NetBackup for VMwareのアプローチとは 仮想サーバをどうやってバックアップするか 〜バックアップ手法の違いとシマンテックの実装〜 |
データセンターを検討するとき、もう仮想化を無視することはできないだろう。サーバ使用効率向上を狙える仮想化だが、物理サーバと同じバックアップ手法でいいのだろうか? シマンテックの答えは「NetBackup for VMware」にある。 |
無視できないサーバの利用効率、仮想化に活路 | ||
一般的なサーバの利用効率は50%を大きく下回っており、投資に見合うレベルで活用されているとは言いがたい状況にあることはすでに広く認知されている。その解決策として注目を集めているソフトウェアベースの仮想化技術は、安価なIAサーバで利用できる仮想化製品が成熟段階に達したことから急速に利用が拡大している。企業内の基幹アプリケーションやデータベースまでも仮想サーバ上で運用する例が出始めているが、それに伴ってバックアップの重要性も高まっている状況だ。
仮想環境におけるバックアップの課題 | ||
サーバを仮想化することで、従来存在しなかった新しい問題が発生する。バックアップもその1つだといえる。
仮想サーバ上にバックアップエージェント(クライアント)をインストールしてバックアップを行う手法は仮想化サーバでも利用可能だ。しかし、バックアップやリストアの操作が従来と同一で運用管理体制の変更が不要というメリットはあるものの、問題も抱えている。それは、バックアップジョブがI/O依存の処理で、負荷が重いことだ。
物理サーバでは処理能力に余裕があるためにあまり意識せずに済むことも多かったが、仮想サーバでは仮想化によるデバイスアクセスのオーバーヘッドや、複数の仮想サーバがI/Oデバイスを共用することに伴うパフォーマンス低下について検討する必要がある。
複数の仮想サーバを1台の物理サーバに統合することでサーバのハードウェアリソースの利用効率を高め、処理能力をフルに使い切れるようにする、というのが仮想化導入の大きなメリットだが、こうした環境でバックアップジョブを走らせると、バックアップが始まった途端にリソース不足に陥ることも考えられる。ある仮想サーバのバックアップを開始した途端、他の仮想サーバのパフォーマンスが低下することも考えられるだろう。
図1 仮想化を進めることでリソースを有効活用できるが、バックアップ時間の確保は…… |
仮想化が急速に普及した現状を受けて、バックアップソフトウェアは各製品とも仮想化環境対応をアピールしているが、対応レベルにはバラツキがあり、どれでも同じというわけではない。単に仮想サーバ上にインストールして使えます、というレベルの話だと、I/Oパフォーマンス問題に悩まされる結果に終わってしまうだろう。
NetBackupが提供する解決手法とは | ||
シマンテックのエンタープライズ環境向けのバックアップソフトウェア「Veritas NetBackup 6.5」(NBU)では、VMware環境にネイティブ対応している。ゲストOS上にバックアップクライアント(NBUクライアント)をインストールする従来通りの手法が利用できるのはもちろんだが、それ以外にもVMwareが提供するバックアップ用の新しい手法もサポートし、メリット/デメリットを勘案した選択が可能になっている点が特徴だ。
通常のソフトウェアと同様に、各ゲストOS上にNBUクライアントをインストールし、バックアップを取ることも可能だ。NBUは、ゲストOSがサポート対象であれば、仮想環境であってもサポートする。したがって、NBUと同様に幅広いOS対応の恩恵を受けることができる。
一方、この手法は、複数のゲストOS上で同時にバックアップを取る場合のVMware ESXに対するI/O負荷が懸念されることになり、同時に実行するバックアップジョブの数に配慮したスケジューリングが必要になるため、結果としてバックアップウィンドウ内でバックアップが完了しないという事態も想定される。
図2 VMware Consolidated Backup のプロセス SANで接続されたプロキシサーバがバックアップ処理を行うため、仮想サーバへの負荷が最小限に抑えられる。VMDKファイル内の個々のファイルへもアクセス可能だ。 |
VMware環境での最新バックアップ手法となるのが、VMwareが提供するVCB(VMware Consolidated Backup)を利用するものだ。VCBでは、バックアップの実行前にゲストOSのイメージのスナップショットを作成し、それを別の「プロキシサーバ」にマウントすることで、仮想サーバ環境に対する負荷を最小限に留めつつ、オンラインバックアップを可能とする。別途プロキシサーバを用意する必要があるなどの準備の負担は発生するが、仮想サーバを24時間連続稼働している場合などには有効な手法となる。
