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@IT[FYI] 企画:アットマークアイティ 営業企画局
制作:アットマーク・アイティ 編集局
掲載内容有効期限:2004年1月31日

 
 

ソニーが実現した超低価格VPNの秘密
“bit-drive”


 ソニーの法人向けインターネット通信サービス「bit-drive」。圧倒的な低価格と、すぐれた付加価値を武器にシェアを伸ばしてきた。2003年9月には光ファイバサービスの全国展開も完了。ソニーの誇る非接触型ICカード技術「FeliCa(フェリカ)」を使ったリモートアクセスサービスなど、さまざまな付加価値機能も打ち出している。「bit-drive」の人気の秘密に迫った。

 そもそもソニーは、法人向けの回線サービスでは後発だった。1990年代末には第一種通信事業者の免許は取得していたものの、実際に通信事業を開始したのは2000年、加入者系無線アクセスシステム(WLL)という無線通信網で参入してからのことだ。その後、ADSLや光ファイバなどを強化し、法人向けに総合的な通信サービスを提供するようになった。そして、2003年9月に光ファイバを足回りに使った「ファイバーリンク」サービスの全国展開を完了。さらにソニーの誇る非接触型ICカード「FeliCa」を使ったセキュアアクセスサービス「CRYP(クリプ)」を発表するなど、矢継ぎ早に新しいサービスをスタートさせている。

「広帯域化=高額化」の崩壊

 かつて、企業のセキュアなアクセス回線といえば専用線やフレームリレーが主流だった。そうした時代は長く続いたのだが、料金が高止まりしているという批判は根強かった。例えば、フレームリレーの場合、全国10カ所の拠点を結ぶネットワークを構築すると、回線速度はわずか128Kbps程度しかないのにもかかわらず、価格は月額100万円ほどにもなる。というのは、同時に高価なATM(非同期転送モード)交換機を導入しなければならなかったからだ。これに対し、IP化されて安価な通信機器を利用できる最近の通信網は、劇的な価格破壊を起こしている。例えばIP-VPNは同規模の通信網で月額50万円程度で構築することが可能だ。しかも帯域は、100Mbpsにまで高速化されている。かつての「広帯域化=高額化」という図式は、完全に崩れ去っている。

利用回線 月額費用
フレームリレー 約100万円
広域イーサネット 約40万円
IP-VPN 約50万円
bit-drive 26万6400円
表1 従来型アクセス回線との価格比較
(国内10カ所の拠点を結ぶネットワークを構築した場合の試算)

 インターネット網を使うインターネットVPNはさらに価格が安くなっている。bit-driveは、その象徴ともいえる存在だろう。bit-driveと名付けられたこのサービスは、ソニーらしい魅力にあふれている。だがその中で唯一、ソニーにしては珍しいといえる面がある。それは、価格が極めて低く押さえられていることだ。

どんな競合他社にも負けないという価格設定

 例えばBフレッツのベーシックタイプを足回りに使い、固定のIPアドレス8個が利用できる「ファイバーリンク pro」は月額利用料が2万800円(NTTのBフレッツ利用料を除く)。初期費用が手数料、工事料合わせて1万8000円となっている。同じBフレッツのベーシックを使い8個のIPアドレスを提要する他社のサービスは、多くが3万円台から4万円台という価格帯になっている。bit-driveはその半額に近い料金といえる。

 同じ足回りで固定IPアドレス1個の場合も同様だ。大手通信キャリアの料金が月額2万5000円〜2万8000円程度となっているのに対し、bit-driveの「ファイバーリンク pro IP1」は月額1万4800円。そのコストメリットは明快だろう。

提供会社 月額費用
ISP A社 3万4500円
ISP B社 4万2000円
bit-drive 2万800円
表2 Bフレッツ ベーシックを採 用した固定IP8個のサービスの価格比較

