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東京−沖縄間でも遅延を気にせずにクラスタリングが可能

WAN高速化製品と連携することで、
“ほぼリアルタイムミラーリング”を実現

日本各地で地震被害が発生している昨今、大規模災害は“対岸の火事”ではない。従来、高信頼で高可用性なHAクラスタはUNIXベースが多かったが、現在ではWindows/Linuxのニーズが高まり、UNIXニーズを逆転する傾向が出てきている。そのようなWindows/Linux向けのニーズに応えるのが、NECのHAクラスタリングソフトウェア「CLUSTERPRO Xシリーズ」だ。

    クラスタ同士の遠隔ミラーリングを実現

 日本各地で地震が発生しており、被害が懸念される。そのような状況の中、ディザスタリカバリの需要は高まるばかりだ。NECでは、このようなディザスタリカバリの需要拡大に対応し、サーバの高可用性を実現するHAクラスタリングソフトウェア「CLUSTERPRO Xシリーズ」をラインアップしている。

 「CLUSTERPRO Xシリーズ」は、システム障害を常に監視することでサーバの異常を確実に察知し、障害が発生した際には健全なサーバに業務を引き継ぐことができるソリューションだ。また、計画メンテナンス中であっても業務を継続することも可能になる。ディザスタリカバリ対策としては、災害発生時にスムーズな業務再開が行えるよう、非同期ミラーモードに対応した“遠隔クラスタ機能”を備えているのが最大の特徴だ。

 NEC 第二コンピュータソフトウェア事業部の星野康一郎氏は、「同期ミラーリングは、リアルタイムにデータをバックアップできる半面、ネットワークの通信速度が処理速度に直接影響をおよぼすため、通信の遅延が生じやすい遠隔クラスタリングを行うことは難しかったのです。一方、非同期ミラーリングでは、対向のバックアップサーバへの書き込みを待たずに、業務を運用しているサーバの処理を進め、回線に余裕があるときに随時データを伝送し、対向のバックアップサーバに書き込みを行います。これによって、ネットワーク帯域の狭い回線や遠距離の環境でも信頼性の高いクラスタシステムを実現することが可能になったのです」と説明する。

 2008年4月にリリースした最新バージョンの2.0では、この遠隔クラスタ機能をさらに強化。従来までは、遠隔地間では1対1のクラスタシステムに限られていたが、新たにストレージ間のミラーリング機能を提供することで、クラスタ同士の遠隔ミラーリングを実現する「共有ディスク型遠隔ハイブリッド構成」に対応した。これにより、小規模の障害(例えばLAN内の一部だけ影響を受ける)はメインサイト内のクラスタシステムでフェイルオーバーを行うため、LAN内でフェイルオーバーを完了させることができる。一方で大規模災害が起こった場合には、遠隔地にあるバックアップサイトのクラスタシステムにまるごとフェイルオーバーすることで、スムーズに業務継続を図ることが可能となる。

CLUSTERPRO Xシリーズが実現する“ハイブリッド型の遠隔クラスタリング”。通常の障害時にはメインサイト内でフェイルオーバーし、メインサイトに災害が発生した場合だけバックアップサイトにフェイルオーバーするので、コストやスピードを大幅に改善できる

 このほか、最新バージョンでは仮想環境の対応も拡充。いち早く「Windows Server 2008 Hyper-V」に対応している。

 星野氏は、「最新バージョンのリリースを機に、CLUSTERPRO Xへのニーズも高まっています。特に、沖縄をバックアップ先として遠隔クラスタシステムを構築するケースが増加しています。これは、沖縄の地震発生率が日本中で最も低い場所であるほか、首都圏から1500km離れているために同時被災する可能性も低いなど、地理的なメリットが大きいためです」と説明した。

    WAN最適化製品との連携で遠隔クラスタを高速化

 しかし、東京−沖縄間といった遠距離のミラーリングを行う際に問題となるのが、WANを介することによる「通信応答の遅延」の問題だ。

 この問題に対して同社では、「CLUSTERPRO Xシリーズ」にWANの高速化・最適化を実現するアプライアンス製品「UNIVERGE WanBooster」を組み合わせたディザスタリカバリソリューションを提案している。

