インタラクションデザイン

IxD / interaction design


 人間とインタラクション(対話型操作)を行う機械やシステムを対象とするデザイン分野のこと。そのための技術や手法を指すこともある。対象となる対話型システムがユーザーにとってスムーズに操作・利用できるよう技術、ドメイン(対象分野)、条件・制約、ユーザーの特性・目的・置かれた状況などを幅広く理解することが求められる。

 インタラクションデザインは、直接的にはデザイン対象システムがユーザーに対してどのように振る舞うかを定義していく営みである。インタラクティブなシステムは、ユーザーの状態や周辺状況の違い、時間の経過などに合わせてダイナミックなインタラクションが求められる場合が多く、インタラクションデザイナーには多様なものの見方が要求される。

 また、システムの振る舞いが「ユーザーに正しく認知されるか」「ユーザーの感情を害さないか」といった、人間理解も不可欠である。システムの指示によってユーザーが行動を変えることも想定されるため、システムの振る舞いだけではなく、ユーザー側の行為をデザインすることも含まれるといえる。

 人とシステムのインタラクションは、そのシステムを仲介物として背後にいる人(電話や電子メールであれば通信相手、コンピュータソフトウェア製品であればプログラマ)とのインタラクションであり、「インタラクションデザインは、人間同士のつながりを形成すること」と説明される場合もある。

 インタラクションデザインという語を最初に使ったのは、英国の工業デザイナー ビル・モグリッジ(Bill Moggridge)と、米国のGUIデザイナー・研究者のビル・バープランク(Bill Verplank)だとされる。モグリッジが米国に設立したデザインファームIDTwo(現IDEO)にバープランクがデザインコンサルタントとして働いていた1980年代半ばごろ、従来の「ユーザーインタフェース・デザイン」に代わる言葉として作られたという。

 1990年代半ばになるとパーソナルコンピュータ用ソフトウェアやデジタル機器、Webページの使いやすさを追求するための新しいデザイン分野の名称として用いらるようになり、近年ではマーケティング分野などでのサービスプロセスの定義にこの概念を応用する事例も見られるようになっている。

参考文献

  • 『インタラクションデザインの教科書』 ダン・サファー=著/吉岡いずみ=訳/ソシオメディア=監訳/毎日コミュニケーションズ/2008年8月(『Designing for Interaction : Creating Smart Applications and Clever Devices』の邦訳)
  • 『About face 3――インタラクションデザインの極意』 アラン・クーパー、ロバート・レイマン、デビッド・クローニン=著/長尾高弘=訳/アスキー・メディアワークス/2008年7月(『About Face 3: The Essentials of Interaction Design』の邦訳)
 
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