 例えば、従業員数十人規模の企業で、東京と大阪のオフィスに8IPアドレスのファイバーリンク proを導入し、仙台や福岡などその他の拠点8カ所にファイバーリンク pro IP1を導入するケースを考えてみよう。大手キャリアのA社の料金で同種のサービスを試算すると、月額27万3000円。だがbit-driveの場合は、わずか16万円になる。月額11万3000円のコストカットは、決して小さな数字ではない。

図1 bit-driveの典型的利用パターン

 それにしても、なぜこれほどの高付加価値な通信サービスが、安価に提供できるのだろうか。

写真1 ソニー ネットワークアプリケーション&コンテンツサービスセクターの藤原宏之氏

 この点について、ソニー・ネットワークアプリケーション&コンテンツサービスセクターの藤原宏之氏 は、「通信事業者としては、わずか3年の歴史しか持っていないため、ギガビット・ イーサなど最先端の通信インフラに思い切って投資を振り分けられます。トラフィック・コントロールなどのネットワーク・マネジメントをきっちり行い、運用品質の管理を徹底することで、ユーザー本位の高付加価値な通信品質と価格をご提供 しています」と語る。

 さらに、サービスエリア展開も、当初大都市圏からスタートさせ、顧客のニーズに合わせて徐々に地方へと拡大する戦略を採った。無駄な投資は極力絞り、その分低価格でサービスを提供するという方針が功を奏したのである。

料金体系が明快なソリューションサービス「DigitalGate」

 bit-driveのコストメリットは、回線本体の価格だけではない。最大のアドバンテージを端的にいえば、ワンストップのネットワークサービスを安価に導入できる、ということに尽きる。もう1つ、その存在感を強烈にアピールしているものとして、「DigitalGate」というオールインワン・ネットワークサーバがある。

 DigitalGateは、bit-driveでのレンタル提供を主眼において開発されたソニー製サーバだ。回線利用者に提供される付加価値サービス「ネットワークサーバーパック」は、専用サーバをユーザーの社内に設置し、月額費用わずか3万円で受けられる。この中にWebやDNS、メール、FTP、メーリングリスト、proxyなどの一般的なサーバ機能が含まれる。何よりも驚かされるのは、この料金でDigitalGateによって構築されたインターネットVPNが利用できることだ。IPsecに準拠しており、スループットは最大40Mbps。最大128トンネルまで接続可能となっている。VPNについては、さらに安価なサービス「DigitalGate VPNプラス」も登場している。VPNルータを提供するもので、月額費用はわずか5800円。本社には月額3万円のネットワークサーバーパックを設置し、小規模な地方拠点にはVPNプラスを導入すれば、極めて安価にインターネットVPNが構築できる。例えば、先の例に挙げた東京・大阪・その他8カ所のオフィスを持つ企業の場合、東京と大阪にネットワークサーバーパック、その他8カ所のオフィスにDigitalGate VPNプラスを導入する。月額費用の合計は、10万6400円だ。これにファイバーリンクの料金を加えると、わずか26万6400円というコストで、全国10カ所の拠点をインターネットVPNによって結ぶことができるようになる。

図2 bit-driveのVPN構成例

 しかもDigitalGateのこの月額3万円という料金には、保守サービスやヘルプデスク、24時間Ping監視、オンラインバージョンアップなどの運用管理コストの大半が含まれている。

写真2 ソニー ネットワークアプリケーション&コンテンツサービスセクター川島竜之介氏

 初期費用は、ドメイン名やIPアドレスなどの基本設定をメモリースティック経由で行い、業者が設置するベーシックセットアップサービスが2万円。これに加えて専任エンジニアによるヒアリングを行い、ファイアウォールの運用ルールなどの詳細設定を行うアドバンストセットアップサービスが7万円。そして専任エンジニアによるヒアリングと設置設定訪問(1回)が行われるプレミアムセットアップサービスが11万円となっている。

 こうして価格を並べてみると分かるのは、料金体系が極めて明快であるということだ。例えばSI業者に丸投げするかたちでシステムを導入した場合、料金が何とも不透明であるケースが少なくない。ソニー ネットワークアプリケーション&コンテンツサービスセクター サービスビジネスセンター 通信サービス事業部 ネットワークビジネス部 営業課 川島竜之介氏はこう語る。