 NEC 第二コンピュータソフトウェア事業部主任の砂田圭一氏は、「WANは通信を行う距離が数百kmと非常に長くなる場合に、通信応答で大きな遅延が発生してしまいます。例えば、東京−大阪間では約20msec、東京−沖縄間では約39msecの遅れが出てしまうのです」と指摘する。

 「UNIVERGE WanBooster」ではこの遅延に対して、独自技術の「SDR(Scalable Data Referencing)」がキャッシュ/差分/圧縮を行うことで、WAN帯域の最適化と帯域使用率の削減を実現。具体的には、WANの両端においてファイル単位ではなくデータブロック単位をキャッシュすることで不要な通信を排除。また、ファイル編集では、変更箇所のデータブロックのみを圧縮して転送を行うなどの工夫をしている。

 さらに、標準技術の「RFC(Request for Comments)」と独自技術を組み合わせ、TCP通信の高速化を可能にした。この技術では、仮想的にウィンドウサイズを拡張し、1度のTCP通信で大量データの転送を実現するとともに、TCPの特性を最適化してスループットの向上も図った。このほか、「Windowsファイル共有(CIFS)」「Microsoft Exchange(MAPI)」「データベース(Microsoft SQL)」など、各種アプリケーションプロトコルを最適化することで、アプリケーションのスループットも大幅に向上した。

 「UNIVERGE WanBooster」でWAN最適化を図ることによって「CLUSTERPRO Xシリーズ」での遠隔ミラーリングを高速化し、非同期でありながらリアルタイムに近い、より最新の業務データをバックアップすることが可能となる。

CLUSTERPRO XシリーズとWanBoosterを組み合わせた使用例。WanBoosterがネットワーク帯域を最適化するので、遠隔クラスタリングでも“ほぼリアルタイム”なミラーリングが可能となる。右側の表が遅延時間を表わしたもので、差は歴然だ

 例えば、回線帯域10Mbps、遅延10msecのWAN環境においてディスクミラーリングでの実効速度を比べると、通常時は6.34Mbpsであるのに対して、「UNIVERGE WanBooster」を導入し「キャッシュなし」の状態から開始した場合は8.77Mbpsに向上。キャッシュに完全ヒットする状態では、50.6Mbpsまで高速化できるという。コスト面でも、WAN最適化により、帯域保証型の高額な回線プランではなく、ベストエフォート型の安価な低速回線プランを活用できるようになるため、回線使用のランニングコストを大幅に削減することが可能となる。

ディスクミラーリングに対する効果
条件 WanBoosterなし WanBoosterあり
(キャッシュなしから開始)
WanBoosterあり
(キャッシュに完全にヒット)
実効速度
6.34Mbps
8.77Mbps
50.6Mbps
効果回線帯域10Mbps、遅延10ミリ秒

 なお、同社では、品川と大阪に開設している「ブロードバンドソリューションセンター」において、「CLUSTERPRO Xシリーズ」と「UNIVERGE WanBooster」を組み合わせた遠隔クラスタシステムを実際に構築しており、「UNIVERGE WanBooster」の実効速度が体感できるデモ環境も用意しているので、ぜひ試してほしい。

ホワイトペーパー

 災害対策ソリューションを選択および導入するに当たって、災害が発生した際に遠隔サイトでも業務が行える事業継続性と、サイト間での確実なデータのやりとりを支える通信の確保は大きなポイントとなる。

 そこでNECが提供するのが、高可用性クラスタリングソフトウェア「CLUSTERPRO」とWAN高速化アプライアンス「WanBooster」を組み合わせた災害対策ソリューションだ。CLUSTERPROが実現する業務の継続性にWanBoosterのWAN高速化技術を加えることで、前述した2つつの問題を解決する。

 このホワイトペーパーでは、CLUSTEPRROが実現するハイブリッド型遠隔クラスタリングと自身の障害検知技術、WanBoosterによるWAN高速化技術の背景や性能について解説する。



提供:日本電気株式会社
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT情報マネジメント 編集部
掲載内容有効期限:2008年08月15日

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