仮想化環境への対応も一般化 バックアップソリューションに求められる機能とは |
ITシステムは、今や企業の経営資源やビジネスを支える重要な基盤だ。このITインフラを、さまざまなリスクから守ることの重要性が増している。ITインフラを効率よく保護し、さらにビジネスの継続性まで考慮した、いざというときに備えるバックアップソリューションとは、どのようなものだろうか。 |
データバックアップとイメージバックアップ | ||
中小規模のITシステムで利用されるバックアップには、大きく分けて「データバックアップ」と「イメージバックアップ」がある。データバックアップは、特定のボリュームやフォルダ、ファイルだけを対象にバックアップを行う方法だ。一方、イメージバックアップはOSやアプリケーションを含めてディスクごとバックアップする方法だ。
システム一式を丸ごとバックアップする、イメージバックアップはバックアップ容量が肥大化しがちという印象があるかもしれない。しかし、メールボックスやデータベースなどデータ容量が急増している今、容量の観点から見ればデータバックアップとイメージバックアップの差は縮んでいると言える。
イメージバックアップのメリットは、万が一の障害時にOSやアプリケーションの再インストールが不要で、復旧時間が短くなる点にある。例えばメールボックスのファイルだけをバックアップしていても、結局、OSやメールソフトを再インストールしなければメールが読めないため、ダウンタイムを短くするという点ではイメージバックアップのほうが有利だ。
逆にイメージバックアップのデメリットは、ファイルやフォルダ単位での復元が難しかったことや、システムを止めずにバックアップ作業を行う「ホットバックアップ」が難しく、また一般的でなかったことだ。しかし、これらの課題は近年のOSやデータベース製品のホットバックアップ対応や、バックアップソリューションの進化によって大幅に緩和されている。例えば、ほとんどのソリューションで、バックアップイメージをストレージのようにファイルシステムにマウントし、特定のファイルだけを復元するといったこともできるようになっている。こうした変化を考えると、イメージバックアップを中心にバックアップソリューションを検討するのが良いだろう。
これはイメージバックアップに限ったことではないが、バックアップ手法にはいくつかアプローチがある。フルバックアップと、増分バックアップ、差分バックアップだ。
常にフルバックアップを行うと負荷が大きいため、日常的には新たに発生したデータの分だけバックアップ対象とする差分バックアップや増分バックアップを使うが一般的だ。差分バックアップはオリジナルのアーカイブに対する差分を作るもので、復旧は速いが、毎回のバックアップ対象データの容量が多くなりがちというデメリットがある。
これに対して、増分バックアップは、バックアップのたびに段階的に増えたデータだけをバックアップ対象とする。このため、毎回のバックアップは短時間で済むが、逆に復旧には、すべての増分データを用いるため、やや時間がかかるというデメリットがある。すべての増分バックアップデータが確実に残っている必要がある、というのも運用によっては面倒かもしれない。
差分バックアップにするのがいいか、増分バックアップにするのがいいかは、運用形態にもよるため一概には言えない。ただ、複数の増分データを統合して、増分バックアップと差分バックアップの両方の良い点を取るようなアプローチも登場してきてるのは注目に値するだろう。
いかにビジネスを止めないか、邪魔しないか | ||
さて、こうした良く知られたポイントのほかにも、最近のイメージバックアップソリューションでは、気にとめておくべき点がいくつかある。
1つは緊急時の対応方法についてである。サーバが物理的に故障した場合など、そのサーバの故障個所を修復し、その後にシステムを復元しなければならないが、かといってそれまでの間ビジネスを止めるわけにはいかない。そこで、別サーバにシステムを復元したり、仮想環境を用意して仮想サーバを稼働させ、その上にシステムを復元して仮運用するといった対応もあり得るだろう。この点を考慮すると、復元先として元のディスクボリューム以外にも、異なるシステム構成の物理サーバや、さまざまな仮想環境に対応したソリューションを選ぶことが重要となってくる。
リストアに際して問題となるのはメールボックスやデータベースのファイルだ。一般にメールボックスは多数のメールをまとめた特殊なバイナリ形式となっているため、過去のメールを1通1通、メール単位で読むことはできない。このため、ビジネス上、メールだけは何をさしおいても真っ先に復旧して読めるようにならなければならない、という運用を考えるなら、各種メールボックスの形式に対応していてWebブラウザなどからメールを個別に取り出せる専用のソリューションも検討するべきかもしれない。
バックアップソリューション選択の基準はこのほかにも、複数サーバをバックアップする場合の管理のやりやすさや、スケジュール設定や優先度設定の柔軟さ、ウィザードの使いやすさなど多くある。データ容量が急増する昨今、日々のバックアップによって発生するネットワーク帯域への負荷、ディスクの読み書き負荷などをいかに抑えるかを十分に考えて、ソリューションを選定することが肝要といえる。
ソリューションFLASH Pick UP! |
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提供:株式会社ラネクシー
株式会社シマンテック
企画:アイティメディア 営業本部
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2009年3月20日
ソリューションFLASH Pick UP!
Acronis True Image Echo Enterprise Server/Workstation
ラネクシー
事業継続性を高めるためには、障害からデータを保護するだけでなく、システムをいかに短時間で復旧するかが求められる。 WindowsやLinuxサーバ、仮想マシン、クライアントPCなどで構成される企業システムのポリシーは統一されているだろうか?ラネクシーはイメージバックアップを提案することで、復旧時間を従来の約1/6に短縮する。
Symantec Backup Exec System Recovery 8.5
シマンテック
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事業継続を効率的に実現するカギは“イメージバックアップ”
真の事業継続を実現するには、単にバックアップを取っておくだけではなく、障害から迅速に復旧できる手段を講じておかなければならない。これを効率的に実現するのが、ソフトウェアによるイメージバックアップだ。
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バックアップ/リストアシステムの構築にはコストが掛かると思われがちだが、Symantec Backup Exec System Recoveryなら少ないコストと工数でデータとシステムの効率的なバックアップ/リストアを実現できる。