メトカーフの法則

Metcalfe's law of the telecosm / メトカーフのテレコズムの法則


 ネットワーク(特にコンピュータ・ネットワーク)の価値もしくはパワーは、そのネットワークに接続されたすべてのノード(コンピュータなどのネットワーク端末)数のほぼ2乗に比例して増加するという論理。概念的には、経済学でいうネットワーク外部性の直接効果において単調に増加することを想定した場合と同じことをいっている。

 電話網のような相互接続ネットワークにn台のノードがつながっている場合、「n(n-1)÷2」通りの相互アクセスが可能となる。接続した場合の有用性はそれぞれのアクセスで同一であると仮定すれば、ネットワーク全体の価値はn(n-1)に比例し、nが十分に大きければnの2乗に近似する。

 これはネットワークは、ある閾(いき)値を超えると参加者が参加者を呼ぶという“正のフィードバック”による成長が得られることを示唆するものである。またネットワークから得られる価値が等比級数的に増加するのに対して、コストはノード数に正比例(直線的)するため、利益・利得についてもスパイラルな上昇が見込まれることも表している。

メトカーフの法則に沿った場合のネットワーク価値の成長曲線

 こうした説明は、イーサネットの提唱者で米国スリーコム社の共同設立者としても知られるロバート・M・メトカーフ(Robert M. Metcalfe)が、1990年にスリーコムを離れて講演活動を始めたころにこうした話を行っていたという。

 これを“法則”と呼んだのは、未来学者のジョージ・ギルダー(George Gilder)で、1990年代初めの段階で、やがて来るネットワークの時代――テレコズムを支配する「メトカーフのテレコズムの法則」として提唱したものである。なお、ギルダーが1990年代の論考をまとめ、2000年に刊行した『Telecosm』では「テレコズムの法則」(ネットワークの価値は、ネットワークに接続された全端末の処理能力の2乗に比例して増大する)といい換えている。

参考文献

  • 『テレコズム』 ジョージ・ギルダー=著/葛西重夫=訳/ソフトバンク パブリッシング/2001年11月(『Telecosm: How Infinite Bandwidth Will Revolutionize Our World』の邦訳版)
 
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