 「例えば、ルータの設定を行うだけで、10万円や20万円といった高額の費用を請求されてしまう。しかも料金がどれだけかかるのかは、作業が完了してみないと分からない。比較的安価にシステムを導入しても、運用管理コストが高くなってしまい、結果的にTCOが増大してしまった、というケースは少なくない」

 DigitalGateの料金体系は、こうした古い業界体質への挑戦ともいえるのではないだろうか。

ASPサービスで安全なリモートアクセスを

 DigitalGateはインターネットVPN以外にも、ゲートウェイ機能としてファイアウォールやDMZ(DeMilitarized Zone)、PRA(Private Resource Access)などの機能を搭載している。中でも注目されるのは、PRAだ。セキュリティを保持したまま、自宅や外出先のWindowsマシンで社内LANのリソースにアクセスできる機能である。Windows用の専用クライアントソフトが用意され、DigitalGateに無償バンドルされる。PRAポートフォワードはpopやsmtp、http、telnetなど、TCP固定ポートに接続するアプリケーションが利用できる。クライアント側はNAT越えも可能で、ユーザー数に制限がないなど使い勝手も非常に良い。

 一方、社内のファイルにセキュアにアクセスできるPRAファイルシェアは、クライアントとDigitalGate間のデータのやり取りをSSLによって暗号化している。クライアントのWebブラウザからファイルのダウンロード・アップロードが可能で、誰にでも簡単に使いこなせるのが特徴だ。

図3 PRAの利用イメージ

 そしてこのDigitalGateのリモートアクセス環境に、この秋さらに新しいオプション機能が加わった。「CRYP(クリプ)」と呼ばれるセキュアアクセスサービスだ。CRYPは新技術がふんだんに使われ、ソニーらしさが存分に発揮された新しいサービスといえる。

写真3 CRYPの使用イメージ

 仕組みは簡単だ。社外で利用するノートPCなどのマシンに専用カードリーダー「PaSoRi」をUSB接続し、ソニーの非接触型ICカード技術「FeliCa(フェリカ)」を使ったCRYPカードをかざす。認証を集中管理しているbit-driveのCRYP認証サーバで自動的に認証が行われ、社内LANにDigitalGate経由でセキュアなアクセスが行えるようになる。

 CRYPは無線LAN認証にも対応している。最近、モバイルPCの普及にともない、会議室や共用ミーティングスペースなどで無線LANを利用するケースが増えている。しかし、無線LANはデータが漏えいする危険性が極めて高く、ビジネスシーンにおける無線LAN導入には、セキュリティ面でのハードルが高かった。だがCRYPを利用すれば、IEEE802.1xの認証方法を使ってユーザーごとのアクセス制御を行うことができ、無線LANの不正利用や無線区間からの盗聴、なりすましを防ぎ、セキュリティレベルを高めることができる。

図4 CRYPの仕組み

 非接触型ICカードを利用したモバイルワークスタイル発想は、ソニーらしく斬新であり、そして極めて実用的だ。こうした分野から、ビジネスシーンでのユビキタス化は進んでいくのではないだろうか。

 ここまで、ソニーの法人向けインターネット通信サービス「bit-drive」の競争力や付加価値を紹介した。回線本体や、月額3万円で提供する付加価値としてのワンストップのネットワークサービスのコストメリット、安全なリモートアクセスサービスPRAや無線LAN対応非接触型認証ICカード技術CRYPの付加価値のアドバンテージをご理解いただけたろうか。ここまで読まれた読者なら、低価格・高付加価値サービス実現の裏にある、ソニーのビジネスインフラソリューション提供にかける思いを読み取られたことだろう。安価で容易な運用管理、そしてなにより安全なネットワークを求めるネットワーク担当者なら、強烈な魅力を感じていただけるに違いない。サービスに興味を持たれた読者はぜひ以下のページからアクセスしてほしい。

 

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