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@IT > デフラグ、Windowsに標準搭載されている機能で満足していますか?「Diskeeper 10 日本語版 Professional Premier Edition」 |
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Diskeeper(ディスキーパー)は、Windows、特にNTFSに対応するデフラグメンターとして定番といえる製品だ。このほど、新バージョンのDiskeeper 10日本語版がリリースされ、さらに機能強化を果たした。気になる中身を見てみよう。
ハードディスクはブロック・アクセス・メディアであり、一定サイズのブロックを単位としてデータの読み書きを行う。ブロック・サイズを超える大きさのファイルは複数のブロックに分割されて書き込まれる。ブロックの配置はファイル・システムが管理しており、ブロックがディスク上にバラバラに配置されていても、データが破壊されたりはしない。 しかし、ディスク上で離れた場所にあるブロックを読み出すためには、磁気ヘッドを移動するという作業が必要になるため、余分な時間が掛かる。ディスク上にバラバラに配置されたブロックを順序よく読み出して元通りのファイルを復元するより、順序通りに並んでいるブロックを一気に読み出す方が合理的なのは容易に想像できるだろう。 とはいえ、ディスクへのデータの書き込みや削除を繰り返していると、どうしてもブロックの配置が分散してきてしまう。こうして分断されたファイルが増えてしまうことをフラグメント化(断片化)と呼び、フラグメント化状態を解消してブロックをきれいに配置し直すことをデフラグ(最適化)と呼んでいる。デフラグメントを行うソフトウェアが、デフラグメンターだ。 フラグメント化したディスクでは、ファイルの読み出し/書き込みに余分な時間が掛かるようになる。PCの動作の中でも、ディスクアクセスは特に時間が掛かる処理なので、ここが低速化することの影響は大きい。事実上、ディスクアクセスが低速化した分がそのままユーザーに分かる形でのパフォーマンス低下となる。ただし、フラグメント化はある時一気に進行するというよりも、日々少しずつ悪化していくものだ。そのため、ユーザーが慣らされてしまってパフォーマンス低下に気付かないという面もある。 その結果、「PCの反応が悪くなった」「妙に遅い」といった“原因不明のトラブル”と見なされるような状況になることも珍しくはない。デフラグメンターは、PCのチューニングに熱心なパワーユーザー向けのツールと見られることも多いようだが、実は「PC内部のことを気にせず仕事に集中したい」ユーザーにとっての利用価値も極めて高いツールである。 Diskeeperは、「ユーザーに負担を掛けず、常にPCを最良の状態に保つ」ことを目指して設計されたツールだ。これを端的に示しているのが“Set It and Forget It”® と表現される開発哲学だ。これはつまり、一度設定したら後は放っておけばよい、ということを意味している。一般的に、デフラグメンターはユーザーが必要を感じた際に起動するという使い方になるが、これだとユーザーが「デフラグ処理が必要」ということを意識している必要がある。 一方、Diskeeperはシステムの状況を監視し、必要なタイミングで必要なだけの処理を行う。処理の効果と負荷のバランスにも配慮しており、かんぺきな処理を目指すあまり処理に長い時間を掛けてしまう、ということもない。フラグメントを完全になくすのではなく、実用上悪影響が出ないレベルに達したらそこで処理をとめるという動作がデフォルトであり、最小の負担で最大の効果を得ることを狙った実用的なツールなのである。
最新バージョンであるDiskeeper 10 日本語版は、8月10日にダウンロード販売が開始されたのに続き、9月15日からは小売店などを通じたパッケージ販売も始まる。 今回新たにクライアントPC/ワークステーション向けの最上位エディションとして、Professional Premier Edition(プロフェッショナルプレミアエディション)が追加されている。このエディションでは、企業クライアントやパワーユーザーを対象とし、論理ドライブ容量や同時処理数が大幅に強化されている点が特徴となる。 Diskeeper 10では、新機能として“I-FAAST(Intelligent File Access Acceleration Sequencing Technology:アイ・ファスト)”が追加された。Professional PremierおよびServer向けエディションで利用可能となる。従来のDiskeeperではファイルが格納されるディスク・ブロックを順番通りに一列に整列させることでデフラグを行っていたが、I-FAASTでは、ディスク上のファイルのアクセスパターンを自動的に分析し、最良のパフォーマンスが得られるように配置を変更する。I-FAASTによって、ファイルへのアクセスおよびファイル作成の性能は、最大で80%増、典型的には10〜20%の向上が見られるという。 また、64bitのプロセッサ/OSに対応したのも今バージョンの特徴だ。64bitに対応したエディションでは、64bit・システムで実行した際のパフォーマンスがさらに向上する。 