ミニマックス定理

minimax theorem


 ゲーム理論の最も標準形となる“ゼロサム2人ゲーム”の主要定理。ゼロサム2人ゲームで混合戦略を許した場合、双方のプレーヤーが戦略配分を合理的に行う限り、両者が均衡する最適戦略が必ず存在することを示した。

 ミニマックスとは、自身が取り得る戦略(ゲームの打ち手)の結果として損失(マイナスの利得)が最大(マキシマム)なもの同士を比較して、その中から最小(ミニマム)の戦略を選択する行動原理をいう。ゼロサム2人ゲームで両プレーヤーが自身の利得を最大化あるいは損失を最小化するよう、それぞれマクシミン原理ミニマックス原理に沿って行動したとき、そのゲームが鞍点を持つならば純粋戦略で均衡点を見出すことができる。鞍点が存在しない場合も混合戦略の組み合わせと確率をミニマックスで考えると、両プレーヤーにとっての最適戦略(妥協点)が見つかる。これがミニマックス定理である。

 この定理は、ハンガリー出身の数学者であるジョン・フォン・ノイマン(John von Neumann)が1926年にゲッチンゲン数学協会で行った講演で最初に示されたとされる。その内容は1928年の論文『Zur Theorie der Gesellschftsspiele』(室内ゲームの論理)に公表され、ゲーム理論を生み出す端緒となった。後年、ナッシュ均衡として一般化された。

参考文献

  • 『ゲームの理論と経済行動』 フォン・ノイマン、オスカー・モルゲンシュタイン/銀林浩、橋本和美、宮本敏雄=監訳/東京図書/1972〜1973年(『The Theory of Games and Economic Behavior』の邦訳)
  • 『ORの話』 大村平=著/日科技連出版社/1989年8月
  • 『フォン・ノイマンの生涯』 ノーマン・マクレイ=著/渡辺正、芦田みどり=訳/朝日新聞社/1998年9月(『John von Neumann』の邦訳)
  • 『確率の科学史――「パスカルの賭け」から気象予報まで』 マイケル・カプラン、エレン・カプラン=著/対馬妙=訳/朝日新聞社/2007年3月(『Chances Are ...: Adventures in Probability』の邦訳)
  • 『もっとも美しい数学――ゲーム理論』 トム・ジーグフリード=著/冨永星=訳/文藝春秋/2008年2月(『A Beautiful Math: John Nash, Game Theory, and the Modern Quest for a Code of Nature』の邦訳)
 
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