DFD (data flow diagram)

データフロー・ダイアグラム / データフロー図 / 機能情報関連図


 データの入出力・流れ・処理の視点から対象世界(システム)の機能や振る舞いを分析・記述するための図のこと。データを処理するプロセスを丸(バブル)で表すため、バブルチャートともいう。

 DFDは構造化分析で中心的に使われる分析技法で1970年代後半に提案され、C・ゲイン(Christopher P. Gane)とT・サーソン(Trish Sarson)の共著『Structured Systems Analysis: Tools and Techniques』(1977年)やトム・デマルコ(Tom DeMarco)の『Structured Analysis and System Specification』(1979年)などによって普及した。

 機能(データの処理)同士の関係をグラフィカルに表現することにより、システムの構造を明確にする。この機能とはコンピュータによる処理だけではなく、きちんと定められた業務フローのように体系化された仕組み(システム)におけるファンクションを含み、業務分析にも利用される。

 提唱者によっていくつかの表記法があるが、基本的な考え方はほぼ共通である。最も有名なデマルコの方法では、長方形でデータの源泉と吸収(発生源と最終到達点)、丸ないしバブルでプロセス(データの処理)、2本線でデータストア(ファイル/データベース)を示し、これらの記号をデータの流れである矢印でつないで表記する。

 デマルコのDFDでは、対象を階層的に表現する。すなわち、第一段階では「コンテキストダイアグラム」「トップレベル図」などと呼ばれる大まかな図を作成し、業務と外界(対象システムの外部)のデータとの関係を表し、ソフトウェア化領域/人間系の切り分けを行う。続いて各業務の内容をさらに段階的詳細化(stepwise refinement)して図示・分析し、ソフトウェア領域についてはデータフローからプログラム構造へ変換して、コーディング・フェイズにつなげる。

 デマルコのDFDは事務処理などを前提にした情報システムを対象としており、データの流れを静的に分析・記述するものでシステムの状態遷移やプロセスの制御情報などは記述しない。これに対して1980年代にはリアルタイム機能を拡張したウォード-メラー法、ハトレイ法などが登場している。

参考書籍

  • 『構造化分析とシステム仕様――目指すシステムを明確にするモデル化技法』 トム・デマルコ=著/高梨智弘、黒田順一郎=訳/日経BP出版センター/1994年9月(『Strucured Analysis and System Specification』の邦訳)
 
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