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制作:アットマーク・アイティ 編集局
掲載内容有効期限:2003年11月30日

 

SAS Industry Intelligence Solutions

ビジネスの拡大、リスクの減少、戦略の実行支援のための

統合ビジネス・インテリジェンス・ソリューション
1985年の日本法人設立以来、常に国内ビジネス・インテリジェンス・ソリューションの市場を牽引してきたSAS Institute Japan。そして設立18年目を迎えた2003年、同社のソリューションの集大成ともいうべき業界別インテリジェンス・ソリューション「SAS Industry Intelligence Solutions」が発表された。本ソリューションは、顧客セグメンテーションとマーケティング・オートメーションによる新たなビジネスの拡大、予測モデルによるビジネス・リスクの減少、バランス・スコアカードによる企業の戦略立案と実行支援をシームレスに提供。各業界におけるビジネス・インテリジェンスに必要な知識がデータ・モデルを含めソフト・ウェアとともに提供されるため短期間で導入可能である。

4半世紀以上にわたって世界中の企業とビジネスに取り組んできた経験に基づき、銀行や保険などの金融業界や通信業界、さらに今後は、流通、製造、政府といった業界に対してソリューションを提供していく予定だ。

■業界別インテリジェンス・ソリューション詳細
・SAS Insurance Intelligence Solutions (保険業界向けソリューション)

・SAS Telecommunications Intelligence Solutions (通信業界向けソリューション)
・SAS Banking Intelligence Solutions 銀行業界向けソリューション)

ユーザー企業のビジネス課題に直結した分析ソリューション

 SAS Industry Intelligence Solutionsの中から今回紹介するのは、9月に日本市場に新たに投入された「SAS Insurance Intelligence Solutions(IIS)」だ。その名のとおり、生保・損保といった保険業界に特化したインテリジェンス・ソリューションである。

SAS Institute Japan カスタマーサービス本部プロフェッショナルサービス第1部長 田井祥雅氏

 企業や個人の意識が激変していく中で、国内のあらゆる業界のビジネスも柔軟な変化対応が求められている。なかでも保険業界では、外資系保険企業、新規参入企業などが革新的な事業展開を行うことで、顧客ニーズの変化を捉えビジネスの拡大にチャレンジしている。同時に、日本で長年ビジネスを展開してきた保険会社も「足で顧客を獲得する」といった従来の営業スタイルに加え、ビジネスの拡大を図るためにビジネス・インテリジェンスに基づいた施策を打つ必要性に迫られている。

 ちなみに、早くから規制緩和が進んでいた欧米の保険業界では、1990年代初頭からこうした課題が顕在化してきたという。そこで「顧客1人あたりの収益を最大化する」という戦略の下、さまざまな取り組みを実施してきた。その戦略策定基盤として、大手生保・損保企業がこぞって導入したのがSASのソリューションだ。SASのプロフェッショナルサービス第1部長・田井祥雅氏は「欧米でSASを導入した企業が成功した最大の理由は、『短期間でROIを実現できた』という1点に尽きます。今回発表したIISは、SASが欧米の保険業界で培ってきたノウハウがすべて集約されており、短期構築とROIの実現を約束します」と自信を見せる。

 IISでは、保険業界に特化したデータウェアハウス機能を提供する「Insurance Intelligence Architecture」で業界固有のビジネス・インテリジェンスのプラットフォームを構築。その上に6つのアプリケーションをプラグ・インすることにより保険業界のビジネス・インテリジェンス課題を解決するソリューションだ。(図1)。

