グリッドコンピューティング

grid computing


 ネットワーク上のコンピュータリソースを融通し合って、仮想的に高性能コンピュータを構成したり、柔軟に資源配分を行ったりできるようにするというコンピュータ利用のコンセプトをいう。

 広義には、分散したプロセッサやデータ、ストレージ・システム、ネットワークなどのリソースを集約・融合して、あたかも1つの巨大リソースとして利用できるようにする技術の総称である。電力網を意味する「Power Grid」が語源で、電力網が電気を供給するように必要なときに必要なだけコンピュータリソースが利用できるようにするビジョンを示す言葉でもある。

 グリッドには、2つの原点があるとされる。1つは米国スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)の「メタコンピューティング」(後のGlobusアライアンス)、もう1つはウィスコンシン大学の「Condorプロジェクト」である。前者は高価なスーパーコンピュータを融通し合うことを目的にした遠隔・分散環境におけるハイパフォーマンスコンピューティングの研究、後者はネットワークを介して遊休コンピュータを有効活用する研究である。1997年にこれらの研究者が米国アルゴンヌ国立研究所に集まって会議を開催した。このとき「ザ・グリッド」という言葉が最初に用いられた。

 世の中にあるコンピュータのほとんどは、その処理能力の一部しか使っておらず、世界全体を通時でみればコンピュータの処理能力は余剰状態にある。このような余剰のコンピュータリソースをかき集めて、需要のある分野に有効活用しようというのがグリッドの基本思想である。理想としては、インターネットを通じて接続されたあらゆるメーカーのプラットフォームやリソースを自律的に融合して、高度なコンピューティングサービスを容易に利用できるようなインフラを実現することが1つの到達点といえる。異機種接続のためには各コンピュータ間で統一された基盤が必要となるため、グローバル・グリッドフォーラム(GGF)やグリッド評議会などの団体で標準化が進められている。

 なお、グリッドの出発点は「組織をまたがった分散環境におけるリソースの共有」だったが、技術が発展する中で単一の組織で集中管理されているリソースを連携させるクラスタリング由来の技術を「グリッド」と呼ぶ場合が増えてきており、区分があいまいになってきている。

 
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