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@IT > Linux 64bitとOracle RAC 10gによる基幹システム構築のベストプラクティス(3) |
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Oracleの先進的なクラスタ・システム「Oracle Real Application Clusters 10g(以下、Oracle RAC 10g)」を紹介する本記事企画の最終回は、Oracle RAC 10gを実機で体験できる「Oracle RAC 10g for Linux 64bit 構築+実践ワークショプ(以下、ワークショップ)」のハイライトと呼べる「実践編」の内容をお届けする。このワークショップではセットアップを中心とした2日間の「構築コース」のほかに、4日間の「構築・実践コース」を設けている。構築・実践コースでは前半2日間の「導入・構築編」に続いて、後半の2日間の「実践編」で十分な時間を使って演習形式のトレーニングを行う。その詳細について、前編同様に日本オラクル プロダクトSC本部 アーキテクトグループ 担当ディレクター 津島浩樹氏およびオラクルユニバーシティ 研修部 甲木洋介氏のお話を基に紹介していこう。
実践編では、導入・構築編でセットアップしたOracle RAC 10g環境を使って、実践的な演習に取り組むことで、Oracle RAC 10gのチューニング管理を身に付けることが目標である。Oracle RAC 10gのクラスタ・データベースとして優れている点は、GUIの管理ツールである「Oracle Enterprise Manager」の機能を活用することで、管理業務が大幅に軽減されることだ。特に、以前は手動で行っていたパフォーマンスチューニングにおける分析・診断を自動化する「Automatic Database Diagnostic Monitor(以下、ADDM)」およびOracle Database 10gで追加された各種アドバイザ機能をマスターすることは、実践編の重要なテーマの1つである。 ADDMとは、運用中のデータベースの状態をさまざまな側面から分析する機能だ。ADDMがパフォーマンスにおけるボトルネックを発見した場合、それがどういう原因で発生し、どのようにして改善できるかをADDM配下の各アドバイザと連携し、データベース管理者に提案することができる。従来、勘と経験に頼っていたチューニング作業がOracle Enterprise Managerの管理画面から簡単に実施できるようになった。
実践編では、受講者は3人が1グループで、各グループは4ノードを割り当てられる。3ノードはOracle RAC 10g構成、1ノードはクライアントという構成だ。少人数で、完全に独立した環境が割り当てられる非常にぜいたくな環境といえよう。実践編で取り組む演習課題は以下のとおりだ。
演習のコンセプトは「各自が独力で解決策を見つけ出す」ことである。提供されている機能にただ触れるだけでは、実践的な能力は身に付かない。そこで、実稼働システムを想定したアプリケーションを動かして、直面するパフォーマンストラブルに対処する内容になっている。
具体的に演習内容を追ってみよう。まず初めに、あらかじめ用意されているスクリプトを実行し、演習用アプリケーションをロードする。そして、このアプリケーションには、パフォーマンス上の問題点(何が原因かは明らかにされていない)が仕込まれているのがミソなのだ。受講者はGUI管理ツールを駆使しながら、問題点を特定し、それを解決する課題に取り組む。まさに、実務で直面するような場面を疑似体験するわけだ。 3人1組のグループは演習課題に取り組んだ後、グループ内でディスカッションを行い、問題点の切り分けと改善方法を発表する。さらに発表した内容どおりの操作を行い、予想した改善につながったかを再び発表し合う。もちろん、正解にたどり着けない場合は講師から助け船が出るのだが、基本的にはグループ内の共同作業で問題解決に責任を持つスタイルだ。ただ講師のお話を聞いて帰るといった、受け身のセミナーとは雲泥の差があることはお分かりいただけるだろう。 パフォーマンス・チューニングなどはかなり高度な内容まで踏み込んでいるが、ワークショップを受講するのに高度な事前知識は不要だ。先述のADDMやアドバイザといったツールが、ワークロードのボトルネックを発見し、その改善提案をレポートしてくれるため、エンジニアの経験や知識に依存する部分は非常に小さい。Oracle Enterprise Managerを通じて、これらの機能を体験した受講者からは、パフォーマンス改善ができたという結果を体験し、その便利さと、アドバイスの正確さに驚きの声が上がるという。
Oracle RAC 10gのチューニングで重要な点は、「キャッシュ・フュージョン」と呼ばれるOracle独自技術(第1回記事「Linux 64bit時代到来でOracle RAC導入が加速する」を参照)の特性を正しく理解することである。Oracle Parallel ServerからOracle RACに移行したことで、特別なチューニングを施さなくても、インスタンスを追加することでリニアにスケールアップするように性能向上しているが、必ずしもすべてのケースでそうなるとは限らない。実践編では、実習をとおしてキャッシュ・フュージョンに則した設計上のポイントを学んでいけるように工夫されている。 これまでのワークショップ申し込み状況では、導入を検討するうえでの情報収集には2日間の「構築コース」、より実践的な技術習得の目的には4日間の「構築・実践コース」へ参加といったそれぞれ目的があるようだ。ただし今回のようなめったにない演習環境では4日間の「構築・実践コース」に申込が集中している。ユーザーに対して自信を持ってOracle RAC 10gを提案するには、実践編まで受ける必要があるのはいうまでもないだろう。 ◇ 本記事では「Oracle RAC 10g for Linux 64bit 構築+実践ワークショプ」のハイライトといえる「構築・実践コース」を紹介した。なお、「Oracle RAC 10g for Linux 64bit 構築+実践ワークショプ」に興味を持たれた方は、ぜひ下記の案内ページで詳細を確認していただきたい。
提供:日本オラクル株式会社
企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT 編集局 掲載内容有効期限:2005年5月2日 |
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