インテグラルアーキテクチャ

integral architecture / 擦り合わせ型アーキテクチャ


 製品やシステムを構成する要素同士が密接に結び付いたアーキテクチャのこと。製品アーキテクチャ区分の1つで、モジュラアーキテクチャの対語である。

 同じ工業製品であってもパソコンのように部品が規格化され、単純に組み立てるだけで作れるものと、自動車のように車体、エンジン、ブレーキ、タイヤ、電気系統などがそれぞれ走行性や加速性、制動性、燃費、乗り心地に影響し合い、1つの要素を変更するとほかの要素との関係を調整する必要があるものがある。後者のように要素間の相互依存性の高い構造を持つ製品アーキテクチャをイングラルアーキテクチャという。

 米国ペンシルベニア大学ウォートンスクールのカール・ウルリヒ(Karl T. Ulrich)は機能が要素と1対1に対応したものをモジュラアーキテクチャ、各機能と複数の要素に関係するように作られているものをインテグラルアーキテクチャと呼んでいる。

 インテグラルアーキテクチャは、「小型で高性能」というように高い統合度が求められる製品を設計する場合に採用される。模倣が困難であるため、その製品が競争優位を確保できれば市場地位の維持がしやすいというメリットがある。その一方で、構成要素(部品)間の調整作業(擦り合わせ)が必要となるため、製品の設計・生産にコストと時間が掛かるとともに、製品システムへの参入者が限定されるためにその多様性やイノベーションが起こりにくいというデメリットが指摘される。

参考文献

  • 『ビジネス・アーキテクチャ――製品・組織・プロセスの戦略的設計』 藤本隆宏、武石彰、青島矢一=編/有斐閣/2001年4月
  • 『能力構築競争――日本の自動車産業はなぜ強いのか』 藤本隆宏=著/中央公論新社・中公新書/2003年6月
  • 『戦略とイノベーション』 伊丹敬之、藤本隆宏、岡崎哲二、伊藤秀史、沼上幹=編/有斐閣/2006年1月
  • 『オープン・インテグラルアーキテクチャ――百貨店・ショッピングセンターの企業戦略』 北島啓嗣=著/白桃書房/2009年6月
 
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