国際会計基準(こくさいかいけいきじゅん)情報マネジメント用語辞典

IAS / International Accounting Standard

» 2008年11月29日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 国際会計基準委員会(IASC)が設定・公表していた財務諸表作成に関する国際的調和のための会計基準のこと。狭義にはIASCが設定した34の個別基準である「国際会計基準書」を指すが、日本語で「国際会計基準」「国際基準」というときはIASCの後身である国際会計基準審議会(IASB)が作成する「国際財務報告基準」(IFRS)を含めていう場合もある。

 企業活動のグローバル化や証券市場のボーダーレス化が進んだ今日にあっては外国企業への投資を検討する投資家が多数存在する。しかし、こうした投資家が外国企業の財務諸表を見たとき、各国の財務諸表作成基準が異なっていてはその内容を正しく理解したり、相互に比較検討したりすることが困難で、結果として正しい企業評価(投資判断)を下すことができない。

 このとき、世界共通の財務諸表作成基準があれば、その基準に従って各国の企業が財務諸表を作成すれば、どの国の企業であっても投資家は正しい企業評価を行い、投資判断のための正確な資料を手にすることができる。このような制度を実現するため、制定されたのが国際会計基準である。

 1973年設立の国際会計基準委員会は、2001年1月に発展的に改組して国際会計基準委員会財団(IASCF)となり、その下に会計基準の設定主体として国際会計基準審議会(IASB)が創設された。ここで定められる基準書は国際財務報告基準(IFRS)と名付けられているが、既存の基準書(改訂版含む)も新基準によって廃止されるまで効力を有するとされ、名称もIAS(国際会計基準書)のままであるため、新旧基準を併せて「国際会計基準」と呼称する場合がある。なお、新旧基準の総称としてはIAS/IFRSといった表記も見られる。

 会計ビックバンへの対応(国際会計基準への対応)を課題としていた日本企業にしてみれば、会計管理機能が充実したERPパッケージを導入することが、最も効率的な課題解決策でもあったわけである。わが国におけるERPパッケージ導入企業が国際会計基準の適用時期を境に急増しているのもこのような事情によるものだ。

 ERPパッケージの中には会計管理モジュールから発展したものも多くあり、会計管理機能の充実したパッケージも数多く存在しているようである。海外からわが国へ導入されたERPパッケージも、グローバル企業に対するビジネスサポートを前提としており、当然国際会計基準によるディスクロージャーに対応している。

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