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@IT[FYI] 企画:アットマーク・アイティ 営業企画局
制作:アットマーク・アイティ 編集局
掲載内容有効期限:2004年12月12日

 

SAP Netweaverが変える企業システム構築
企業IT基盤の技術課題に応えるSAP
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 IT基盤構築に当たって次々と起こる技術課題。ERPベンダの雄・SAPジャパンではこうした技術課題を解消するために、システムの“あるべき姿”の青写真と、それを具現化するための製品「SAP NetWeaver」を提供している。果たしてNetWeaverは技術者の課題に応えることができるのか? SAPジャパン ソリューション統括本部 ソリューションマーケティング本部 NetWeaverディレクターの菅沼隆太氏に聞いた。

  NetWeaverは企業システムの“あるべき姿”の具現化

 
 SAPジャパン ソリューション統括本部 ソリューションマーケティング本部 NetWeaverディレクター 菅沼隆太氏
 SAPがESA(Enterprise Services Architecture)というコンセプトを打ち出し、アプリケーション実行基盤群である「SAP NetWeaver」をリリースしたのは2003年のこと。それまで“ビッグバン導入”を推奨し、統合型パッケージならではのメリットを打ち出してきた同社だが、ESAを機にレガシーや既存システムとの“協調策”を標ぼうし始めた影響は大きい。

 これまでERPパッケージは、「会計データを中心に据えて生産・物流・販売プロセスを連携させることでビジネスプロセスを改善させる」と打ち出されてきた。このコンセプトを打ち出したのはほかならぬSAPであり、だからこそ「パッケージに実装されたベスト・プラクティスを実現するために、R/3でシステムを統一させる必要がある」という論が展開されたわけだ。

 これに対しESAは、企業内の業務を「サービス」と定義し、ビジネスプロセスに基づいてサービス同士を連携させることで、変化対応に強いシステムを作り上げるというコンセプトだ。SAPジャパンソリューション統括本部 ソリューションマーケティング本部 NetWeaverディレクターの菅沼隆太氏によると、「ESAでいう“サービス”とは、技術的にいえばトランザクションとして切り出される部分です。これをサービスと定義し、Webサービスなどの技術を使って柔軟に疎連携させていくシステムの姿を『ESA』と定義しています」という。「ESAは、企業システムのあるべき姿としてSAPが提示した青写真のようなもの。その青写真を具現化したものとしてリリースしたのがSAP NetWeaverです」(菅沼氏)。

  データ・プロセス・UIの統合を図るNetWeaver

 NetWeaverの構成と、SAPアプリケーションとの関係は図のとおり。SAPアプリケーションを実行させ、J2EEベースのアドオン開発を支援する「SAP Web Application Server」(SAP WebAS)をベースに、ほかのSAPモジュールや既存システム、レガシーシステムとの連携を実現する「SAP Exchange Infrastructure」(SAP XI)の2つが、システムレベルでIT基盤を整えるための製品群。システムレベルでのビジネスプロセス連携を実現するための製品になる。

図 NetWeaverとSAPアプリケーションの関係

 次に、基幹システムのマスタデータを統合・管理する「SAP Master Data Management」(SAP MDM)と、データを集約・分析するための「SAP Business Information Warehouse」(SAP BW)がある。この2つのコンポーネントが、データレベルでシステム基盤を整えるための仕組みに当たる。ちなみにここでいう“データ”とは、個人が持っているビジネスノウハウなどの知識も含まれるそうだ。

 もう1つ、ユーザーインターフェイスレベルでシステム基盤を整備するために、NetWeaverでは「SAP Enterprise Portal」(SAP EP)と「SAP Mobile Infrastructure」(SAP MI)を提供している。「システムレベルでIT基盤を整え、さらにユーザーインターフェイスを1つの画面に統一することによって、“利用”と“技術”の両面からIT基盤を整備します」(菅沼氏)という。

 SAPでは「NetWeaverを導入することで、ビジネスにかかわる人・プロセス・データを統合できます」とうたっている。ここでいう「人の統合」について菅沼氏は、「各スタッフが持っている知識や役割、ビジネス範囲をデータレベルとユーザーインターフェイスレベルで統合できることです。具体的なコンポーネントとしてはMIとEPが“人の統合”を実現します」と説明する。合わせてビジネスプロセス、基幹マスタを統合させることで、ビジネスにかかわるリソースをスムーズに連携させるというわけだ。

   IT基盤構築の課題を解決するXI、MDM

 「NetWeaverさえあればIT基盤の開発は実現できる」ように見えるかもしれないが、現実のIT基盤開発はなかなかうまくいかない。前回「見えてきた全社IT基盤構築の道筋」の座談会でも出てきたように、IT基盤開発に当たっては、「インターフェイス連携」「マスタデータ統合」の2点が大きな技術課題として挙がっている。

