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既存システムを捨てず最大限に活用、
EAIの代表製品eGateの実力を探る


サン・マイクロシステムズのSOAプラットフォーム「Sun Java CAPS」の中核コンポーネントである「eGate」は、豊富な実績を誇るEAIツールだ。eGateの存在により、Sun Java CAPSは、既存のレガシー資産からSOAまでカバーするプラットフォームとなっている。eGateの実力に迫る。

    EAI製品としての長い実績

サン・マイクロシステムズ ソフトウェア・ビジネス統括本部 ビジネス推進部 チーフアーキテクトの柏木武志氏

 「eGateには、EAI(Enterprise Application Integration:エンタープライズ・アプリケーション統合)ツールとして長い歴史と実績があります。例えば、メインフレームとWebシステムのように設計思想が大幅に異なるシステムを連携したシステム構築事例があります。また、別のシステムでは、毎秒120トランザクションの金融系システムに適用し、3年間にわたり安定稼働し続けています」。

 こう説明するのは、サン・マイクロシステムズ ソフトウェア・ビジネス統括本部 ビジネス推進部 チーフアーキテクトの柏木武志氏。発言の冒頭に登場するeGateは、SOAプラットフォーム「Sun Java CAPS」(Composite Application Platform Suite)の中核コンポーネントである「Sun SeeBeyond eGate Integrator」(以下、eGate)を指す。

 eGateは、EAI製品として、旧シービヨンド社(2006年1月にサン・マイクロシステムズ社と日本国内事業を統合)の時代からの長い実績を持つ製品である。その実力を詳しく見てみよう。

    “手組み”の弱点「データ連携」
EAIが解決

 異種システム連携のシステムを作る場合には、大きく分けて2つの選択肢がある。1つはEAIツールを活用する方法。もう1つは“手組み”、つまりカスタム・メイドのシステム構築により連携機能を実現する方法である。

 “手組み”とEAI製品を比較して、柏木氏は次のように説明する。「EAIツールを使うことで、開発とテストの工数を削減できるメリットが非常に大きいですね。私自身、異種分散システムの構築に参加した経験がありますが、場合によっては全体の工数の20%がデータの受け渡しの部分に費やされます。EAI製品の利用で、この工数を大幅に削減できます。また、すべてのサブシステムが完成する前に、連携機能の開発とテストを先行して済ますことができるというメリットも大きいと思います」。すでに数多くの実事例で厳しいテストを通過しているEAI製品だからこそ、このようなメリットが得られるわけである。

 以下では、このeGateの活用事例から、企業情報システムにおける今日的なニーズに、どのように対応していったのかを探っていこう。

    “高負荷”、“ミッション・クリティカル”に対応
「スケーラブルな分散システム」

 図1をご覧いただきたい。eGateを活用して構築した金融系システムの見取り図である。最大で毎秒120トランザクションという負荷に耐えながら、3年間の安定稼働の実績を持つ。このシステムの分散メッセージングを支えているのがeGateである。

図1 eGateを活用したチューニングで大幅にパフォーマンスを改善した金融系システムの事例

 このシステムでは、異なる大手ベンダの技術を組み合わせる必要があった。具体的には非同期連携ミドルウェアとデータベース管理システム(DBMS)を組み合わせた異種分散システムの構築が求められた。データを連携する過程では、データ形式の変換、文字コードの変換などの処理もリアルタイムで実行する必要があった。

 ここでの課題は信頼性と性能にあった。工夫をせずに異種分散を実装する場合は、性能要件の1/10程度のパフォーマンスにとどまってしまう。所望の性能を実現するため、eGateのノウハウを駆使してパフォーマンス・チューニングを施した。チューニングの内容は多岐に渡るが、特にメインフレームとオープン系を結ぶ連携のためJMS(Java Messaging System)によるメッセージ・キューと、eWayによるアダプタのインスタンスの両方を多重化し、メッセージ振り分けによる並列処理が有効になるようにしたことが、性能向上に寄与した。

 結果として、CPU数の増大に伴いほぼリニアに性能のスケーリングを達成できた。「ミッション・クリティカルなシステムをeGateを使って開発できたことには、誇りを持っています。また、アダプタとキューの多重化では、eGateが提供する管理機能を使うことで、非常に効率よくチューニングを進めることができました」(柏木氏)。

