ソフトウェアレビュー
software review / レビュー
ソフトウェアプロジェクトの各工程において作成される成果物について、権限者や専門家が管理面ないし技術面から審査・評価・決裁・見直し・問題指摘などを行うこと。
ソフトウェアに関する主なレビューには、承認レビューと成果物レビューの2つがある。前者は契約やマネジメントで規定された正式な認証行為としてのレビューであり、後者はソフトウェア成果物に潜む問題の早期発見を図る品質活動としてのレビューである。このほかに作業状況を評価するレビュー、プロセス品質を評価するレビュー、採用技術の評価を行うレビュー、未経験者の教育を目的としたレビューなどがある。
承認レビューはプロジェクトの継続や次工程への移行に関して、発注者や管理責任者のお墨付きをもらう公式な活動である。プロジェクトの工程区切りとなる。開発フェイズや決裁者の違いに応じて「プロジェクト開始レビュー」「マネジメントレビュー」「フェイズ移行レビュー」「ゲートレビュー」「マイルストーンレビュー」「プロジェクト終了レビュー」など、さまざまな名前で呼ばれる。受け入れテストも承認レビューの一種といえる。
成果物レビューは要求仕様やソフトウェア設計、ソースコードなどのソフトウェア成果物を専門家がチェックして、不具合や欠陥を発見する作業をいう。公式レビューと非公式レビューがある。レビューアの違いでみると、1人で行う「机上チェック」、チーム内部で行う「ピアレビュー」、外部の力を使う「第三者検証(IV&V)」に分類できる。
レビューの対象となるものとしては契約、プロジェクト計画、予算/コスト見積もり、要件定義、機能仕様、システム設計/ソフトウェア設計、データモデル、画面/帳票、ソースコード、ユーザーマニュアル、運用マニュアル、テスト計画、テスト仕様、コーディング規約、開発標準、開発プロセス、運用プロセスなどが挙げられる。
ソフトウェアレビュー(成果物レビュー)はソフトウェア品質の維持・向上に、テスト(動的テスト)以上の大きな効果があるといわれている。一般にソフトウェアの不具合や欠陥は工程の早い段階で検出する方が少ない修正コストで済むとされるが、レビューはコーディング以前から実施することができ、問題の早期発見に貢献する。
カール・E・ウィーガーズ(Karl E. Wiegers)は、論文「Improving Quality through Software Inspections」(1995年)でレビューに関する“基本指導原則”を挙げている。
- 入り口で自らのエゴをチェックせよ。
- 作成者ではなく、作成物を批評せよ。
- レビューを通じて問題を見つけよ。ただし、解決を試みてはならない。
- ミーティングは最大2時間に制限せよ。
- “好み”に関する問題は避けよ。
- 早期かつ頻繁に、公式ないし非公式に検査せよ。
参考文献
- 『ピアレビュー ――高品質ソフトウェア開発のために』 カール・E・ウィーガーズ=著/大久保雅一=監訳/日経BPソフトプレス/2004年3月(『Peer Reviews in Software: A Practical Guide』の邦訳)
- 『ソフトウェアインスペクション』 トム・ギルブ、ドロシー・グラハム=著/伊土誠一、富野壽=監訳/構造計画研究所/1999年8月(『Software Inspection』の邦訳)
- 『ソフトウェアの構造化ウォークスルー』 エドワード・ヨードン=著/国友義久、千田正彦=訳/近代科学社/1981年10月(『Structured Walkthroughs. 2nd Edition』
- 『ソフトウェア技術レビューハンドブック――実践的ノウハウに関するQ&A』 ダニエル・P・フリードマン、ジェラルド・M・ワインバーグ=著/岡田正志=監訳/TBS出版会/1987年3月(『Handbook of Walkthroughs, Inspections, and Technical Reviews. 3rd Edition』
- 『ソフトウェア・テストの技法』 グレンフォード・J・マイヤーズ=著/松尾正信=訳/近代科学社/1980年3月(『The Art of Software Testing』の邦訳)
- 『ソフトウェア・レビュー技術――基礎から実践までのノウハウ』 織田巌=著/ソフト・リサーチ・センター/2006年7月
- 「Improving Quality through Software Inspections」 Karl E. Wiegers=著/Software Development, Vol. 3, no. 4/1995年4月[PDF]
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リンク
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- 高品質ソフトウェア技術交流会(QuaSTom)
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