使用するハードウェアはHP Integrityサーバで、これを20ノード用意し、15名に限定した受講者が使用するというぜい沢な環境だ。20ノードのサーバを5つに分け、4ノードを1単位として実習を行う。「実機に触る」というコンセプトは十分過ぎるほど実現されている。
それでは、2日間の「構築コース」の具体的な演習内容について、ワークショップの講師である日本オラクル オラクルユニバーシティ 研修部 甲木洋介氏に解説してもらおう(4日間の「構築・実践コース」については次回紹介する)。
「構築コース」の初日は、まずOracle RAC 10gの基礎知識を習得する講義が行われる。内容は以下のとおりである。
Oracle RAC 10gのアーキテクチャを理解できたら、いよいよ演習の開始だ。最初の目標は、2人1チームで2ノードのOracle RAC 10gを構築すること。
「Linux OSと共有ディスクが用意されている環境で、まずLinuxのカーネルパラメータをOracle用の設定に変更してもらうところから始めます。次に、Oracle Cluster Ready Service(以下、CRS:Oracle 10gで新たに提供されたOracle独自のクラスタウェア)、続いてOracle 10gのインストール、さらにRAWデバイス形式によるデータベース構築を実行してもらいます。シングル・インスタンスのOracleをインストールした経験のある方なら、おなじみのインストーラでの操作なので戸惑うことはありません。参加者の方からは“思ったより簡単だった”という反応が多いですね」(甲木氏)。 クラスタ・システムは難しいという先入観を持つ人は多いが、Oracle RAC 10gは多くのタスクを自動化する機能が盛り込まれているため、普通にOracleを運用・管理できるエンジニアなら、無理なくOracle RAC 10gを構築できるようになるそうだ。 「インストールやOracle Enterprise Manager 10gを使った運用・管理はかなり簡単なのですが、きちんと理解しておくべき注意点はあります。それは“CRS”というクラスタウェアがどんなアーキテクチャなのかということです。従来のクラスタウェアはOSの機能として提供されていて、データベース管理者にとってはブラックボックスでした。Oracle RAC 10gでは、このクラスタウェアをデータベース・サーバが提供することで、特定のプラットフォームに依存せず同様の操作でクラスタ・データベースを管理できるようになっています。CRSはOracleに関連するプロセスを監視・管理して、システムの可用性を高める仕組みを持っている重要なモジュールです。CRSについては、実習に入る前にしっかりと理論を解説しています。後続の高度な課題に取り組む際に、この知識は非常に役に立ちます」(津島氏)。 ベンダが開催するセミナーのメリットは、間違いやすいポイントをあらかじめ指摘してくれること。これによって効率的にスキルを身に付けられるのだ。CRSとOracle 10gのインストールに続きOracle RAC構成データベースを作成して環境構築が完了すると、自由時間が用意される。その中で2チームを1組にして2ノードから4ノードへの拡張といった、データベース構成のカスタマイズを実習していく。カリキュラムの詳細は以下を参照していただきたい。
最高のハードウェア環境で行われるワークショップでも、受講者に評判の高いのは2日目の後半に設けられた「自由時間」だという。あらかじめ用意されている以下のテーマ
から受講者自身がテーマを選び、時間の許す限りとことんOracle RAC 10gを検証できる。少人数による演習環境のメリットを実感できる場面だろう。中でも受講者に人気のあるテーマは、Oracle Automatic Storage Managementによる管理設定だという。これはOracle Database 10g Standard EditionでOracle RAC構成する際には必須となるデータ格納形式で、この管理作業をGUI操作で実際に体験することができる。 「受講者の中には、実際にOracle RAC 10gの案件を抱えていて、障害発生時にどのようなメカニズムでフェイルオーバーが行われるのか、真剣に検証される方もいらっしゃいます。実機で検証しておくと、ユーザーに対して自信を持ってOracle RAC 10gを勧められるというわけです」(甲木氏)。 ◇ 本記事では「Oracle RAC 10g for Linux 64bit 構築+実践ワークショプ」の「構築コース」を紹介した。次回はさらに高度な内容を扱う「構築・実践コース」を紹介し、Oracle RAC 10gのワークロード自動管理の神髄に迫ってみよう。なお、「Oracle RAC 10g for Linux 64bit 構築+実践ワークショプ」に興味を持たれた方は、ぜひ下記の案内ページで詳細を確認していただきたい。
提供:日本オラクル株式会社
企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT 編集局 掲載内容有効期限:2005年5月2日 |
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