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[Isilon IQ導入事例] オムニバス・ジャパン株式会社

映像編集とCG制作の専門家集団が選んだ
クラスタストレージの実力


  映画・テレビ番組・CMといった映像コンテンツの編集やCG制作の専門家集団であるオムニバス・ジャパンは、業務の糧である映像やCGデータを保管する場所として、「どこからでも見えて安全な」ストレージを探していた。映像編集では、一度に扱うデータのサイズが大きい。大容量データを即座に探し出し、利用できる環境も必要だ。その高度な要求に応えるストレージシステムとして同社が採用したのが、アイシロン・システムズのクラスタストレージシステム「ISILON IQ」である。

 どこからでも見える大容量で安全なストレージが欲しい

 オムニバス・ジャパンは、「ポストプロダクション」分野で国内屈指の企業だ。ポストプロダクションとは映像作品の撮影後に行われる映像や音楽の編集、アフレコや効果音の追加、フィルムからTV信号やデジタルデータに変換する作業であるテレシネ、DVDなどへのパッケージングといった業務を指す。同社には撮影業務やCG制作業務の事業もあり、ポストプロダクションのスタッフと連携して、映像制作の入り口から出口まで一貫して魅力的なコンテンツ制作に関わっている。2006年公開の映画「LIMIT OF LOVE 海猿」で日本映画テレビ技術協会の映像技術賞を受賞して以来、映画のVFX(視覚効果)の仕事も増えてきたという。

 全工程をデジタルで行うオムニバス・ジャパンにとって、ストレージは業務の重要な基盤だ。映像データは15秒のCMでも最終パッケージのサイズが100〜200GBと、一般のアプリーションデータや文字情報などと比べてデータ量が格段に大きい。映画の編集や視覚効果の仕事になってくると数TBから数十TBは当たり前の世界だ。このため、それらを保管するストレージについては一般の企業にも増した切実さがある。

 しかし、ポストプロダクションやCG制作の仕事は、扱うデータ量を事前に予測することが不可能だ。依頼された仕事の内容により、データ量はまったく異なる。さらに、案件ベースでチームが作られ、各チームが個別に作業を進めていくという分散的な業務形態のため、ストレージに関する全社的な計画を策定するのも非常に困難だ。

 従来、オムニバス・ジャパンでは、CG制作や映像の編集をしている作業中にデータの保管場所が足りなくなると、コンピュータに詳しいスタッフが余っているPCにLinuxをインストールし、NASを即席で構築するといった方法で対処してきた。結果として、小規模の手作りNASがあちらこちらに散在することになってしまった。

 必要に迫られてとはいえ、その場その場の対応でストレージが増えてしまったことにより、徐々にさまざまな問題が顕在化してくる。まずは、目指すデータがどこにあるか分からないということが起こる。同じ作品内で映像を使い回すことがあり、さらに最近では自社が著作権を持っている映像データを二次利用することが指向され始めているため、再利用する素材を探すことが多くなっているという。こうした場合に目的のデータを見つけるのが大変ということになれば、見つけた素材のコピーを自分のよく分かっている範囲に置きたくなるのは人情である。その結果、同じ素材のデータがあちこちに重複して存在し、ストレージ容量を無駄に使うことになる。また、手作りのストレージサーバでは、そのうち壊れてデータが消えてしまうのではという不安も生まれてくる。

 ユーザーであるとともに社内のストレージ環境の面倒も見てきたデジタルプロダクション事業部コンポジッターの東哲司氏は、当時の状況を「木の幹のように、ベースとなるストレージのインフラがなかった」と表現する。

 そこで明確になった課題は、以下の2点だ。

  • 安全性の高い大容量のストレージにして1カ所にまとめたい
  • 使い回す素材があるので、どこからでも見えるストレージにしたい
 高いレベルでのデータ保護と高スループットが決め手

技術統括部主任の山ア和広氏

 オムニバス・ジャパンのスタッフが最初にアイシロン・システムズのストレージ製品に出会ったのは、2006年4月に米国で開催されたNAB(全米放送事業者協会)の放送機器展でのことだったという。その後国内のストレージ専門展示会でデモを見た技術統括部主任の山ア和広氏と前出の東哲司氏は、ストレージ容量の追加が短時間に、簡単な作業で行えることに驚いたという。「RAIDを超えたクラスタのシステムは画期的だと思った。大容量のデータを扱うわれわれにとってはバックアップやアーカイブも課題だが、ここまで安全性が高ければバックアップは要らないのではないかと思ったくらい」(山ア氏)。

 アイシロン・システムズの「ISILON IQ」シリーズは、クラスタストレージという新しい分野のパイオニア的な製品だ。この製品では、ディスクドライブ群と、NASやそのほかの機能をつかさどる頭脳部分で構成される「ノード」が基本単位となっている。容量追加はこのノードをクラスタ接続で追加していくことにより行える。ノードそれぞれにCPUやメモリを搭載しているため、増設したらその分だけスループットが向上する。ノード追加も1分以内で行えるなど、導入や運用のしやすさも「ISILON IQ」シリーズの大きな特徴だ。