    信頼性の高いメッセージング
高度なデータ変換機能

 図2は、全世界に展開する企業のシステム統合を示したものである。「システム統合というと、例えばERP/SCM(Enterprise Resource Planning/Supply Chain Management)製品を導入して既存システムをリプレースする、という方法が話題になることがあります。しかし、今使っている仕組みで、十分仕事を支えているという場合も多いのです。それなら、既存システムはそのまま使って、ERPのようなものを作ろう、という考え方です」(柏木氏)。つまり、擬似的なERP/SCMを、既存システムを土台として構築したわけである。

 ここで工夫が必要だったのは、システム間を結ぶメッセージに「時差」が発生することである。世界中に拠点があることと、通信インフラの制約のため、場合によりメッセージが3日程度の遅れを伴って到着することがあった。そこで、このような時差がある環境に対応するため、メッセージにタイムスタンプを付け、世界中から届く情報に対しタイムスタンブを提供するウェブサービスを作成し、きちんと時系列に整理する工夫を施した。非同期メッセージによるシステム間連携には、この種のノウハウが必要となる。ノウハウを知るベンダのサポートが得られる点も、EAI製品のメリットの1つといえるだろう。

図2 各拠点に散らばる既存システムをeGateで統合することで、ERP相当のものを構築した事例

 

    運用性の違いも吸収
「メインフレーム/Webシステム連携」

 図3は、製造業の顧客企業におけるWebベースの在庫参照アプリケーションである。メインフレーム上の最新情報を吸い上げ、Webアプリケーションから参照可能とするものである。メインフレームの通信技術体系と、インターネット&UNIXという異なる文化のシステムをeGateにより結びつけた。

 このシステムの場合、eGateの導入には、安心感を提供するという効用もあった。「メインフレームと、UNIXマシンによるWebシステムとでは設計思想が全く異なる。両者を連携するシステムを作る上で、情報システム部の“心理的”な障壁は大きかった。それぞれ異なる環境への安定した接続環境を提供できるEAI製品の導入は、ホストアプリケーションの仕様運用をほとんど変更しないという面で、この障壁を乗り越えるのに意味があった」(柏木氏)。

図3 eGateによってメインフレーム系とUNIX系のシステムを連携した事例

 

    自動連携で情報システムの複雑性を解消

 例えば、製造業のある顧客では、特定の時期に発生する大量受注をさばくため、各地事業所に散在する在庫情報を1カ所に集約する必要があった。このような場合、バッチ処理を走らせてデータを集約するのが通例だが、事業所の数が非常に多く、しかも年数回しか発生しない処理のためのバッチ処理を記述することは実際的ではなかった。

 eGateの導入が、有効な解決策となった。eGateを使えば、散在するデータを集約する作業はお手のものである。さらに、データを自動的に「取りに行く」仕組みなので、多数の事業所の情報システムの管理者に余計な作業を依頼する必要もない。

 このほか、運用管理機能や障害対応の充実、アダプタの種類の豊富さがEAI製品を利用する場合のメリットとして挙げられることは言うまでもない。

    導入済み資産を捨てることなくSOA対応

 Sun Java CAPSはSOAプラットフォーム、eGateはEAI製品──こう並べると別種の技術のように聞こえる。だが実際には、両者は密接な関係を持っている。eGateは、例えばすでに販売が終了しているような古い世代の製品にも、システム間連携のための「足回り」を提供できる。そして、Sun Java CAPSのコンポーネント群を活用することで、これらアプリケーション統合インフラをJBI(Java Business Integration)やWebサービス(いわゆるWS-*仕様群)などSOA技術体系に適合させていくことが可能だ。

 すなわち、eGateは、導入済みのレガシー資産を捨てることなく、未来のシステムにつなげていくことが可能なプラットフォームなのである。

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統合化された統合のパワー

 「統合化された統合」−奇妙な表現かもしれない。
 しかし、もともときちんと連携して動作しないツール群に時間とコストとリスクをかけるのであれば、もはや笑ってはいられない。本書では、アプリケーション統合への道のりを示し、それらの重要性を考察する。

提供:サン・マイクロシステムズ株式会社
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2007年7月28日
 
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  しかし、もともときちんと連携して動作しないツール群に時間とコストとリスクをかけるのであれば、もはや笑ってはいられない。本書では、アプリケーション統合への道のりを示し、それらの重要性を考察する。

関連リンク
サン・マイクロシステムズ株式会社
Sun Java CAPSの製品ページ

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