現場力を高めるために進化し続ける帳票の最新形。
エンドユーザーからのニーズに応える“Excel帳票”
2011/1/27
帳票という言葉を聞いて、請求書や出荷指示書といった書類を思い浮かべる人は多いだろう。もともと帳票は会計用語で、帳は帳簿、票は伝票を意味しているから、無理もないといえば無理もない。しかし、帳票は今やその概念をはるかに超えており、活用フィールドは大きく広がっている。そうした中で、ビジネスの現場に最も浸透しているフォーマット「Exel」を使った帳票運用のソリューションがついに現れた。
帳票ニーズは驚くほど多様化している
例えば、生命保険会社に相談する。外交員が手渡してくれるのは、グラフやカラーイラストを駆使したビジュアルな保険設計書だ。百貨店の化粧品売り場に行けば、日ごろのスキンケアが行き届いているかどうか、チェック結果を写真やチャート満載のシートで報告してくれる。家へ帰れば、塾から帰ってきた子どもが、標準偏差値グラフの入った模擬テスト結果表をおずおずと差し出す。このようなコミュニケーションには、確かな伝達力や説得力がある。だからこそ、企業は情報を正しく直感的に理解してもらうコミュニケーション手段として、帳票の新しい形を日々模索し、自らの強みとしようとしている。
そのすべてを受け止めているのがSVF
そうしたニーズの多様化を幅広く受け止めてきたのが、ウイングアーク テクノロジーズのSuper Visual Formade Ver.9(以下、SVF)だ。“日本の帳票をグローバル化した総合帳票基盤”というスローガンが示すとおり、SVFは、既存の業務アプリケーションとのAPIやCSV、XMLなどのファイルインターフェイスによる上位システム連携が行えるのはもちろん、業務アプリケーションに帳票のロジックを持たせることなく作成できるフォームファイル作成機能、Web帳票運用/基幹帳票運用が可能で、多彩な出力形式をサポートする帳票出力機能を持ち、企業における帳票、あるいはその範囲を超えたグラフィカルな様式のアウトプットの数々をこれ1つで実現している。
満を持して、SVF for Excel登場
このSVFに、最近注目を集めている新製品がある。帳票出力のためのJava実行モジュール SVF for Excelだ。“なんだ、Excelへの出力なんて、珍しくもなんともない”と思われるだろうか。いや、この製品は、ただ単にExcelに出力できるだけの製品ではないのだ。ウイングアーク テクノロジーズがここ数年のExcel出力ニーズの高まりを背景に、企業のビジネス現場から寄せられる声に真摯(しんし) に耳を傾け、その要望の大半をくみ上げて完成させたのがSVF for Excelなのである。
そう、企業において、Excelをベースに情報を流通させる傾向はここにきて大きく高まっている。これには大きく2つ理由があると、ウイングアーク テクノロジーズ 営業統括本部 SVF戦略室 室長 谷口功氏は分析している。
「1つは、2008年秋のリーマン・ショックを契機とした帳票開発プロジェクトの簡素化だ。経済環境の悪化によりすべてのIT投資が全面的に見直され、帳票開発においても、まったくのゼロベースからレイアウトを起こすのではなく、すでに運用されているExcelフォーマットを活用した帳票運用が検討され始めた。
もう1つは、すでにエンド・ユーザー・コンピューティングの一環としてビジネス現場に浸透していたExcel帳票をさらに改良しようとする傾向が強くなったことにある。この背景には、不透明な経済環境が続く中、現実に今“稼ぎをもたらしてくれる部門”の売り上げを、ITの活用によって後押ししたいという判断がある」
2種類の出力方式をサポート
では、具体的にSVF for Excelはどのような機能を発揮するのか。まず、2種類の出力方式をサポートしている点が非常にユニークだ。
1つは、直接出力方式と呼ばれ、SVFX-Designerで作成した帳票フォームがそのまま出力用のExcel上で表現できる。作成済みの帳票フォームはSVFサーバ上で格納しておき、出力時にこのフォームとデータをSVF for Excelが合体させ、けい線やデータを出力用Excelの中に埋め込む形である。
もう1つは、テンプレート出力方式と呼ばれるものである。ファイルサーバなどに共有されている既存のExcelファイルに、システムから出力したデータを直接書き込みできる。ここに計算式を埋め込んでおけば、出力時に自動計算も行える。SVFX-Designer上では、Excelのどのセルにデータを置くかというフィールド定義だけを行えばいい。出力時、SVF for Excelが必要なデータを取得すると同時に、既存のExcelファイルで作成した帳票フォームを読み込み、出力用Excelシート上に両者を埋め込む。
このときSVF実行部の動作環境にExcelはなくてもよく、そのため、SVF for Excelの利用に際してサーバ側でのライセンス購入は必要ない。
