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掲載内容有効期限2003年6月30日

 

SPSS製品 導入事例探求シリーズ
第9回 多摩大学編
「データマイニングがこれからの学校経営を支える」

データマイニングは、あるアクションがどのような結果につながるのかについての示唆を与えてくれる

社会人教育にいち早く取り組み、“Clementine”を用いたデータマイニング講座で実績をあげている多摩大学は、学部教育内容においても、SPSSの“AnswerTree”を用いて、データマイニングによる授業改善に取り組んでいるという。なぜデータマイニングに着目したのだろうか

 近年、スキルアップ/キャリアアップを目指す社会人が増えてきたことに呼応して、社会人教育に取り組む教育機関が多くなってきた。しかし、このところ大学院への入学希望者数は2万3000名ほどでほぼ横ばい状態だという。もはや、社会人教育市場には以前ほどの成長が期待できないということなのだろう。当然、社会人教育を手がける教育機関の競争も激化しており、独自性のある講座を提供していかないと、受講生獲得が難しいというのが現状である。そこで、今回は、社会人教育にいち早く取り組み、SPSS製品を用いたデータマイニング講座で実績をあげている多摩大学の事例を取り上げる。同講座の講師である、多摩大学経営情報学部 学部長 今泉忠氏、および同助教授 山本義郎氏に話を伺った。

左から、SPSS 横関氏、
多摩大学経営情報学部 学部長 今泉教授、
同学部 山本助教授

 
社会人教育のさきがけ「多摩大学ルネッサンスセンター」

 社会人のための夜間大学院を日本で最初に開講した多摩大学は、大学と企業の新たなるコラボレーションの場として、2001年秋、東京・渋谷駅にあるオフィスビル、渋谷マークシティに「ルネッサンスセンター」を開設。社会人高度教育講座(通称:ルネ大学)をスタートした。2003年春には第4期目が開講し、12ものプログラムを提供している。
多摩大学経営情報学部
学部長 今泉教授

  「本校が、ルネ大学の教育方針として掲げているのは、単なる知識やスキルを教えるのではなく、フィロソフィ(哲学)を含めた教育を行うということです。例えば、経営者をどうしたら育成できるかなどについての『40歳代CEO育成講座』というプログラムでは、組織のマネジメントスキルだけでなく、CEOとして心得ておくべき基本的な考え方や姿勢といった、マネジメントが持つべき“フィロソフィ”を伝
授していくことを行っています。こうした教育方針がどの講座にも一貫しているということは、とても重要ではないでしょうか」と今泉氏が社会人教育のあるべき姿について語ってくれた。

 ルネ大学では、こうした教育方針に基づいて、ユニークな内容の講座を開講しているが、そのうちの1つに「マーケティングのためのデータマイニング講座」というのがある。この講座では、SPSSの“Clementine”が全面的に活用されているそうだが、多摩大学の担当営業であるSPSS横関氏によれば、

「同大学の経営情報学部にSPSSが導入されるのと同じタイミングで、“Clementine”も導入していただきました。現在、同学部では100ライセンス契約で、SPSSをご利用いただいています」

ということであった。また、同学部にSPSSが導入された理由について、山本氏は、

「文系の学生が利用しますので、プログラムベースよりはメニューベースで操作可能なものを導入したいと考えていました。同時に、マーケティングを志向している学生もいるので、社会人になってからも扱う可能性が高い製品が望ましく、使い易さや、企業への採用実績の高さから検討したところ、やはりSPSSが適切だと判断しました」

と説明したうえで、“Clementine”の導入経緯について、以下のように付け加えた。

「最終的には、自分で分析プログラムが組めるようになるのが理想ですが、入り口としては、あまり深い知識がなくても、GUIベースのストリームで分析フローを構築することができる“Clementine”が適しているだろうと考えました。SPSSで統計分析的なデータの扱い方を習得した上で、 “Clementine”でデータマイニングのストリームを考えるという使い方を想定し、この両製品を同時に導入しました」

 
グループワーク演習で「データマイニング」のスキルに磨きをかける

 3期目を迎える「マーケティングのためのデータマイニング講座」は、すでに募集定員数の20名を上回るほどの人気があるという。開講初期のころは、データマイニング製品の導入を提案する立場にある、システム開発系社員の受講が多かったそうだ。しかし、2期、3期と回を重ねるごとに、その顔ぶれは変化しており、今期はマーケティング部門などでデータマイニングを実際に活用する企業からの受講生が増えてきたという。統計学を専門としてきた今泉氏は、社会人教育として「データマイニング」に着目した理由についてこう述べている。

「統計分析というのは、データの分析を通じて現状を把握するためにはとても有効ですが、次にどんなアクションを取るべきなのかということまでは示唆してくれません。つまり、一定の分析手法で、単一の解を得るというのが一般的です。ところが、データマイニングというのは、あるアクションがどのような結果につながるのかについての示唆を与えてくれますし、文字通り、金脈を掘り当てるように、さまざまな知見を発見することができるわけです。それに、難しいのは“統計学”であって、“統計”そのものではありませんから、ビジネスの世界においても、データ分析活用の可能性を強く感じます」

それに続けて、

「本校のデータマイニング講座では、データマイニングの手法や分析結果の見方を教えるだけではありません。例えば、分析に先立って行うデータのスクリーニング(前処理)段階では、『何のために分析をするのか』『データをどう分析するのか』という、分析の目的やデータに対する基本的な視点から入って、データに対するフィロソフィを学んでいただいています」