さらに、“コアデフラグエンジン”の改良も行われ、大容量ハードディスクへの対応が強化された。大容量ドライブで実行した際の処理時間が短縮されたほか、空き領域が少ないドライブで実行した際の性能も向上した。また、ファイルのフラグメント解消だけでなく、ディスク上の空き領域の連結機能も強化された。この結果、デフラグ後のディスクの空き領域はごく少数に集められ、新たなフラグメントが発生しにくくなる。 同時に、大容量ディスク専用のデフラグエンジンとしてServer Enterprise Editionに搭載されているTVE(Terabyte Volume Engine:テラバイトボリュームエンジン)も改良された。従来TVEが利用されるパーティションの下限容量は100Gbytesだったのが60Gbytesに引き下げられ、より少ない容量から利用できるようになった。TVEは、特にファイル数が多いボリュームでは通常エンジンに比べて大幅な処理時間の短縮が期待できるため、より少ない容量から利用できるようになり、利用範囲が拡大したことは朗報だ。 Diskeeperの特徴である、ディスクI/Oを監視してデフラグが必要なタイミングを判断する“I/OSmart(アイオースマート)”機能も強化された。今バージョンでは、アプリケーションの動作を察知し、アプリケーションの実行中はデフラグ処理を一時中止し、アプリケーションの処理終了後に再開するという断続的な動作が可能になった。例えば、デフラグ作業中にアンチウイルスソフトのスキャンが始まってしまったような場合でも、アプリケーションの処理に悪影響を与えることはなくなった。
デフラグメンターは、Windows 95でOS標準ツールとして搭載されたが、NTFSに対応するデフラグメンターは、Windows NTには搭載されなかった。NTFSはフラグメントが発生しても性能劣化が最小限で済むよう設計されているというのが理由だったが、その後Windows 2000からNTFS対応のデフラグメンターが搭載されるようになったことからも明らかなとおり、NTFSといえどもやはりデフラグを行った方がよいのである。 そして、Windows 2000で標準搭載されたデフラグメンターは、実はDiskeeperのサブセットである。つまり、Diskeeperはマイクロソフトが公式に採用したWindows標準デフラグメンターなのだといえる。 余談だが、Diskeeperの開発元であるDiskeeper Corporation(旧Executive Softwareから社名変更)は、もともとはDigital Equipment(DEC)のミニコンOSであるVMS向けにデフラグメンターを提供しており、高く評価されていたそうだ。 一方、Windows NTの開発者は、DECでVMSの開発を担当していたデビッド・カトラーであることはよく知られている。この縁がWindows NT標準デフラグメンターとしてのDiskeeperの採用につながっていると思われる。まさに、Windows誕生以前からのパートナーシップだといっても過言ではなさそうだ。
ところで、当然ではあるがWindowsに標準搭載されているデフラグ機能は、製品として販売されているDiskeeperのうちのごく基本的な部分のみに留まっている(参照:Windows 2000、Windows XP、および Windows Server 2003 のディスクデフラグの制限)。 Windows XPの場合、バージョンでいえばDiskeeper 5相当であり、その後のバージョンアップで性能/機能が大幅に向上していることから、現行バージョンであるDiskeeper 10とは大きな差がある。 処理速度は3〜5倍以上に達し、スケジューリング機能による自動実行や、Administrator Editionを利用した遠隔一括管理への対応など、使い勝手の面でも大差がある。Diskeeper 10ではユーザーインターフェイスのデザインが新しくなり、構成やスケジュール設定が従来以上に容易に行えるようになっているため、差はさらに拡がっている。
企業ではPCを利用して業務を行うのがもはや当たり前になっているが、社員全員がPCに精通しているわけではない。むしろ、多くの社員にとっては、PCに煩わされず業務に専念したいというのが本音だろう。しかしながら、ウイルスチェックなど、業務の妨げともなるPC上の処理が増える一方で、デフラグにまで気を回している余裕はないかもしれない。 しかし、DiskeeperならAdministorator Editionを利用してIT部門が各PC上のDiskeeperを遠隔管理できるため、個々のユーザーには一切負担を掛けずに運用することが可能だ。自動的にこまめにデフラグを実行することで、ウイルスチェックのように「処理が始まったとたんにアプリケーションのパフォーマンスが急低下し、仕事にならなくなる」という目に遭うことはない。
PCの処理性能に敏感なパワーユーザーだけでなく、企業ユーザーにとっても利用を検討する価値の高いツールである。
提供:相栄電器株式会社
企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT 編集部 掲載内容有効期限:2006年10月18日 |
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