 データ保護や安定稼働の面では、ファイルレベルのストライピングに加え、N+1、N+2、N+3、N+4のデータ保護とミラーリングでデータ保護をするとともに、ディスクやノードの障害防止のための自己修復設計により、ノード間のフェイルオーバなどにより高い可用性を確保している。「ISILON IQ」のデータ保護機能は、データファイルをパズルのピースのように分割してパリティを生成し、クラスタを形成する複数のノードにまたがる形で分散配置するというのが、既存の方式との大きな違いだ。

デジタルプロダクション事業部コンポジッター 東哲司氏

 オムニバス・ジャパンは実機による検証を経て、2007年3月に導入作業を完了した。選択の最大の決め手になったのは、ファイルサイズの大小にかかわらず、多数の同時接続を受けている状況でも、高いパフォーマンスが保てることだったという。オムニバス・ジャパンは、別の機器を使った他社からの提案もあるなかで、最終的に「ISILON IQ」を東京エレクトロン デバイスから購入した。

  「東京エレクトロン デバイスはサポート担当者の能力が高いと感じた」(山ア氏)。また、同社がストレージとネットワーク環境の両方を理解しているという点も心強いという。ストレージ利用環境を整えていくにはネットワーク関連のインフラ整備が不可欠で、今後もさまざまなアドバイスを受けていきたいという。

 オムニバス・ジャパンが導入したのは、容量3TBの「ISILON IQ 3000i」である。N+1の構成で、新橋ビデオセンターに5ノード、赤坂ビデオセンターに7ノード導入した。新橋ビデオセンターにはCG用のワークステーションが40台ほどとノンリニア編集室が4部屋、また赤坂ビデオセンターおよび近隣の三分坂スタジオにはCG用ワークステーション20台弱とノンリニア編集室が計13部屋ある。テレシネやMA(音声処理)のほか、AVIDオフライン編集室もあり、これらの機器がギガビットイーサネットの回線を通して、「ISILON IQ 3000i」に接続されている。

 また、新橋ビデオセンターと赤坂ビデオセンター間は4Gbpsのダークファイバで、また赤坂ビデオセンターと三分坂スタジオ間は2Gbpsのダークファイバで接続されている。かなりの高速回線だが、「どちらの拠点からでも、作業中に離れていることを感じさせないようにして欲しい」(東氏)という現場の要求があったからだ。このような要求に応えることができるのも、高スループットを確保できるクラスタストレージだからこそだという。

 専任のストレージ担当者がいなくてもWebベースで簡単に管理できる

 専門の情報システム担当者がいない企業では、ストレージシステムのメンテナンスも技術部門の担当者の仕事だ。オムニバス・ジャパンの技術部門とは、映像関連の技術についてのスペシャリストではあるが、ストレージやネットワークについては専門家というわけではない。しかし「ISILON IQ」は、クラスタの設定や監視・管理をWebベースの管理画面から行うことができ、「ほかの製品に比べて非常に使いやすいので、トラブルがあっても、電話でサポートを受けながら自分で対処できる。コマンドラインインターフェイスのコマンドもLinuxに近いので、扱いやすい」(山ア氏)。

赤坂ビデオセンターのIQ 3000i。7ノードで16.74TBの容量を提供している

 作品の素材や編集加工した映像データは会社にとって資産であり、それが失われるというのは経営上の損失だ。そのため、バックアップについては常に気を遣っている。実は、本格導入前のテスト運用時に、稼働している3ノードのうち1ノードに障害が発生したことがあった。しかし、それでも保存されているデータには何ら影響はなく、これならバックアップも不要なのではないかと思ったほどだという。つまり、データを保存しているストレージについてはほとんど何も意識せず、面倒なことは考えずに、スタッフは作品のクオリティを上げることに没頭できるのである。

 オムニバス・ジャパンでは、「ISILON IQ」を当面、アーカイブとして利用する方針だ。映像制作の現場ではストレージが空いていればいるだけ使ってしまうという傾向がある。オムニバス・ジャパンでは、いかに効率よく利用するかのルール作りを進めているところだという。

 今後、テレビ放送のハイビジョン化に伴って、映像コンテンツの大容量化が進むことは必至だ。導入したのは合計約28TBという大容量だが、これでも遠くない未来に不足するときがやってくるだろう。その場合でも、「ISILON IQ」は簡単に増設して容量やパフォーマンスを向上させることができる。最初に大きな余裕を見込んで無駄な投資をすることなく、業務上必要になった時点で即座に、簡単に、そして業務を止めずに容量を増やせるストレージシステム。オムニバス・ジャパンのように、ビジネスがダイナミックに展開する企業にとっては欠かせないツールになっていくに違いない。

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『増大化する画像・映像コンテンツのデータ保存・利用を最適化するストレージ』
 ストレージの新しいカテゴリであるクラスタストレージの先駆者であるアイシロン
・システムズ。そのIsilon IQクラスタストレージはその拡張性・パフォーマンスの面で各分野において高い評価を得ている。本資料では2007年7月末に発表した最新モデルを含め、その機能・メリットを紹介する。

 


提供:東京エレクトロン デバイス株式会社
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2007年9月20日
 





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『増大化する画像・映像コンテンツのデータ保存・利用を最適化するストレージ』
ストレージの新しいカテゴリであるクラスタストレージとは?国内外に多くの導入事例をもつIsilon Systems社が解説するデータ保管技術と活用方法。

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東京エレクトロン デバイス株式会社
アイシロン・システムズ株式会社

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