 
図1 SAS Insurance Intellligence Solutions概要図

  1. Insurance Intelligence Architecture:保険業界に特化したデータウェアハウス構築に必要なデータモデル、分析アルゴリズム、データ取得のためのETLツールが含まれた共通のインフラ基盤。保険業界に特化した顧客セグメンテーションや、潜在的な顧客ニーズを探索しクロス/アップセルを行なうための顧客分析、マーケティング・キャンペーンの効率化を支援するキャンペーン管理、バランス・スコアカードなどを中心にした戦略的業績管理など、生保・損保企業に必要とされるあらゆる分析を可能にするための共通のインフラ基盤であり、その上に以下に挙げるアプリケーションをビジネス課題にあわせて自由に追加できる。
  2. Claims Predicition for Insurance:クレームリスクを予測・管理するためのアプリケーション。具体的には、保険金支払いが発生する確率が高い顧客の洗い出しやその請求額などを導き出し、企業にとってリスクの 高い顧客を分析する。
  3. Customer Segmentations for Insurance:それぞれの顧客にあった商品提案のために、顧客の行動特性を分析しセグメント化する。
  4. Cross-Sell and Up-Sell for Insurance:既存顧客に対する潜在的なビジネスチャンスを発見し、クロス/アップセルの機会を抽出する。
  5. Strategic Performance Management for Insurance:保険業界に特化したコーポレートスコアカードを提供し、戦略業績管理の実現を支援する。
  6. Marketing Automation for Insurance:マーケティング・キャンペーンのプロセスを管理し、その効果を測定する。
  7. Customer Retention for Insurance:顧客の解約に影響を与える要因を分析し、顧客の離反を防止する。 
短期開発・ROIを実現するツボ(1)アーキテクチャの優位性

 IISを含め、この業種別ソリューションを特長付けているのが、共通のインフラ基盤であるIntelligence Architectureだ。「多くの企業は、社内に蓄積されたデータを活用しきれていません。また先進企業でさえも、部門別に小さな分析用データマートを構築し、システムがバラバラに稼働している状態です。部門同士でシステムの機能が重複しているケースも多いし、何より運用コストもかかります。こうした状況を打破するため、まずは全社用の共通のインフラ基盤を作るというのがSASのアプローチです」(SAS プロフェッショナルサービス第1部 迫田奈緒子氏)。

 Insurance Intelligence Architectureには、これまでSASが提供してきたデータウェアハウス構築のための製品がほとんど含まれている。具体的には、データ分析の基本機能を搭載した「Base SAS」をはじめ、さまざまなデータソースへアクセスするためのインターフェイスを提供する「SAS/ACCESS」、データの高速処理および分析を可能にする「Scalable Performance Data Server」などだ。これらは従来「完成品」として同社が提供してきた製品群。これらを基盤の中に取り込み、保険業界特有の分析データモデルをしっかり設計することで、部門やビジネス・ニーズにかかわらず、さまざまな分析が可能になるという。データハンドリングや分析アルゴリズム、レポートの作成はすべてこのアーキテクチャが処理する。

 一方、この基盤の上に載せる6つのアプリケーションはそれぞれのビジネス課題別に個別に開発されており、ニーズにあわせて単体はもちろん、段階的に導入することも可能。このように「迅速な導入と、全体像を把握しながらニーズにあわせて段階的にアプリケーションを追加できる」というのがこのソリューションの強みだ。

 業界別のデータモデルとは、顧客の氏名や属性のほか、入院や事故の実績、支払った保険額など、分析に際し必要な情報を基幹システムから抽出したもので、どのようなデータが必要になるかは「SASのノウハウとしてあらかじめ定義している」という。こうして収集したデータを、Insurance Intelligence Architectureの内部で、分析目的と利用するアルゴリズムに合わせ、最適なフローを設計・実行していく。ちなみにデータ取得に関しては、OracleやDB2、Sybaseといった主要データベースのほか、ODBC経由であらゆるデータソースにアクセスし、必要なデータをSAS Systemに取り込むことが可能だ。

 そしてもう1点、忘れてはならないのがその「分析速度」。保険業界のように、商品の数が多く組み合わせが複雑で、かつ顧客数も膨大な場合、1回の分析に24時間以上かかるケースも多い。だが予測精度の高い仮説を引き出すためには、分析対象となるデータ項目を変え、何度も分析をかける必要がある。繰り返し分析を行うことで予測の精度を高め、より最適な意思決定につなげていくのである。そこでデータ処理に1日以上かかるようでは、厳しいビジネス環境にある保険業界で生き残れない。SASでは業界別データモデルを提供する際、分析速度を損なわないための最適なデータ設計を行うことによって、処理速度の問題を解決している。例えば解約予兆分析の場合、データ量によって差はあるが、1回の分析につき平均数時間で済むという点も大きなメリットだ。

