アジャイルソフトウェア開発

agile software development / アジャイル・プロセス / アジャイル開発


 ソフトウェア要求仕様の変更などの変化に対して機敏な対応ができ、顧客に価値あるソフトウェアを迅速に提供することを目的とするソフトウェア開発方法論の総称。特に「アジャイルソフトウェア開発宣言」に合意しているもの、「アジャイルアライアンス」に参加しているものを指す。アジャイル(agile)とは「俊敏な」「機敏な」という意味で、軽量型(ライトウェイト)開発ともいう。

 ウォーターフォールRUPなどの“重厚な(ヘビーウェイト)開発プロセス”が事前に仕様を定義して、それに基づいてアーキテクチャ中心に計画的な設計を行い(この間、仕様書や設計書など中間成果物を作成する)、その設計に沿ってプログラミングを行っていくというプロセスであるのに対して、アジャイルソフトウェア開発は仕様や設計の(場合によっては大幅な)変更が当然あるものという前提で、最初から厳密な仕様を抽出しようとせず、大まかな仕様だけで細かいイテレーション(反復)開発に始め、すぐに実装・テストを行って仕様や設計の妥当性を検証するというアプローチを取る。

 上述のヘビーウェイトな手法は伝統的なソフトウェア開発のやり方としてさまざまなプロジェクトで実施されてきたが、近年、その欠陥が指摘されるようになってきた。それは、社会状況やマーケットの変動が激化し、また業務が複雑化するに伴って、ビジネスおよびシステム要件も日々変化するのに対し、従来の手法ではその変化に機敏に対応して、システム構築ができないというものだった。

 こうした状況をを背景に、「変化への対応」をうたう開発方法論、プロジェクト管理手法が登場するようになった。それらの提唱者たちは2001年2月、米国ユタ州スノーバードに集まり、共通するコンセプトを説明する言葉として「アジャイル」を選択、アジャイルソフトウェア開発宣言を発表した。

 アジャイルソフトウェア開発とされるものには、以下のようなものがある。

参考文献

  • 『アジャイルソフトウェア開発』 アリスター・コーバーン=著/テクノロジックアート=訳/長瀬嘉秀、今野睦=監訳/ピアソン・エデュケーション/2002年8月(『Agile Software Development』の邦訳)
  • 『アジャイル開発手法FDD――ユーザ機能駆動によるアジャイル開発』 スティーブン・R・パルマー、ジョン・M・フェルシング=著/デュオシステムズ=訳/今野睦、飯塚富雄、長瀬嘉秀=監訳/ピアソン・エデュケーション/2003年3月(『A Practical Guide to Feature-Driven Development』の邦訳)
  • 『アジャイルソフトウェア開発スクラム』 ケン・シュエイバー、マイク・ビードル=著/スクラム・エバンジェリスト・グループ=訳/テクノロジックアート=編/長瀬嘉秀、今野睦=監訳/ピアソン・エデュケーション/2003年9月(『Agile Software Development with Scrum』の邦訳)
 
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