このテンプレート出力方式で特筆すべきは、Excelのsheet対応だ。Excelファイルの帳票フォームにsheetが複数存在する場合でも、SVFX-Designerのつづり機能と連動させて出力することが可能だ。また、つづり機能を使わずに任意のシートだけを選択することもできる。既存のExcel帳票で複数のsheetを利用することはよくあることだが、SVF for Excelならわざわざ帳票フォームを作り直すことはない。そのままそれを活用して帳票の自動作成や一斉配信などを実現することができるのだ。
加えて、このモジュールにおいてもマルチスレッド対応を果たしており、大規模なExcel帳票作成が必要な場面でも、高速に処理が可能である。
情報追記で、“複数の顔を持つ帳票”
SVF for Excelの利用は、帳票展開の可能性を大きく広げてくれる。
典型的な例は、1つの帳票を社外向け用と社内向け用、2つの顔を持つ帳票として流通させる活用法だ。例えば、受注書を作成したとする。顧客に提出するときは、社名や金額や納期条件などが入った一般的な受注書として利用する。しかし、社内用には、そこに、“重要案件”“支払いサイクル注意”“仕切り条件変更”など、帳票の内容に合った追記を行えるようにしておくのである。そうすれば、社内だけで共有したい情報を簡単に付加して回覧したり保管したりすることができる。
これまで、こういった情報の共有はメールで知らせたり、紙に出力してメモを付けたりするなどの方法しか取れなかった。しかし、それでは、いつの間にか文言が抜け落ちたり、メモを紛失したりで、周知徹底できない危険性がある。それが、帳票管理自体は一元化しながら、さまざまなビジネスノウハウを可視化できるというわけだ。しかも、紙出力の手間なくファイルのままで進行できるから、業務効率も高められる。
また逆に、ウイングアーク テクノロジーズでは、スプールデータのアーカイブ製品を用意しているため、必要あればコンプライアンスの観点から、二次加工での変更個所を特定することも可能である。
海外拠点の開設でいきなり役立つ多言語対応
近年は日本企業の海外進出が珍しくない時代になってきたが、そこにおいても必要となるのは、文字や数字で情報を伝えるコミュニケーションだ。ただし、そこでは日本語は通じない。英語であれば通じるとも限らない。できれば現地の言葉で展開できるに越したことはなく、そこで「SVF Ver9」が活躍する。
現在、SVF Ver9は日本語、中国簡体字、中国繁体字、韓国語、チェコ語、フランス語、英語、タイ語の7言語8字体に対応することができる。しかも、芸の細かいことに、文字ばかりではなく、数値軸、項目軸、系列など、多数の要素が含まれるチャートを要素ごとに属性式を設定、その言語や文化に合わせた形で帳票出力することができる。
アイデアを持つエンドユーザーを巻き込む
Excelを情報流通のベースに据える何よりの利点は、エンドユーザーが帳票開発、帳票作成に積極的に参加できるということだろう。伝達すべき情報をどう表現すれば日々の業務に役立つかは、ビジネス現場が一番よく知っている。彼らが日ごろから使い慣れたExcelを使えばそれを簡単に形にすることができ、情報システム部門が少しばかり支援するだけで、SVFおよびSVF for Excelですぐさま運用に乗せることができる。
それも、完成度が要求されるならSVFX-Designerでレイアウトして直接出力、片ひじ張らない内容ならエンドユーザーが作成した帳票フォームをベースにテンプレート出力、と用途を使い分けることも簡単だ。谷口氏はこう語る。
「世界で最も要求の厳しい日本の帳票ニーズに応えてきたが、今なおわれわれの顧客は、“もっとこうしたい”“こういうことはできないのか”と進化に対して前向きだ。それらに対してできるだけノーとはいわないのが、ウイングアーク テクノロジーズのスタンス。このSVF for Excelも、ただExcel出力できるというだけじゃない、現場の“必要”をしっかり反映させたモジュールとして作り込めた」
Excelで帳票に複数の顔を持たせる。今ではこんなことも可能になったのだ。帳票テクノロジーは今も新しい時代へのアップデートを続けている。うまく活用すれば、もっと楽に、もっとスマートに、ビジネスを改善できるのではないだろうか。この進化、知らないままでいるのは、ちょっともったいないかもしれない。
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2010年11月に行なわれた「ウイングアーク・フォーラム2010 in 東京」で好評を博した講演資料を公開。Web帳票のニーズが高まるなか、PDF、TIFF、直接印刷などの帳票出力に加え、あらたにExcel形式の出力に対応。ひとつの帳票フォームからさまざまな出力形態の帳票を出力できるマルチ出力の実現について紹介する。
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提供:ウイングアーク テクノロジーズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2011年2月26日