短期開発・ROI実現のツボ(2)開発プロセスの標準化

 データモデルを整備し、散在するデータを一元的に管理できるこのインフラ基盤を整備すれば、さまざまな分析ニーズに対応することが可能となる。しかし、ひと口に「どんな分析にも使える統合化したインフラ基盤を構築する」といっても、その実行は簡単ではない。そのため実際には、個別の分析ニーズごとに小規模なデータマートを構築して終わってしまうという例が多かったのではないだろうか。

 これに対するSASの回答は「これまで当社が導入してきたノウハウを活かし、短期開発を実現するプロセスとプロジェクトの手順書を提供します」というものだ(図2)。

図2 SASが提供する開発プロセス
  • 第1段階「Definition」:ユーザー企業のビジネス・ニーズをヒアリングし、実際にプロジェクトをどのように進めていくのかを定義するフェイズ。
  • 第2段階「SetUp」:実際にユーザー企業のビジネスルールをヒアリングし、インフラ基盤構築に必要なデータや項目を洗い出していくフェイズ。部門ごとのデータ項目や用語の違いを排除し、統一されたインフラ基盤を作るための重要なステップであり、カスタマイズする範囲をリストアップする。
  • 第3段階「Modular & Implementation」:第2段階のヒアリング結果を受けて、ユーザー企業内部で使われている既存のデータ項目と、SASが提供するデータ項目をマッピングするフェイズ。同社独自のデータ定義書やデータ設計ツールのほか、市販のデータ設計ツールを使いながら作業を進め、実際に分析モデルを作り、追加データの洗い出しやレポートのカスタマイズを行う。またこの段階で、ユーザー自身が自由にデータを加工できるようにサポートしていく。
  • 第4段階「Test & Deploy」:エンドユーザーに、開発したアプリケーションが要件に合致しているかどうかを評価してもらい、システムの使い勝手を向上させるフェイズ。

 SASではワールドワイドでの実績をもとに、上記の開発プロセスについて、どのフェイズでどんな作業をすべきかまとめたドキュメントを作成している。これに基づいてプロジェクトを進めていけば、最短4カ月もあればインフラ基盤である「Insurance Intelligence Architecture」とアプリケーションの導入が済むという。また、作業中に何か不具合が発生した場合でも、ワールドワイドで導入例をデータベース化しているので、こうした過去のプロジェクトを参照して予想されるリスクを回避できる。こうした世界規模のサポート体制も大きなメリットだ。

短期開発・ROI実現のツボ(3)End to Endのサービス

 本ソリューションの特長は、これまで説明してきたようなアーキテクチャや開発プロセスの整備だけではない。導入後、「どのように分析したらいいか」「ルールを導き出すにはどうすればいいか」といった、実際の利用段階におけるサポート体制も用意している。例えばユーザーが「解約者分析をやりたい」といったとき、SASの分析チームが参加して分析ノウハウを提供することで、初めて分析を行うユーザーでもより短期間で効率よく仮説を導き出せる。その仮説を実行し、結果データを投入することで、分析結果の精度も向上していくわけだ。

 実際、米国のある大手生命保険会社では、解約予兆分析にSASソリューションを採用し、導入後3カ月で解約者数を1割削減したという結果が出ている。この事例に関しては「3カ月でこれだけの成果が出るのは大成功」(営業本部第1営業部金融第1グループ 加藤保光氏)と、SAS社員も太鼓判を押すほどだ。もちろん、こうした成功を収めるには、常日ごろからビジネスデータの利用に関心を持ち、分析・仮説・検証というサイクルを確立していることが条件となる。

SAS Institute Japanプロフェッショナルサービス第1部 迫田奈緒子氏(左)と営業本部第1営業部金融第1グループ 加藤保光氏(右)

 残念ながら、国内企業は欧米企業に比べるとこうしたデータ活用の意識がまだまだ低いという。これは保険業界に限らず、国内のあらゆる業界に共通する課題だ。そこで、「まずは分析用の統合されたインフラ基盤を作り、データを活用する体制を作りましょう」というのが、今回SAS Industry Intelligence Solutionsが打ち出しているコンセプトだ。

 SASはこのIndustry Intelligence Solutionsでビジネス・インテリジェンス・ソリューションを包含し、「ビジネス戦略・立案」を支援するソリューションカンパニーへと生まれ変わろうとしている。

 
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