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@IT > 新たなパラダイムによるシステム移行/統合こそが、企業システムを救う |
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劇的に変化し続ける企業システム環境において、昨今ではTCO削減の必要条件そのものが大きく変化しているといえるだろう。TCO削減の必要条件は端的にいえば、次の4点に要約できる。
(1)のスループットは従来と変わらないものの、(2)〜(4)が必要条件の前面に躍り出てきた点が最近の特徴である。米国の事例では、大量の小型・低価格サーバを導入し、大規模なネットワークシステムを構築している企業においては、サーバ1台当たりの消費電力量や発熱量の上昇による運用コストの高騰が、非常に深刻な課題として浮上している。 消費電力量や発熱量の上昇は、サーバを収納するラック1台当たりの電力供給量の上限が制約されているために、それ以上ラックにサーバを追加できないという状況に陥る。このような状況で、もし追加搭載しようとするならば、ラックそのものを追加しなければならないのである。 こうした課題を解決するためにサーバのスループットだけに注目して、従来と同じように小型・低価格サーバの導入を続ければ、間違いなく悪循環のサイクルに陥るだろう。日本でも、今後もインターネットアクセスの急増が予想されるxSPをはじめとしたIT企業を中心に、そうした懸念が現実のものとなってくることが容易に予測できる。 この問題点をいち早く指摘し、まったく新しいパラダイムを打ち出したのがシステムベンダのサン・マイクロシステムズだ。同社が最近打ち出した、SWaP(Space,Watt and Performance)というサーバの新評価基準の意義は大きい。
実は、サンの提唱には確かな裏付けがあるのである。昨年、姿を現したサーバ「Sun Fire CoolThreadsサーバ」(以下、CoolThreadsサーバ)がそれである。どこが新しいのか? 設計思想が斬新なのだ。 CoolThreadsサーバには、チップマルチセッティングというアーキテクチャが採用された。このアーキテクチャは、ソフトウェアでCPUを並列処理するのではなく、ハードウェアそのものが並列処理に適した構造になっている。このため、CoolThreadsサーバのCPUである「Ultra SPARC T1プロセッサ」は、1チップに8個のコア(CPU)を組み込み、1コア当たり4スレッド、最大32スレッドでの処理を可能としている。 つまり、CoolThreadsサーバは“1CPUのクロック周波数を追求する”のではなく、CPUの並列化によってパフォーマンスを向上させているのだ。そして、最大の特徴は8CPU相当にもかかわらず、そのCPUの消費電力が80W弱にすぎない点だ。その点から、CoolThreadsサーバを指して、「スポーツカーから低燃費のトラックへ」と表現されるほどだ。われわれはこの言葉を、「速いけれど実際のビジネスには役立たない道具から、本当にビジネスに役立つ道具へ」と翻訳することができるだろう。 このUltra SPARC T1プロセッサを搭載した「Sun Fire T1000」は、高さ1ラックユニット(1U)の筐体ながら、最大16GBytesのメモリおよび80GBytesの内蔵ディスクを搭載している。そして「Sun Fire T2000」は、高さ2ラックユニット(2U)の筐体に最大32GBytesのメモリおよび73GBytesの内蔵ディスクを持つのだ。それでいて、定格消費電力はT1000が228W、T2000は380Wを実現した。 CoolThreadsサーバは、これまでの必要条件である高スループットと、これからの必要条件である低消費電力・低発熱・省スペースを見事に両立させたマシンなのである。
この画期的なCoolThreadsサーバの登場とともに、Web層のシステムであっても“システム移行/統合がTCO削減に貢献する”という道筋が生まれた。これは、具体的なケーススタディを見れば一目瞭然なので、ここでは具体的なモデルケースを紹介しよう。 ケースA:まずは、12台のXeon搭載小型ラックサーバで構成されている現行のフロントエンドシステムを、2台のSun Fire T1000へとシステム移行/統合するケースの場合だ。このケースではCoolThreadsサーバに移行したことによって、Ultra SPARC T1プロセッサによる発熱量の低減(100度→80度以下)や消費電力の低減(550W×12台→240W×2台)、台数削減による管理工数の軽減などの改善効果が見られ、TCOは合計年間881万円から63万円となり、従来の約14分の1に削減された。
このケースからは、「フロントエンドシステムのケースですら、これだけの効果が見込まれる」という点が分かる。次のケーススタディでは、同様にバックエンドのUNIXサーバシステムにおけるモデルケースだ。 ケースB:13台の旧モデルのSunのサーバ(合計250CPU)で構成される現行システムを、2台のUltra SPARC VI+搭載サーバへとシステム移行/統合するケース。このケースでは、サーバの集約による管理コストの低減(13台→2台)やサーバ統合による省電力化(消費電力5万5456W→2万5930W)、最新機種への移行などの改善効果が見られた。この結果、TCOは合計で年間1億176万円から5352万円へと、約2分の1に削減された。
このように、システム移行/統合によって、懸案だった運用管理の負荷軽減や消費電力の劇的な削減が実現すると同時に、サーバの利用効率も向上する。しかし、システム移行/統合に着目した担当者ならば、「もっと具体的な形でTCO削減効果を実感したい」と考えるのは当然のことだろう。そこでサンは、そうしたニーズに応えるべく、簡易TCO調査/分析サービスを期間限定で無償提供している。 このサービスを利用することで、短期間(ヒアリング1日+情報分析・レポート作成5日+報告1日=約1週間)でシステム移行/統合によるTCO削減効果を実感できるだろう。まさに、マイ・ケーススタディだ。もちろん、Sunのサーバだけでなく、他社製サーバからの移行検討でもOKである。 こういったサービスは、システムのTCO削減を目指しているが、具体的に踏み出しづらい企業には朗報だ。1度トライされてみてはいかがだろうか?
提供:サン・マイクロシステムズ株式会社
企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT編集部 掲載内容有効期限:2006年4月23日 |
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