 菅沼氏はこれらの課題について、次のように説明する。「異機種間プラットフォームの連携は、エンジニアの方々がおっしゃるように、両方のシステムのデータフォーマットの特徴や格納方法を熟知している必要があります。EAIはこうした両システムの違いを吸収する役割を持ちますが、逆にEAI上で2つのシステムのデータを統合・管理するといった作業が発生するなど、運用段階の負荷も大きい。また、データの受け渡しのタイミングを統一するために、業務上のプロセスそのものを変更しなくてはいけません。これを解決するために、NetWeaverではSAP XI、MDMという2つのコンポーネントセットを提供しています」

 SAP XIではWebサービスをはじめとして、システム連携に必要な各種機能が用意されている。中でも大きな特徴は、「クロスコンポーネントBPM」と呼ばれる異機種間システムを連携する機能。これを使えばビジネスプロセスをWebサービスとして定義し、細かいフロー制御やプロセスの条件設定が実現できる。菅沼氏によると「技術上のインターフェイスとビジネスプロセスとを分けてデザインすることができます」とのことだ。

 またマスタデータ管理を司るMDMは、2004年5月に日本語版が出荷されたばかりの最新コンポーネント。前回の座談会でも「IT基盤構築に当たって、全社の統合マスタを作ろうという動きがあるのですが、業務部門ごとにデータの作り方や基準が異なるので、なかなかうまくいかない」(アクセンチュア 小石氏)という問題指摘があったが、こうした課題を解決する術はあるのか。

 菅沼氏は「SAP MDMは誰もが同じデータにアクセスできるように、全社規模のマスタデータを一貫性を持って維持する基盤技術です」と説明する。そのためには、マスタデータの「統合」と「調和」が重要なポイントになるという。

 「具体的には、マスタデータの洗い出しから始まり、重複しているデータがないかを確認してデータクレンジングを施し、全社データを統合してMDMサーバに格納します。さらにMDMサーバから個々のローカルシステムにマスタデータ配信を行うことで、ローカル上のデータを更新することで、全体の整合性を取り、調和させていきます」(菅沼氏) ローカルシステムのマスタ更新は、あらかじめルールを設定しておくことでシステムが自動的に更新作業を行う。こうすることでマスタデータの統合・管理が実現するほか、運用負荷を大幅に高めることができるのだ。

  WebSphere、.NETとの互換性も

 さらにもう1つ、技術者の懸念にあるのは「SAPの技術だけで全社システムを動かすことができるのか」という点だろう。例えばほかのWebアプリケーションサーバを導入していたり、その上でカスタムアプリケーションを動かしている企業も多い。そうした中、NetWeaverを導入することにどんなメリットがあるのか。

 こうした問いに答えるため、NetWeaverでは「WebSphere」と「Microsoft .NET」との互換性を提供している。具体的にはWebSphereと.NET向けに、SAPとの連携機能を開発するツールセットを提供するという。これにより、既存資産をムダなく活用できるほか、極端な話すべてをSAPモジュールでそろえる必要はなくなる。ちなみにSAP WebASではJ2EEベースの開発環境「SAP NetWeaver Developer Studio」を用意しており、J2EEベースのカスタムアプリケーションを独自に開発することも可能だ。

 さらにこれを強化する仕組みとして、Webユーザーインターフェイスの開発フレームワーク「WebDynpro」を実装している。これによりビジネスロジックとユーザーインターフェイス画面との切り分けを実現し、再利用可能なコンポーネントを用いたユーザインターフェイスを容易に開発することが可能になる。

  J2EE技術者からの参加が急増する「SAP Tech Ed '04」

 こうして見てきたように、NetWeaverの登場により、「モノリシックでカスタマイズしにくい」といったイメージを持つSAP製品が、よりオープンで高い協調性を備えてきたことが分かるだろう。特に期待が寄せられるのは、J2EEへの対応だ。それを証明するかのように、米国サンディエゴで10月初旬に開催された「SAP TechEd '04」ではJava技術者の参加が激増したという。

 
 
 「これまでSAPはABAPという独自言語をベースに開発されていましたが、NetWeaverにより技術の幅が格段に広がりました。特に基幹システムのオープン化に当たっては、Webアーキテクチャの採用が当たり前の世界になっており、J2EEの採用はもはや必須といえます。そこでSAPがJ2EEの完全対応をうたったことで、基幹システム再構築に携わるJ2EE技術者の関心を惹いたのだと思います」(菅沼氏)

 実際に座談会の中でも、「SAPが協調・オープン化をうたうことで、ユーザー企業に提案しやすくなった」という意見も出てきている。付加価値を提供しやすくなったわけだ。問題は、こうした技術でどこまで何ができるのか、本当にJ2EE技術者がSAPの実装を担当できるのかといった技術検証だろう。前述したSAP MDMについても、日本でリリースされたばかりということもあり、「使いたいけれども、使い勝手や技術検証がまだ十分ではない」といった懸念の声も聞かれる。

 これについて菅沼氏は「東京で11月末に開催されるSAP TechEd '04 Tokyoで、実際にSAP技術でどこまでできるかを解説し、体感もしていただけます。製品や技術についての疑問は会場でどんどん受け付けますので、ぜひご来場ください」と答えてくれた。

エンジニア座談会:見えてきた全社IT基盤構築の道筋

 
関連リンク集
SAPジャパン

SAP NetWeaver

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