プロダクトアウト(ぷろだくとあうと)情報システム用語事典

product-out / product-oriented

» 2005年02月04日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 企業が商品開発・生産・販売活動を行う上で、企業側の都合(論理や思想、感性・思い入れ、技術など)を優先するやり方。“作ってから売り方を考える方法”といえる。

 “工業”の歴史において、産業革命以来、20世紀の大量生産方式の登場まで「作れば売れる」時代が続いた。しかし、1970年代ごろになると資本主義社会に成熟化・飽和感が見られるようになり、次第に作り手・売り手の独り善がりな商品・サービスは受け入れられなくなってきた。

 そこで購買者の視点、ニーズを重視しようという発想が登場し、日本でもマーケティングの概念が本格的に上陸、「マーケットイン」という言葉が造語された。プロダクトアウトはその対語で、大量生産に代表される従来のやり方を示す。

 この言葉が登場する場合、「プロダクトアウトからマーケットインへの転換」という主張・文脈で使われることが多いが、消費者や顧客は必ずしも自分が欲しいものを明確に知っているわけではなく、それまで市場に存在しないような新しい製品やサービス(イノベーション)に関しては、提供する側が新しい“提案”として、プロダクトアウト型で提供していくべきだという論調も根強い。

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