と、今泉氏が説明してくれたように、同講座では、データマイニングの考え方から入り、クラスター分析、多次元尺度構成法(Multidimensional Scaling:MDS)、決定木、ニューラルネットワーク、自己組織化マップなど、ひと通りのデータマイニング手法を学べるようになっている。この講座の入門クラスでは、2日間で統計の基礎や“Clementine”の操作方法を学んでもらうそうだ(講座内容の詳細は、ルネ大学のWebサイトをご覧いただきたい)。

ルネッサンスセンターのWebサイトトップページ
(画面をクリックすると、ルネ大学のWebサイトへジャンプします)

 ところで、この講座の最大のセールスポイントとして挙げられるのが、「グループワークによる演習」であろう。あらかじめ特定業種などに偏らないよう配慮された4、5人のグループ編成に加え、各グループに1名ずつ講師が配されるという手厚い教育体制を取っている。そのため、この「グループワーク」はデータマイニングのスキル向上にとても効果があり、同時に受講生の満足度も高いという。

多摩大学経営情報学部
山本助教授

山本氏は、「グループワーク」の意義を次のように語る。

「経験則に頼りながら1人でデータ分析に取り組んでいると、どうしても分析手法やデータに対する見方、考え方が偏ってきます。特にデータ分析に対するセンスがよい人ほど、自分の得意な手法にもっていきがちです。ところが、グループで議論することで、『そんな見方や考え方があったのか!』といった、自分とは異なる視点に触れることができ、分析の幅を広げる、つまり分析スキルを磨くことができるわけです。講座が終了してからも、卒業生同士で熱心に勉強会を開催しているようで、ルネ大学でも出来る限り、勉強会の場所を提供するなど、サポートしています」

 この演習では、全グループ共通の演習用POSデータを用いて加工・分析を行い、その分析結果をまとめ、最終日にそれぞれグループ発表を行う。同じデータを用いているにもかかわらず、データに対する視点が違うと、まるで異なる分析内容になるということに驚く受講生もいるという。グループ発表では、SPSSの“AnswerTree”のツリー・ダイアグラム(樹木図)などを用いて、データの構造を分かりやすく提示し、発表を行うよう指導しているという。分析結果を効果的に伝え、相手を納得させるスキルも同時に身に付けることができるようだ。今泉氏は、受講生に対して、

「みなさんは、どんなに難しい分析手法を使われても結構です。しかし、分析結果を他人に伝えたいときには、A4用紙で2、3枚くらいにまとめないと、相手は理解してくれません。分析結果そのものだけでなく、いかに相手を説得させるかということも非常に大切です」

と、常々説いているそうだ。

 
学生の満足度調査から授業内容を改善、
それによる学部経営の改善にも取り組む多摩大学

 “AnswerTree”の活用については、強い思い入れをお持ちの今泉氏だが、その思い入れを裏付けるような、もう1つの興味深い話を伺うことができた。

「本校では、学生による授業評価を行っています。つまり、学生の満足度を測定して、授業内容の改善に役立てようということです。この授業評価データの分析に“AnswerTree”を活用しています。どこをどう改善すれば、どれだけ学生の満足度が上がるのか、という改善モデルの構造を“AnswerTree”によってビジュアル化します。それを各教授に示しながら、担当する授業について改善の方向性を説得するわけです。ふだんデータの分析結果など見たことがないという教授陣であっても、このツリー・ダイアグラム(樹木図)を示すと、比較的容易に改善点への理解を得ることができます」

画面をクリックすると拡大します
画面 “AnswerTree”のツリー・ダイアグラム(樹木図)

 

 残念ながら、実際の授業評価データによる分析内容をお見せいただくわけにはいかなかったが、“AnswerTree”のツリー・ダイアグラム(樹木図)は、ノードごとにグラフとテーブルが表示されるため、非常に見やすく、高品質なプレゼンテーション資料を簡単に作成することができる。さらに、個々のチャートやグラフ、各ノードに対応したデータを参照しながらそれぞれのグループをさらにクローズアップすることも可能だ。統計分析に慣れていない人でも、簡単にデータのセグメント化や分類が可能なほど、直感的に操作することができるので、多摩大学などの教育機関に限らず、さまざまな分野で活用することができる分析ツールであるといえる。

 
新たな活躍の場が広がるSPSS製品

SPSS 営業部
主任セールスコンサルタント
横関 智子氏

 2003年4月に、通常版の機能を制限した形ではあるが、学生限定・研究支援特別版「Clementine Graduate Pack」の販売を開始、学校教育への貢献にも力を入れているSPSSだが、この授業改善の話を聞いていた横関氏が最後にメッセージを投げかけてくれた。

「少子化の影響で今後ますます進学希望者自体が減ってきます。それに伴って、学校間の競争はいっそう激しくなるでしょうから、学生を獲得するためにも、『競争力のある学校経営』『効果的な学校マーケティング』に、ぜひデータマイニングを役立てていただきたいと思います。SPSSもいろいろな面からバックアップしていきます」とのこと。

 教育現場のサポートのみならず、今後は「学校経営」というさらなる活躍の場もSPSSには用意されているようだ。

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