アクター

actor


 ユースケース・モデルを構成する要素の1つで、システム(主体)にアクセスする利用者や外部システムが、システム(主体)に対して果たす役割を示したもの。主アクターが持つ目的が、システムの機能(ユースケース)を規定する。

 ユースケース手法におけるアクターは、システムの外部に存在してシステムと相互作用する、特定の目的と役割を持つ存在で、人や組織、外部システムなどをいう。ただし、具体的な実体(個人など)ではなく、システムとの関係の中での特定の役割を果たす抽象的存在である。

 例えば企業の勤怠管理システムをユースケースで表現する場合、その対象者(利用者)は「山田さん」「田中さん」という個々人ではなく、「従業員」というクラス的な存在として示される。これがアクターである。また、この勤怠管理システムのシステム管理担当者が山田さんであるとき、実在の山田さんは「従業員アクター」であると同時に「システム管理者アクター」という、異なる立場でシステムとかかわることになる。

 UMLのユースケース図では通常、人型シンボル(stick man=棒人形)として描かれるが、UML仕様書では通常のクラス同様、<<actor>>キーワードを持つ矩形シンボルとして表示したり、任意のシンボルを使用したりすることも許されている。

アクター アクター アクター

 ユースケース記述においてのアクターはシステムの使用者であって、特に主アクターはそのアクターが持つ目的を達成するためにシステムが提供すべき機能をユースケースを分析、定義する存在である。ユースケース分析やユースケース駆動開発においては、極めて重要な概念といえる。

参考文献

  • 『オブジェクト指向ソフトウェア工学OOSE――use-caseによるアプローチ』 I・ヤコブソン、M・クリスターソン、P・ジョンソン、、G・ウーバガード=著/西岡利博、渡邊克宏、梶原清彦=監訳/トッパン/1995年9月(『0bject-Oriented Software Engineering: A Use Case Driven Approach』の邦訳)
  • 『UMLモデリングのエッセンス――標準オブジェクトモデリング言語入門 第2版』 マーチン・ファウラー、ケンドール・スコット=著/羽生田栄一=監訳/翔泳社/2000年4月(『UML distilled』の邦訳)
  • 『UML 2.0仕様書――2.1対応』 Object Management Group=著/西原裕善=監訳/オーム社/2006年11月(『Unified Modeling Language specification』の邦訳)
 
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