NBU 6.5ではVCBをネイティブサポートし、さらに独自の「Granular Recovery Technology (GRT)」技術を利用してVMDKファイルの内部の個々のファイルのマッピングを行うことで、VMDKファイル全体のバックアップから、内部のファイル単位のリストアが可能となっている。単一のバックアップから柔軟なリストアが可能であり、1つのファイルをリストアするために仮想サーバ環境全体をリストアする、といった無駄は避けられる。
仮想サーバのバックアップにはさまざまな手法があるので、ユーザーの環境ごとに最適なものを選ぶことが望ましいが、そもそも選択肢が提供されているかどうかが重要だ。NBUは2007年のVMwareのイベント「VMworld」で“Best of VMworld Gold Award for Data Protection and Security”を受賞した製品であり、いわばVMwareが認めたバックアップソフトウェアでもある。現時点での最新手法も含めた複数のバックアップ手法を選択できる点と合わせ、仮想サーバのバックアップに最適な製品だといえる。
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提供:株式会社シマンテック
企画:アイティメディア 営業本部
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2008年12月22日
ソリューションFLASH Pick UP!
クロネコデータセンター
ヤマトシステム開発
ヤマトシステム開発は「クロネコヤマトの宅急便」で有名なヤマト運輸のコンピュータ部門に起源を持ち、ヤマトグループの ITシステムを30年以上に渡って支え続けてきた。全国にきめ細かなネットワークを持つヤマト運輸のITシステムへ求められる要件に応える過程で蓄積された、さまざまなノウハウを活かし、ユニークなサービスを展開する。
Adaptec RAID 5シリーズ、2シリーズ
アダプテックジャパン
2007年に「グリーンIT推進協議会」が設立されるなど、国内でもITの省エネ議論が活発になっている。しかし実はそれ以前から、商用データセンターや企業のデータセンターでは省電力が重要な課題だった。サーバやストレージの台数は増やさざるを得ないものの、データセンターでの電源供給には上限があり、その範囲内に納めるのが担当者にとっての頭痛の種だったのだ。ITの省電力については、これまでシステム全体で電力消費を抑えるというアプローチはあったが、それなりのコストを伴うことが導入の阻害要因となっていた。しかしアダプテックは、オープンな省電力技術により、「コストの掛からない省エネ」を実現する。
最新ストレージ技術を活用した、データセンター省電力化アプローチ
EMCジャパン
データセンターでは、企業活動を支えるITインフラの設置場所として高度な信頼性や耐障害性が求められるのは当然だが、それに加えて現在では、高度な効率性も求められるようになってきている。信頼性を高めるためにはコストに糸目は付けない、などと言える状況ではなくなってきているのだ。データセンターに設置される機器の主役とも言えるサーバとストレージに関して、EMCは仮想化を初めとするさまざまな最新技術を導入することで高度な効率性を実現する。
Veritas NetBackup 6.5 for VMware
シマンテック
データセンターを検討するとき、もう仮想化を無視することはできないだろう。サーバ使用効率向上を狙える仮想化だが、物理サーバと同じバックアップ手法でいいのだろうか? シマンテックの答えは「NetBackup for VMware」にある。
Veritas Storage Foundation
シマンテック
現在ではサーバの仮想化が注目を集めているが、技術の成熟度合いとしてはサーバの仮想化よりも「ストレージの仮想化」の方が先行している面がある。仮想化機能を備えたストレージハードウェアも各種販売されているが、機種ごとの機能がまちまちだったり、手持ちの古いストレージデバイスが取り残されてしまったりといった問題が生じる可能性もある。広範な種類のハードウェアをサポートできる、ソフトウェアによる仮想化のメリットに、あらためて注目が集まる。
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