インテリジェントビル(いんてりじぇんとびる)情報マネジメント用語辞典

smart building / intelligent building / 高度情報化ビル / インテリジェントビルディング / スマートビル

» 2004年11月27日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 一般に、高度なIT/OAに対応する環境とテレコミュニケーション機能があり、最先端の建築環境とビルオートメーション機能などが総合的に整備されたオフィスビルのこと。

 インテリジェントビルのコンセプトは、ビルを単なる“うつわ”と考えるのではなく、テナントが利用する各種機能・サービスをビル自体があらかじめ設備として持ち、それらを統合管理することによって、ビルの居住性や利便性、生産性、経済性(省エネルギーなど)などを総合的に高め、快適な職場環境を作り出そうというもの。具体的には、ビル内で使用する電話回線/PBX/インターネット接続/LANなどの通信機能、フリーアクセスフロアなどの建築設備、ビル全体の空調/給排水/エネルギー/照明/防災/防犯などの集中管理・自動制御などが該当する。

 この言葉は、1984年1月に米コネチカット州ハートフォードにユナイテッドテクノロジーズビルディングシステム社によって建設された高層ビル「City Place」の宣伝コピーとして広く知られるようになったもので、統一的な定義は特にない。日本では法律・行政分野で「高度情報化建築物」という訳語があり、前述のような“設備”に焦点を当てて使われるのが一般的。米国では「スマートビル(smart building)」ともいい、テナントに対して高度な情報通信サービス(通常、ビル所有者とは別のサードパーティのサービス会社が提供する)を供給する貸しビルを指すことも多い。

 近年、新築されるビルの多くは“インテリジェント化”されており、これら設備やサービスの標準化が進んでいる。とはいえ情報通信や放送、ビル管理システムの技術はいまなお進化しており、これらの変化は建物の寿命に対して短いサイクルで起こるため、今後のインテリジェントビルには技術やニーズの変化に対して幅広い対応力や柔軟性が求められるといえるだろう。

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