ソフトウェア開発プロセス

development process / 開発プロセス / 開発工程


 ソフトウェアを開発する際の手順や工程のこと。特に作業工程(内容や役割)と成果物(ドキュメントやコード)、作業指針などの実務手順を定めたものをいう。開発プロセスモデルをいうこともある。

 一般に仕事や業務は小さな作業から成り立っている。こうした作業の系列をプロセス(業務プロセス)という。ソフトウェア開発においても作業の手順が存在する。これが開発プロセスである。

 開発プロセスはソフトウェアの作り方であり、その違いが最終的なソフトウェア製品やその提供方法の特性に大きく影響する。これは製造業の製造プロセス(例えば、見込み製造とBTOATO)に向き不向きがあるのと同様である。そのため、ソフトウェア業界やソフトウェア工学の世界では開発プロセスの議論が盛んに行われ、数多くの開発プロセスモデルが作られてきた。プロセスの流れをテーマにしたモデルとしてはウォーターフォール反復開発アジャイル開発が知られる。また、プロセス内の作業を網羅・詳細化したモデルとしては、ISO/IEC 12207/JIS X 0160共通フレームがある。

 開発プロセスは“作業系列の流れ”であると同時に“作業系列の範囲”であり、その内部には“作業の階層構造”を持っている。その階層レベルについて、ISO/IEC 12207や共通フレームは「プロセス」「アクティビティ」「タスク」「リスト」と表現している。また、ワッツ・S・ハンフリー(Watts S. Humphrey)は「Universal」「Worldly」「Atomic」の3段階で表す方法を提示している。

 「開発プロセス」という言葉はやや多義的で、文脈によって粒度や抽象度が違ってくる。「開発現場で実際に実施されている作業順序」「特定の開発作業を行うために定義されたルール」「会社レベルで一般化された標準手順書」「業界レベル一般化されたプロセスモデル」「ソフトウェアプロセスの同義語」「ソフトウェアプロセス中の開発プロセス部分(範囲)」「開発プロセス部分中の作業の流れ」のうち、どの用法か意識した方がいいだろう。

参考文献

  • 『反復型開発のエコノミクス――業績を改善するソフトウェアプロジェクト管理』 ウォーカー・ロイス、カート・ビットナー、マイク・ペロー=著/藤井拓=監訳/ピアソン・エデュケーション/2009年12月(『The Economics of Iterative Software Development: Steering Toward Better Business Results』の邦訳)
  • 『共通フレーム2007――経営者、業務部門が参画するシステム開発および取引のために』 情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター=編/オーム社/2007年10月
  • 『ソフトウェアプロセス成熟度の改善』 ワッツ・S・ハンフリー=著/藤野喜一=監訳/日本電気ソフトウェアプロセス研究会=訳/日科技連出版社/1991年9月(『Managing the Software Process』の邦訳)
 
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