Riverbed Day 2008レポート WAN高速化がもたらす業務効率化のヒント |
2008年4月22日、ベルサール九段(東京)にて「Riverbed Day 2008 “更なる進化を実感せよ”」が開催された。さまざまなアプリケーションがWAN(Wide Area Network)を経由して利用され、大容量のデータがWANを超えてやり取りされる今日において、WANを高速化させるSteelheadアプライアンスに期待される役割とは?
ユーザーの声から生まれるWAN高速化製品 |
「WAN高速化市場はまだ確立していない。その使われ方も多岐にわたる。リバーベッドテクノロジーはWAN高速化の専業ベンダとして設立され、シンプルでありつつもスピードやパフォーマンスに優れる製品を提供し続けてきた」
遠井雅和氏 リバーベッドテクノロジー株式会社 代表取締役 社長 |
開会挨拶に立ったリバーベッドテクノロジー代表取締役社長の遠井雅和氏は、WAN高速化市場の動向に触れながら自社の強みを強調する。リバーベッドのSteelheadアプライアンス、そしてそのソフトウェアプラットフォームであるRiOS 5.0(Riverbed Optimization System)の進化は、製品導入後も継続的に行われるユーザーへのヒアリングによって得られた高速化ニーズの“生”の声から生まれる。
RiOSは、スピード、スケーラビリティ、シンプリシティ、サクセスという4つのSを重視。同社が実施した複数拠点展開を行っているフォーチュン500企業ユーザーにおける過去3カ月間の実環境テストでは、競合製品に比べて3〜5倍の高速化、2〜3倍高いデータ削減率を記録した。
また、最短15分からのスムーズな導入、数百拠点以上の大規模展開、新機能をいち早く投入できる先行者メリットなど、簡単でありつつもユーザーに成功をもたらすのが最大の特徴だ。
実際、シチズンビジネスエキスパートが東京と香港の2拠点間のWAN高速化を検証した際、競合機は半日かかっても設定が終了できなかったのに対して、Steelheadは大きなトラブルもなく導入でき、その日のうちに検証が完了したという。シチズンはその後、中国やタイなど10拠点以上での大規模展開を行っている。
ユーザーにベストプラクティスを届けるために |
「第一に重要なのは、製品をユーザーに導入していただくこと。そのためには、ユーザーの課題を解決できるパートナーを見出し、一緒にベストプラクティスを提供できる環境を整えることだ」
Venugopal Pai氏 Riverbed Technology Sr. Director, Alliances |
米リバーベッドテクノロジーでアライアンス担当シニアディレクターを務めるヴェヌゴパル・パイ(Venugopal Pai)氏は、同社のアライアンス戦略とRiOS内にパートナーのアプリケーションを組み込んで稼働できる仮想エッジサービス「RiOSサービスプラットフォーム(RSP)」を紹介した。
同社がテクノロジーアライアンスを組むパートナーには、ネットアップやヴイエムウェア、フォーティネット、セキュアコンピューティング、Infobloxといったストレージ、仮想化、セキュリティ、ネットワークインフラなどさまざまな分野のトップベンダが並ぶ。Pai氏によれば「ネットワーク管理のために必須な互換性の担保を行うために、幅広い分野のベンダとパートナーを組んできた」からだ。
また、RiOS 5.0から実装されたRSPは、どのような小さな拠点であってもユーザーが求めるサービスを、求める形で導入できる機能だ。例えば、セキュアコンピューティングが提供する統合セキュリティ機能や、Infobloxが提供するDHCP認証機能をRiOS上に統合できる。拠点ごとに複数のサーバやアプライアンスを導入する必要がなくなるため、ユーザーにとってコスト面でも運用面でも柔軟な選択が可能になるのだ。
大規模災害に備えたDisk to Diskのバックアップ |
「災害対策への需要は高まってきているが、いまだに大企業の多くは別サイトでのテープ保管を利用している。今後はDisk to Diskへの移行が進むだろう。そうなると、WAN上を大規模データが流れることになる」
瀧川大爾氏 ネットアップ株式会社 マーケティング本部 プロダクトマーケティング担当マネージャ |
ネットアップでプロダクトマーケティング担当マネージャを務める瀧川大爾氏は、ファイルサーバ統合とディザスタリカバリ(DR)ソリューションの現状をこのように分析する。ネットアップはさまざまなDRソリューションを展開しているが、この講演では同社の「SnapMirror」とSteelheadの組み合わせ例を取り上げた。
SnapMirrorは、筐体間レプリケーションソフトウェア。災害時にはネットワークのパスを切り替えることでストレージのすみやかな再稼働ができる。瀧川氏は、「縮退運用時には、特に遅延による性能ダウンが気になる。しかし、リバーベッドのテクノロジーを適用することで遅延を解決できる」とコメントする。
兼松エレクトロニクスが手掛けたSnapMirrorの導入事例では、関東と西日本の2拠点間の大容量データ転送において、93%の最適化効果を得られたという。LAN上を流れた42.7GBのデータは、2.9GBにまで最適化されてWANへと送り出され、転送時間が6分の1になったのだ。
ITのスピードを加速させる仮想化 |
「さまざまな形の仮想化があるが、ITのスピードや判断をスムーズにするための仮想化もある。データセンター間のネットワークをLAN同様のスピードまでに高速化することができれば、業務の効率化は一層進むことになる」
石井明氏 ヴイエムウェア株式会社 ISVアライアンス シニアテクニカルアライアンスマネージャ |
ヴイエムウェアでシニアテクニカルアライアンスマネージャを務める石井明氏は、仮想化がもたらすITインフラの変革を「物理的な垣根、制約を取り払うことによる論理的なリソースの効率的な利用」と力説する。すでに仮想化は1台の物理サーバ内という範囲を超えて、複数台のハードウェアを束ねて共有リソースプールとし、ユーザーのニーズに応じて柔軟にリソースを再配分するところまで来ている。
日本ビジネスコンピュータでは、VMwareを利用して350台あったサーバを10台の物理サーバに集約し、仮想的な50台のサーバ運用に切り替えた。サーバロケーションを集中させるとユーザーに何らかの設定変更を求める必要があるが、同社では仮想化とWANの高速化によって社員2500人に一切設定変更をさせない(変更を気付かせない)という解決策で乗り切ったという。
現在、日本企業が求めているニーズは、サーバやストレージの統合であったり、WANをまたぐ形で利用できるアプリケーションの高速化であったり、障害/災害対策であったりとさまざまだ。遠井氏がいう「分散されたリソースを有効活用するための広い意味での仮想化へのニーズに対して、それぞれのユーザーの業務がどのような形で効率化できるのかというヒント」はつかめただろうか。
Riverbed Day 2008の会場は、立ち見が出るほどの熱気にあふれていた |
ホワイトペーパーダウンロード |
『サーバ統合、仮想化をより効果的に導入するためにすべきこと 』 ここでは、2008年4月22日にリバーベッドテクノロジーが開催したセミナー「Riverbed Day 2008“更なる進化を実感せよ”」で使われたプレゼン資料をまとめて入手できる。 |
提供:リバーベッドテクノロジー株式会社
企画:アイティメディア 営業本部
制作:@IT編集部
掲載内容有効期限:2008年6月18日
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サーバ統合/仮想化を導入する際に欠かせないのが「WANの高速化」だ。なぜWAN高速化が重要なのかを解説し、WAN高速化を通じて業務効率を向上させるヒントを学ぶ。
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