特性要因図(とくせいよういんず)情報マネジメント用語辞典

cause and effect diagram / fishbone diagram / ishikawa diagram / / 因果関係図 / 魚骨図 / 要因関連図 / 魚の骨 / 原因−結果チャート / フィッシュボーンチャート / イシカワ・ダイアグラム

» 2006年06月29日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 特性(結果の善し悪し、解決すべき課題)と、それに影響を与えるさまざまな要因の関係を系統的・階層的に整理した図。特性がはっきりと絞り込まれているとき、それを防止するための管理項目を検討したり、発生原因を追及したりするために使われる。

 表記法は通常、右端に特性を置いた水平の矢線(背骨、幹などという)を引き、その上下から斜めに接する矢線(大骨、大枝)で要因(分類)を示す。“要因の要因”は順次、中骨(中枝)、小骨(小枝)と分岐していく。製造業の品質管理では、最初の大骨として「材料」「機械(材)」「人」「方法」を置くことが多い。

ALT 特性要因図の基本形

 ある結果――例えば「歩留まりが悪い」という特性を想定したとき、その要因となり得るものは「機具の不具合」「作業者の不慣れ」など数多くあり、複雑にからみ合っている。要因の要因という具合に検討を進めると要因の数がさらに増えるので、これらを構造的に把握することが大切となる。こうした多数の要因を漏れ・重複・矛盾などがないように階層構造で整理するのが特性要因図である。

 未発生の特性を予防的に管理・検討するような場合には、関係者の経験や知識、あるいはブレーンストーミングなどによって管理すべき要因を網羅的に列挙・整理する(対策検討型)。一方、すでに発生した結果から原因を探るときには、すべての要因を列挙するのではなく、影響の強いものに絞って、問題と主要因の因果関係を明確にする(原因追及型)。

 このようにして作成された特性要因図はまだ仮説なので、実際のデータや改善活動などを通じて、検証を行う必要がある。要因の影響度が数値化できるのであればパレート図で特に影響力の大きい要因を抽出するなどし、定性的な要因であれば話し合いなどで重み付けを行って、要因を絞り込んで検証・対策を繰り返す。

 特性要因図はもともとは品質管理において、品質特性に影響を与える多数の要因を整理・把握するために東京大学(当時)の石川馨教授が考案したもので、1952年に川崎製鉄の葺合工場が実務に適用して大きな成果を挙げ、知られるようになった。QC七つ道具の1つに数えられる。

参考文献

▼『層別・特性要因図の徹底的活用法』 佐野晶=著/水野滋=監修/日本規格協会/1986年11月


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